2017年8月9日水曜日

失態をようやく回復

 5月末に予定されていたが、思わぬ夏風邪とそれに伴う喉の不調により、中止を余儀なくされた障がい者施設でのライブを、ようやく終わらせた。2ヶ月半もの順延で、先方には大変なご迷惑をおかけした。
 このところの練習では、普段通りのキーで声は出る。ロングトーンや声のツヤの面では不安も残るが、ともかくも人前で歌えるレベルまでには回復している。
 施設は札幌西部の山沿いにあり、依頼は昨年に続いて2度目なので、道順に不安はない。開始20分前には到着し、さっそく機材を組み立てる。
 会場がかなり広く、前回スピーカー1台では非力を感じたので、2台を持参した。施設側でも広い会場に配慮し、高さ30センチほどのステージを今回は用意してくれた。ステージ上部には立派な横断幕まであって晴れがましい。

 開演5分前には準備が整った。自由参加だったが、会場にはすでに多くの聴き手が集まっている。その数、ざっと60名ほどか。前回を上回る盛況だった。


 予定を早めて、13時55分から歌い始める。休憩なしの1時間5分で、17曲を一気に歌う。(全曲リクエスト、※は初披露)

「君のひとみは10000ボルト※」「逢いたくて逢いたくて※」「いちご白書をもう一度」「昴-すばる-」「昔の名前で出ています」「恋するフォーチュンクッキー※」「川の流れのように」「for you…※」「いい日旅立ち」
「ワインレッドの心」「夢一夜」「あんたのバラード※」「氷雨」「瞳はダイアモンド※」「エーデルワイス」「しあわせになろうよ」「長い夜」
 全325曲の一覧をFAX送信し、事前にリクエストを募っていた。その数70曲弱もあり、その中から1時間分の18曲前後を選ぶのは、至難の業だった。

 リクエストとしてはPOPS系と演歌系、そしてフォーク系が圧倒的に多く、洋楽系や唱歌系はごくわずか。要望の多い3つのジャンルから全体のメリハリを考慮しつつ選んだ。
 全体的に傾向が新しく、歌った曲も17曲中6曲が初披露という、非常に斬新な構成となった。


 大きな目玉は、6曲目に歌った「恋するフォーチュンクッキー」。AKB48の歌だが、実は送信した一覧には入っていない。しかし、ぜひにという先方の強い要望。まるで知らない曲だったが、練習に練習を重ねてこの日に備えた。
 歌う順序も早すぎず遅すぎない位置に慎重に配置。この思惑は当たって、曲名を告げただけで会場が湧く。手拍子や歓声が絶え間なく続き、大変な盛り上がりとなった。
 正直いって、あまり歌いたい曲ではなかったが、少なくとも介護施設系の場では「自分が歌いたい曲」ではなく、「聴き手が求める曲」を優先して歌うべきだろう。
 全てが利用者からの事前リクエストなので、全体的に反応は悪くなく、要所に配置した演歌や叙情性の強い曲もいいアクセントになっていたと思う。
 ただ、休憩なしで突っ走った関係か、40分を過ぎたあたりから、場の反応がめっきり弱くなってくるのを感じた。1曲ごとの拍手が弱く、トイレなどで場を離れる聴き手が目立つ。自分の調子が歌うに従ってよくなっていったのと対照的だった。

 予定ではラスト前に「少年時代」を歌うつもりだったが、時間的にも聴き手の体力面でも無理と判断。ひとつ飛ばしてラストへとなだれ込む。
 ラストは職員さんの盛り上げなどもあって、にぎやかに締めくくる。利用者代表の方から感謝の言葉と記念品などいただいて、時間ぴったりに無事終了となった。


 終了後に「とてもよかったです」「聴きたい曲ばかりだった」「ずっと聴いていたかった」「次はいつ来てくれますか?」などと多くの方が声をかけてくれたり、記念写真を撮ったりする方がいて、前回同様に暖かい余韻が場に残った。
 担当のIさんと話したが、もし次の機会があるなら、演奏時間を少し短くするか、途中で完全な休憩をはさむなどの配慮が必要かもしれない。

 自分の反省としては、時間内に多くの曲を歌おうとする余り、MCが少なくなってしまったこと。さらには「昴-すばる-」のラストで高音が一部切れてしまったことがある。不安のある曲は、無理せず半音下げて歌うべきだ。
 とはいえ、全体として大きなミスはなく、風邪によるキャンセルという大きな失態を、ようやく回復させることができたのは喜ばしい。