理由はあえて聞かなかったが、おそらくは予定演者に何らかの理由でキャンセルがあったのだろう。
今年は4月にもピンチヒッターで歌っている。ボランティア演者の多くは中高年なので、こうしたことは起こりがち。他ならぬ私自身も5月から6月にかけて喉を傷め、各方面にご迷惑をおかけした。とても他人事ではない。
先方の希望は10曲+アンコール。いつもは選曲リストを事前にFAXするが、今回は時間がないので省略となった。5月のセットとの重複を避け、手早くプログラムをまとめた。
昨日の愚図ついた天気がウソのように、午前中からカラリと晴れて気温もぐんぐん上がった。前日まで衣装は長袖のつもりでいたが、暑いので1ヶ月ぶりに半袖シャツを引っ張り出す。
開演20分前に施設に着いて、機材を組み立てる。会場が広く聴き手が100名近いので、PAはいつも2台を使う。設営にはやや時間がかかる。
予定ぴったりの14時30分からイベント開始。35分で11曲を歌った。
「高原列車は行く」「瀬戸の花嫁」「星影のワルツ」「旅の夜風」「少年時代」「幸せなら手をたたこう」「埴生の宿」「矢切の渡し」「長崎の鐘」「まつり」「憧れのハワイ航路(アンコール)」
夏から秋への移り変わりの時期なので、それを意識した内容でまとめた。5月に歌った曲との重複はない。
介護度の高い特養入居者と介護度の低いデイサービス利用者とが混在しているので、曲の構成も新旧のバランスに配慮する必要がある。
「少年時代」は完全にデイサービスむけで、「旅の夜風」「長崎の鐘」は主に特養入居者を意識したものだった。
全体的に聴き手が大人しいのが施設のもうひとつの特徴で、いつも通り拍手や手拍子は起きないし、無理に誘導することもしない。叙情系の曲を多めにしたこともあり、ライブは淡々と進んだ。
まるで季節が真夏に逆戻りしたような暑さで、歌うとさらに暑さが増し、体調は最悪だった。聴き手も暑さで参っている様子がステージから見て取れる。ライブは聴くだけでも体力を消耗するものだ。
喉の調子はまずまずだったが、暑さのせいか高音部で声が一部切れそうになり、慎重に歌い進める。中ほどの「幸せなら手をたたこう」でようやく場がなごみ、ラストの「まつり」では手拍子も飛び出した。
アンコールは事前の打合せによるもの。つまりは「お約束アンコール」だったが、こちらにも期せずして手拍子が飛び出す。
ともかくも無難にまとめて、急な要請には充分お応えできたと思う。施設側にも大変喜んでもらい、義理を果たせた。