2017年8月29日火曜日

早朝のJアラート騒動

 朝6時少し前にトイレに起き、2階寝室の布団に戻ったら、階下に置いてある妻の携帯にメール着信音が鳴る。(こんな早朝に何事?)と下りて確かめると、政府の緊急災害避難情報だった。
北朝鮮からミサイル発射。頑丈な建物や地下に避難を」などとある。時刻は6時2分。あわててテレビを点けると、北海道〜東北〜北陸〜北関東の広い地域に同じ内容の避難情報が発令されていた。つまりは「Jアラート」というヤツである。
(なぜか機種の古い私の携帯には流れてこなかった)

 知識はあったが、あまりに範囲が広すぎて、どうすればよいのか分からない。ミサイルは発射後15分くらいで日本に到達する、と聞いていたので、いまさら逃げ回っても仕方ない気がした。
 妻に声をかけたが、起き出す気配はない。残念ながら自宅に地下室はないが、居間の床下点検口をめくって中に避難することも一瞬考えた。
 しかし、仮に核爆弾としても札幌を狙う可能性は低い。窓から離れ、家でじっとしているのが得策と、情報の早いツイッターに接続して様子をみる。妻は窓から離れた位置にいつも寝ているので、そのまま寝かせておいた。


 6時14分に再度の避難情報が携帯に流れてきた。「先程この地域上空をミサイルが通過した模様」とある。19年前にも東北上空を北朝鮮のテポドンミサイルが通過し、太平洋に落下したことがあった。そのときと同じ狙いのように思えた。

 ネットやテレビでは続々と速報が流れてきたが、やはりツイッターが早い。5:58ミサイル発射、6:02Jアラート発令、6:06北海道上空通過、6:12襟裳岬東1,180kmの太平洋に落下、といったところで、警報発令から到達まで4分という短さ。
 父母からよく聞かされた戦時中の空襲警報のことを思い出したが、この短い時間では家の中なら窓から離れ、トイレや床下などの安全そうな場所に逃げ込むくらいしか思いつかない。
 あとで起きてきた妻と話し合ったが、万が一直撃されたら諦めるしかないね、私たちもう充分生きたのだし…、と意見が一致。
 広島や長崎の原爆でも、生死を分けたのはちょっとした運だったという。爆心近くでも屋内や物陰にいて助かった人は少なくない。仮に屋外でJアラートが鳴ったら、家にいるよりリスクは高いかもしれない。いずれにしても運頼みである。

 根本的解決は北朝鮮にミサイルを発射させないことだが、現状の経済制裁だけではうまく運ばないだろう。高度な外交的手腕が必須と思われるが、オカミも民もまるで無力である。その無力さを思い知ったというのが、今回のJアラート騒動の唯一の収穫か。