数日前に裏庭のハマナスに取り憑いているのを見つけ、手でつぶして撃退したが、2本あるうちの1本は花の蕾まで完全に食われてしまい、今年は紅色の可憐な花が見られない。
取り残した何匹かが昨夜の暴風雨で飛ばされ、ラズベリーにたどり着いたに違いない。木酢液をスプレーで吹き付けるのも有効だが、手っ取り早いのは手で捻り潰してしまうことだ。
軍手をはめ、あわてて外に出る。片っ端から捻り潰し、だいたい退治したので、念のため北側にも回って葉の裏側をチェックした。
そのとき、北側にあるアカシアの大木からカラスのヒナらしき鳴き声。(もうヒナがかえったのか…)と、何気なく巣の方向を見上げた。これがいけなかった。毛虫退治に気を取られ、「ヒナがかえった直後のカラスの巣を見上げてはいけない」というタブーを、一瞬忘れていた。
たちまちけたたましい鳴き声と共に、親ガラスが木の上からまっすぐ下りてくる。咄嗟にラズベリーの間に身を隠したが、カラスは目前に迫る。しかも2羽だ。おそらく去年から継続して営巣中の夫婦ガラスだろう。
素早くテラスドアから室内に逃げ込む。カラスのヒナなど全く相手にしていないが、相手はそうは思っていない。妄想バカカラスには、関わらないのが一番だ。
カラスはテラスの目前までやってきて、裏庭にあるミズナラやカエデの木をいったりきたりし、1羽は家庭菜園にまで入り込んでガラス越しに室内をうかがい、ギャアギャア鳴いては威嚇し続ける。バカは相手にしないのが一番なので、じっと身を隠してやり過ごした。
数分たってようやく姿を消したが、ちょっとした恐怖を感じた。これほど脅されても鳥獣保護法の関係で、一切手出しはできないという。法の不条理を感じずにはいられない。
昨夜の雨で地面がほどよく湿り、枝豆の種を蒔く絶好のチャンスだったが、妄想バカカラスがうろついているので、作業ができない。
夕方の薄暗くなる時期までじっと待って、18時半から作業を始めた。用心して先日作ったカラスガードで身を固める。しっかり装着できるよう、ロープを通す穴を4ヶ所開けて4点支持方式に改良した。
蒔く場所が巣からは直接見えない南側だったこともあって、何とか襲われずに14ヶ所40粒の種を第1弾として蒔き終える。家庭菜園の維持も時に命がけである。