札幌地下鉄琴似駅地下2階にある公的空間、パトスで2年ぶりに歌った。イベント仲間のTさんからのお誘いで、歌と紙芝居のコラボ企画である。
紙芝居や朗読が専門のTさんは70代前半。知人の紹介で知り合い、5年ほど前から一緒にイベントを演るようになった。以来年に数回は共演していたが、私のガン発病やTさんの転倒事故が重なり、しばし途絶えた。
今年1月と4月の白石イベント広場でのライブにTさんが来てくれ、怪我も回復してきたので、リハビリをかねてまた一緒に演りませんか、との話がまとまった。
今回はTさんのお弟子さんである50代のMさんが岩見沢からやってきて、紙芝居で初参加する。
開場12時半、開演13時だったが、12時過ぎに会場入りすると、Tさんがすでにスタンバイしていて、15席ほどの椅子も並んでいた。
開場12時半、開演13時だったが、12時過ぎに会場入りすると、Tさんがすでにスタンバイしていて、15席ほどの椅子も並んでいた。
出演順と各自の持ち時間を打合せつつ、機材をセット。そうするうちMさんもやってきて挨拶を交わす。私の受け持ちは30分を2ステージで、第1ステージはMさんの紙芝居終了後の13時15分からと決まる。
入場無料だが、チャリティ企画なので、入口には募金箱が置かれた。椅子が少ないかもしれないとの指摘があり、5席分をひとまず追加。予備椅子を会場片隅に置いて備える。
マイクテストも含めて準備は終わったが、昼食をまだ食べてなかったので、いったん外に出て車を停めたイオンに行き、オニギリを2個調達。開演前のわずかな時間に、とりあえず1個だけを食べた。
開演が近づくとお客さんがどんどん入ってきて、椅子を再度追加することに。最終的には30名ほどの方が集まった。思いがけず盛況である。
予定ぴったりの13時に開演。まずMさんの紙芝居「池にうかんだ琵琶」が始まる。紙芝居を始めてまだ間もなく、こんな大舞台で演るのは初めてということだったが、堂々の場のさばきに驚かされた。
13時10分くらいから出番に備えてステージ横に行き、ギターを出して備えた。ステージ上には紙芝居とマイク&PA一式の両方を並べて設営してあり、タイムロスなく出演者が入れ替われる工夫をしてある。
予定通り13時15分から開始。30分で8曲を歌う。
「時の過ぎゆくままに」「北の旅人」「ボラーレ」「長崎は今日も雨だった」「パープルタウン」「アニー・ローリー」「グッド・ナイト・ベイビー」「バラが咲いた(歌詞指導)」
メインとして使っているPA、ローランドCM-30が修理中なので、今回は予備として買ったばかりのヤマハMS101-2をメインで使うことにした。
風邪が完全に癒えず、声量への不安が消えないので、乾電池式PAのローランドモバイルキューブを椅子の上に置き、サブとして使用。全体の音量としてはまずまずである。
聴き手は30名ほどで、この種の場としては珍しく、男性が半分ほどを占める。あとで知ったが、今回の企画は地元紙のイベントガイドでも告知されていたそうで、いろいろな地区から人が集まっていたようだ。
聴き手の所属に統一性がなかったせいか、場の反応は大人しい。しかし、表情からは集中している気配を強く感じ、1曲ごとの拍手も熱かったので、手応え自体は悪いものではなかった。
ラストの「バラが咲いた」では一緒に歌うことを客席に促し、曲間で歌詞指導。多くの方が歌ってくれた。
ラストの「バラが咲いた」では一緒に歌うことを客席に促し、曲間で歌詞指導。多くの方が歌ってくれた。
13時45分から7分の休憩に入る。その後Tさんの小話があり、14時から再び私のステージが始まる手はずだった。
第2ステージは完全リクエストで進めることになっていて、MCでも告知していた。リクエスト一覧を配るタイミングを探っていたが、休憩時間を利用するのが最適と判断。今回は私自身が一覧を持ち、客席を回って声をかけつつ配って歩いた。
この段階で早くも3曲のリクエストが出る。不思議なことに、全て洋楽である。介護施設系の場とは、あきらかに傾向が違う。
Tさんの小話はすぐに終わって、14時ぴったりから第2ステージ開始。予定を1分オーバーして31分で8曲を歌う。(全てリクエスト)
「シバの女王」「詩人の魂」「吾亦紅」「亜麻色の髪の乙女」「愛の讃歌」「空も飛べるはず」「酒と泪と男と女」「世界に一つだけの花」
聴き手の男女比が1:1に近かったにも関わらず、なぜかリクエストは全て女性からのものだった。この種の場でおしなべて女性は元気、対して男性はシャイである。
リクエストを受け継ぐメッセンジャー役がいればまた違った反応になるのだが、残念ながら全てのライブでその役を準備するのは無理がある。
「声なきリクエストをいかにしてスムーズにすくい取るか?」は、今後の検討課題である。
「声なきリクエストをいかにしてスムーズにすくい取るか?」は、今後の検討課題である。
ラスト5分前あたりであと何曲歌うかは、そのつどステージ横に座った主催のTさんの意向を確かめつつ進めた。Tさんは元教育関係者で、時間には非常に厳密である。
第1ステージは30分ちょうどで終えたが、第2ステージは長い曲のリクエストが多く、1分オーバーした。しかし、最後の演目であるTさんの紙芝居「恩讐の彼方に」でうまく調整してくれたので、全演目終了は予定通りの15時。
風邪による喉の不安が消えず、開演前には栄養ドリンク剤とハチミツ大根を飲んだ。そのせいもあってか、声の調子はまずまず。特に大きなミスもなく、全ての曲を普段通りのキーで歌えた。状態としては80%くらいか。
普段でも常に喉が絶好調とは言い難いので、ようやく通常モードに戻ったとも言えよう。
入口に置かれた募金箱には、予想を超える額が集まったそうである。前回もそうだったが、募金は札幌市社会福祉協議会と北海道新聞社会福祉振興基金に寄付される。私の数少ないチャリティ参加だが、時にはこんな形のライブ参加も悪くない。