2017年4月24日月曜日

カフェライブの長短

 知人のR子さんの紹介で、近郊都市にあるカフェに新規ライブの打合せに行ってきた。
 R子さんとは昨春にチカチカパフォーマンスの聴き手として知り合ったが、私の歌をたいそう気に入っていただき、CDを2枚買ってくれたうえに、公開ライブにはいつも来てくれている。
 歌う場もいくつか紹介してくださったが、今回のカフェもそのひとつ。オーナーがお店で歌ってくれる人を探していると知り、私を推薦してくれた。ありがたいことだ。
 自宅からカフェへの途中にあるJR駅でR子さんと待合せ。徒歩で来るものと思っていたが、サイドミラーに赤いバンダナを巻いた珍しい車が停まっていると思ったら、運転席で手を振るのがR子さんだった。
 車で先導してもらい、カフェに到着。ここからは私一人でお店に入り、初対面のママさんにご挨拶して具体的な打合せをした。


 歌そのものを聴きたい人が集まってくるので、歌い手としてカフェライブは魅力がある。騒音はあまり気にしなくてよく、聴き手は椅子に座って珈琲など飲みつつ、落ち着いて耳を傾けてくれる。オリジナルCDの販売もだいたいOKである。
 難しいのは経営的な面での折り合いで、たいていの場合は店側から歌い手自身による一定数の集客を求められる。
 いわゆる「集客ノルマ」というもので、営利追求を主目的としないコミュニティカフェの類いでは無縁な話だが、一般のカフェやライブハウスの場合、経営面を第一に考えるのはごく当然なことだろう。

 10年近く前は頻繁にやっていたカフェ系ライブをぱったりやめてしまった背景は、この集客ノルマにイヤ気がさしたからだ。
 どんなに親しい間柄でも、ライブ参加依頼が度重なると、さすがに気が引けてしまう。仮にプロの歌手でも、ほどよいライブ参加間隔は年に1〜2回ではないか。
 今回のライブ打診に関してこちらから申し出た条件は、この集客ノルマが一切ないこと、そして18時くらいまでに終了することの2つである。ガン手術後3年が経過したが、まだ寛解とは言い難い。何かと負担の多い夜のライブは当分避けたい。
 この2点はお店の常連客であるR子さんから事前に伝えていただき、内諾を得ていた。今日はその確認をまず行い、私の経歴書やレパートリー一覧、公的空間むけの案内状、オリジナルCDなどの各種資料を直接お渡ししてきた。

 2時間以上もお店にいたが、基本的には歌わせていただけることで合意。具体的な実施期日とライブ内容、入場料金、歌う位置、必要機材やフライヤーのデザインなど、かなり細部まで煮詰めることができた。
 実施は5月末の土曜で、最近各所で評価の高いランダム・リクエストスタイルでやる。お店として客の嗜好が絞りきれないそうで、初回としては無難な選択と思われる。
 およそ6年ぶりのカフェソロライブ、思いがけない経緯から実現しそうだ。