要は代役として歌っていただけないか、との急なライブ依頼である。4月は例年にない過密スケジュールに追われていたが、先方の希望する日は奇跡的に空いている。もし受けると3連続ライブとなってしまうが、困ったときはお互い様。特に縁も義理もなかったが、お受けすることにした。
(その後予定のライブが施設内インフルエンザで順延になり、2連続ライブに軽減)
施設は市内の円山公園西側にあり、自宅からはかなり遠い。グーグルマップで事前にシミュレートしたら、渋滞なしの場合で50分かかる。用心して開始予定の1時間10分前に家を出た。
藻岩山麓の急斜面にコンクリート造の大きな施設が何棟も立ち並び、どの施設に行けばよいのか分からず、少し迷いながらも開始15分前には無事に到着した。
会場はフロアから一段高い位置にある広いステージ付で、立派な音響設備とスポット照明があり、ステージ前には電動式の幕までついている。音響やマイクは持参のものを使うことにし、手早く準備。
予定ぴったりの14時10分にイベントが始まり、施設長さんの挨拶などあって、14時12分からライブは始まった。予定外のアンコールを含め、およそ45分で14曲を歌う。
「北国の春」「蘇州夜曲」「おかあさん(森昌子)」「釜山港へ帰れ」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「さくらさくら」「恋のしずく」「港が見える丘」「人生いろいろ」「月がとっても青いから」「また逢う日まで」「丘を越えて(アンコール)」
聴き手は当初25名ほどと聞いていたが、直前にケアハウスの利用者も合流することになり、50名は超えていた。
デイサービスは比較的新しい曲を好むが、今回の施設は年齢層が80〜90歳と高めだという。そこで新旧の曲をミックスして構成し、初めての施設ということで定番曲も要所に入れた。
歌う曲目と順番は事前にFAXで連絡してあり、全曲の歌詞をプリントした歌詞集が利用者に配られていた。
聴き手が常に下を見ているので、プロジェクター投影に比べると歌いながらのコミュニケーションはとりにくいが、大半の曲で共に歌う声がステージまで届き、ライブのうたごえ風展開という意味では、いい雰囲気を作れていたと思う。
前日にトラブルのあったPAは、固定金具を再調整したこともあってか、特に問題なく機能。2日連続の割には喉の調子もよく、ライブは尻上がりに熱を帯びて、先方の希望通り40分で終えた。
終了後、進行の方から打合せにはないアンコールの声がある。場の雰囲気からして、(もしかすると…)と思っていたので、ありがたくお応えした。
利用者の方からも「よかったよ〜」との声が複数湧き上がり、担当のIさんを始めとする職員さんからも喜ばれた。単なるピンチヒッターだったが、充分期待にはお応えできたと思う。