お嫁さんは7月からの本格職場復帰に備え、今日は出産後2度目の慣らし勤務。6時間以上も留守にする。休暇で家にいた息子と私たち夫婦も来るべき日に備え、母親不在時の「慣らし保育」というわけだった。
孫娘はまだ人見知りが完全に治らず、しばらく顔を合わせていないと特にひどくなる。対策として最近は前日あたりにビデオ通話(グーグルのハングアウト)を使い、顔を充分に慣れさせてから会うようにしている。
その効果もあってか、今日は顔を見ても泣かなかったが、息子が荷物を取りにマンションに戻り、私と孫娘二人きりになったとたん、不安になったようでグズグズと泣き出してしまった。
ほどなくして息子が戻ると泣き止んだが、やはり父親と祖父とでは反応が全く違う。
自宅に到着し、妻の顔を見ても泣くことはなかった。父親と母親、つまりは息子かお嫁さんのどちらかがその場にいれば問題ないらしい。
予め準備しておいたオモチャでさっそく遊び始めたが、女の子なのでさぞや…、と思っていたぬいぐるみには関心を示さず、もっぱら遊んだのは、オモチャとはいえない大型洗濯バサミやパイプ接続金具、空容器に入れたオハジキなど。オモチャでまともに遊んだのは、キティのガラガラだけだった。
日頃の様子からある程度予想はしていたが、かなり変わった嗜好の子である。まあ、私の娘も幼い頃は綿埃や紙クズに名前をつけて遊んでいたくらいだから、驚きはしないが。
夕方になってお嫁さんから、18時前に最寄りの駅に着くと連絡がある。車で迎えに行くつもりでいたら、息子が自転車で迎えに行くと言う。その時孫娘は寝ていた。しかし、私と妻しかいない時間に万一目覚めたら…、と引き止めたが、大丈夫と息子は出かけてしまった。
その直後、恐れていた通り、孫娘が目覚める。あたりを見回し、父親がいないことを悟ると、火が着いたように泣き始めた。どうなだめてもあやしても泣きやまない。思わず息子を携帯で呼び戻そうとしたが、まてまて、これも慣らし保育の試練ではないかと考え直し、じっと我慢。
いくら泣いても親は現れないと悟ったか、やがて泣くのをやめた。泣いていた時間、およそ7〜8分。その後20分ほどして両親が戻ってくるまで、再び泣き出すことはなかった。
1歳を過ぎると保育園に入ることが決まっているので、この種の機会は今後ますます増えることになるだろう。孫娘自身はもちろん、祖父母として私たちもいろいろな意味で自立し、成長しなければならない。そんなことを考えた。