2015年9月29日火曜日

友帰る

 5泊6日の滞在を終えて、妻の友人K子さんが東京へと帰った。
 我が子の帰省や外国人のホームスティ以外で、これほど長く滞在した方はたぶん初めて。K子さん自身も、これほど長くよそ様の家にいたのは、初めてだったとか。

 後半の天気はいまひとつだったが、目的の大雪山紅葉見物は好天に恵まれ、翌日に案内したモエレ沼公園も、まずまずの天候だった。
 私の主な担当は車の運転で、食事関連では家庭菜園の枝豆を採ってゆで、何度かごちそうしたし、3日目の夕食には自らカレーライスを作ってふるまった。


 後半は近くに住む別の友人宅を訪問したり、カフェに行ったりし、私は留守番役。気心の知れた間柄だが、やはり家族とは違うので、それなりに気は遣う。
 留守時には運転疲れもあって、居間のベンチでついウトウトした。車で空港まで送り届けた今日も、帰路になんどもアクビが出てしまった。

 互いに60歳を大きく越えているので、話題の多くは以前に勤めていた会社の思い出やら、職場の人々の近況。そして、最後は介護やら死ぬことに行き着く。
 この年になると、今後の夢に関する話題などは登場しない。私に限れば、多少は弾き語りやデザイン系の業務でやりたいこともあるのだが、それを言い出す雰囲気にはならない。まあ、そんなことはじっと自分の胸に秘めておくことだ。
 出発当日の朝になって、なぜか妻とK子さんが血圧計を引っ張りだして測っている。K子さんが165-80ほどで、「いつもより30以上も高い!」と驚いている。続けて妻が測ったらもっと高くて、175-100という危険値。
 非日常の連続で、お互いかなりの興奮状態にあるせいよ、などと慰めあっていたが、私が測ってみると120-80で、いつもより下が少し高い程度。普段ライブで鍛えられているせいで、少々のことには動じないのだ、と悦に入っていた。

 東京到着後にK子さんからメールがあり、自宅で再度血圧を測ったら、130-65の平常値に戻っていたという。ならばと妻も測ってみたら、こちらも135-85まで下がっていた。どうやら2人ともつつがなく日常に戻ったらしい。