退職後も交流が途切れることはなく、還暦祝いにも駆けつけてくれたし、妻や娘が上京した折には、よく泊めてもらったりもしていた。
我が家への滞在は5年ぶりなので、北海道の名産品を囲みつつ、遅くまで旧交を温めあった。
今回の訪問は「大雪山の紅葉をぜひ観たい」という、K子さんの希望から。当初はツアーに参加するはずだったが、北海道に長く住んでいながら、日本一早いという大雪山の紅葉は一度も観たことがない。ならばいっそ車に乗って3人で観に行こう、ということになる。
日程を慎重に検討した結果、連休終了後の平日に決定。幸いに天候にも恵まれたので、この日を逃してはならじと、朝8時に家を出発。
砂川まで275号を走り、比布から無料高速道路を一部使って、およそ4時間後に大雪山赤岳の麓にある銀泉台に着いた。
銀泉台駐車場からの展望 |
当初の調べでは終点の駐車場近くに展望台があるはずだったが、何とさらに20分ほど山道を歩く必要があるという。やむなく昇ってみたが、かなり険しい山道に苦しんだ。
たどり着いた第一花園では、すでに赤系の紅葉が終わりかけていて、黄系の紅葉が目立つ状態。近くにいたツアーガイドの話によると、赤系紅葉の見頃は連休中だったらしい。写真で見た鮮やかな赤を期待していただけに、ちょっと残念。
たどり着いた第一花園では、すでに赤系の紅葉が終わりかけていて、黄系の紅葉が目立つ状態。近くにいたツアーガイドの話によると、赤系紅葉の見頃は連休中だったらしい。写真で見た鮮やかな赤を期待していただけに、ちょっと残念。
それでも帰りがけに駐車場から見上げた山の展望は、写真のような美しさ。このスポットに限れば、まさにいまが見頃である。
ベンチで簡単な昼食を食べつつ、さて帰路はどこに寄ろうかと相談したが、当初の候補だった銀河流星の滝はパスし、もうひとつの紅葉スポットである黒岳ロープウェイに乗ることになる。
時計は13時15分あたり。そこから未舗装の砂利道を慎重に戻って、45分ほどで層雲峡温泉街の一角にある黒岳ロープウェイ乗り場に着いた。
黒岳ロープウェイからの展望 |
ロープウェイ料金は1,950円。およそ7分で標高1300mの5合目に着く。ピーク時にはこちらも一面に黄系の紅葉が広がっているはずだったが、写真のようにまだ一部が赤く染まっている程度。こちらの見頃は、逆に1週間後あたりか。
つまりは、赤岳周辺はやや見頃を過ぎていて、黒岳周辺は見頃には早過ぎるという、期待外れの結果になってしまった。
その後、頂上駅内にあるレストランで、舞茸がたっぷり入った名物「黒岳ラーメン」を850円で食べる。舞茸はこの地域の名産品。ダシの効いたスープは中高年むきの薄味で、お勧め。
帰路は寄り道せずにまっすぐ戻ったが、夕方の渋滞に巻き込まれ、帰宅は19時15分。走行距離440kmの強行軍で、一部に未舗装の山道や軽登山まであったりし、かなり疲れたが、何とか事故なく乗り切れた。
自分の目で確かめて分かったが、山の頂上から降りてくるタイプの紅葉は期間が短いと同時に、平地に比べて紅葉面積も狭い。「日本一早い」という売りは確かにあるが、紅葉そのものをダイナミックに堪能したいなら、より広い範囲に紅葉が降りてきてからで充分だということ。
桜や紅葉を観るタイミングの見極め、実に難しいものだ。