2015年9月16日水曜日

涙が出ます

 昨夏の夏祭りイベントに初めて依頼され、2日続けて歌わせてもらった近隣のデイサービスから再び招かれた。
 今回の依頼は敬老会イベントだが、実は1年前の敬老会にも招かれていた。しかし術後まもなくてライブをセーブしたかったことと、間隔があまりに近すぎるという2つの理由から、慎んでお断りした経緯がある。
 このまま縁が切れてしまう例も少なくないが、思い出してくれたことに感謝したい。

 責任者の方とは当初からメールのやり取りで打合せを進めており、今回もそうだった。「言った言わない」のトラブルが起きにくく、履歴も明確に残るので、依頼を受けた側としてはとてもやりやすい。
 今回は前2回と曜日が異なり、利用者がガラリ入れ替わると事前に聞いていた。しかし、季節が前回と異なるとあって、曲の重複は極力避けて臨んだ。


 予定ぴったりの午前11時からライブ開始。およそ40分で13曲を歌う。
(※はリクエスト、◎は歌詞配布で全員で斉唱)

「憧れのハワイ航路※◎」「アロハ・オエ」「おかあさん(森昌子)」「花笠音頭」「バラが咲いた◎」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生◎」「浜辺の歌」「三百六十五歩のマーチ」「夜霧よ今夜も有難う」「高原列車は行く」「青い山脈◎」〜「東京ラプソディ※(アンコール)」
 この日の利用者は全体的に大人しいです、と事前に聞いていたが、1曲目からこの施設がテーマソングとしている曲を全員で歌ったこともあってか、場の乗りは決して悪くなかった。

 聴き手は職員を含めておよそ50名ほど。1年前よりも増えていて、ステージ前にはあまり余裕がなく、前回歌よりもはるかに盛り上がった「曲に合わせた即興ダンス」は今回はスペース的にやれない状況。
 しかし、その分歌に集中する環境が整っていたともいえる。


 1〜2曲目は施設名称がハワイに縁があるため、必ず歌っている曲。全体的に拍手の出やすい曲を中心に歌ったが、要所に配置した聴き手参加型の曲がいいメリハリとなり、場を盛り上げるのに効果的だった。
 拍手等で参加する「幸せなら手をたたこう」から、全員で歌う「高校三年生」にかけて、場の気分は最高潮に。大人しいはずだった場から、「いいぞ〜!」と歓声が湧いたほど。

 唯一外したのが叙情系演歌の「夜霧よ今夜も有難う」で、終了後に一部のヘルパーさんから、もっと元気のよい曲を…、と注文が出てしまった。咄嗟の判断で、次に予定していた「瀬戸の花嫁」をやめ、「高原列車は行く」に差し替える。
 盛り返してラストになだれ込んだが、打合せになかったアンコールが職員さんから飛び出した。「真のアンコール」からはやや外れるが、場の気分にはマッチしていた。

「何を歌いましょうか?」「去年ラストで盛り上がったあの曲をぜひに…」
「東京ラプソディ」である。1年以上も前の構成を、よくぞ覚えていてくれたもの。セルフレポを入念に読み返し、もしやと思って準備していたので、ただちに応じた。
 この日はまたしても苦手な午前中ライブ。2日前にうまく声が出なかったのでネットで再度情報収集し、「ライブ開始3時間前に起床」「ボイトレは直前までやらず、軽く10分ほどに留める」の2点を厳守したので、喉は絶好調に近かった。
 終了後、数人の利用者が近寄ってきて、「とてもよい歌でした」「聴いているだけで涙が出ました」と労われる。

 会場が吹抜け天井になっていて、音響効果が抜群だったことにも救われた。しばらくぶりの場だったこともあって、久々に会心のライブである。