2015年9月17日木曜日

情に流れて歌うことも

 新築開設してまだ間もないというデイサービスから、急なライブを依頼された。それが何と1週間前のこと。多忙な9月敬老月間のスケジュールは大半が埋まっていたが、希望日はポッカリと空いている。
「連続となるライブは原則受けない」を最近の活動方針にしていて、こちらの事情もお話ししたが、先方はなかなか諦めない。
 利用者がまだ数名しかいないこと、それに伴って運営予算が少ないこと等の事情で、あちこち当たったボランティアに、ことごとく断られたらしい。
 偶然だが、施設の場所は実家近くで、そう遠くない。これまた偶然だが、よく歌う全国展開デイサービスの系列施設である。いろいろとやり取りのあと、入社まもないという担当者の熱心な口調に気持ちが動き、「30分間限定」のお試しライブとしてお受けすることになる。
 当日の利用者は2〜3名しかいないということだったが、別の曜日の利用者にも声をかけ、出来るだけ多くの聴き手を集める、という方向性だった。


 開始20分前に施設に着くと、確かに職員以外の聴き手は3名だけだったが、機材をセットするうち、ポツポツと人が増えてくる。開始の14時には引率の家族も含めて、10名近くに達した。
 定刻から始まって、アンコールを含めておよそ32分で11曲を歌う。
(このほか、事前のマイクテストで「三百六十五歩のマーチ」を歌った)

「高原列車は行く」「おかあさん(森昌子)」「花笠音頭」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「浜辺の歌」「月がとっても青いから」「瀬戸の花嫁」「青い山脈」〜「星影のワルツ(アンコール)」
 延々続く敬老ライブ月間の6本目で、昨日からの連続ライブである。睡眠は充分にとったはずが、午前中に倦怠感を感じる。疲れが溜まっていることは間違いない。
 初訪問ということもあって冒険は避け、このところ歌っている手慣れた定番曲を並べた。大事をとって事前の練習も最低限にとどめた。

 聴き手が少なく、声の伸びもいまひとつだったにも関わらず、場の反応はそれなり。途中から参加する聴き手もいて、終わる頃には職員を含めて16名に達する。
 職員の熱心なサポートもあって、1曲ごとに拍手歓声が湧いた。開設後わずか2週間の介護施設としては、これ以上ない盛り上がりだったといえよう。

 9曲目は趣向として「星影のワルツ」との二択方式とし、場の拍手で決めてもらったが、「瀬戸の花嫁」の支持が高かった。4日前のデイサービスでは、「夜霧よ今夜も…」との二択で勝利した「星影…」だったが、曲の組合せ次第で結果はこうも変わる。
 ところが終了後の職員さん主導のアンコールで、唯一の男性利用者から「星影のワルツが聴きたい」との強い要望。結局は歌うことなった。この2曲は両方歌うのが正解かもしれない。


 終了後、担当のKさんからは非常に喜ばれた。新人研修を経て、最初に配属された職場の最初の担当業務だったようだが、予想を超える盛況で、「こんなに集まってくれるとは」と、大感激。
 今回のライブの様子を近隣に配布するチラシや案内状に写真つきで紹介させて欲しい旨を依頼され、快諾した。人数をたくさん集めますので、ぜひまたお願いしますと、初々しく語ってくれた。

 運営や進行等に全く慣れていない様子なので、事前の出演確認の取り方や、ライブ前と終了後の施設側挨拶の心得など、具体的に教えてあげたが、「いろいろとご指導、ありがとうございます」と、感謝された。
 歌以外の分野でも若い世代を育て、模範となるよう心がけることはできる。世の中、損得だけで動いているわけではない。