会場が小さめで聴き手も20名弱と聞いていたので、持参したPAも1台のみ。2日前に初めて訪問したデイサービスと似たオーソドックスな構成で臨んだ。
先方の都合で、この日は苦手な午前中ライブ。開始は11時半で、早めに起きて備えた。
11時25分にはスタンバイしたが、午後からの利用者が予定を早めて聴きにくるので、開始を少し遅らせて欲しいという。すでに会場には午前中利用者の方が開始をじっと待っている。
間があいてしまったので、音響テストをかねて「誰か故郷を想わざる」「ここに幸あり」の2曲を場つなぎとして歌う。
少し遅れて11時34分からライブ開始。およそ30分で11曲を歌った。
「高原列車は行く」「おかあさん(森昌子)」「花笠音頭」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「浜辺の歌」「月がとっても青いから」「星影のワルツ」「瀬戸の花嫁」「青い山脈」
聴き手の9割は女性で、歌い始めるとニギヤカ手拍子系の曲よりも、叙情系の曲への反応が明らかによい。4曲目は「知床旅情」も選べるように電子譜面を調整しておいたが、その場の判断で「バラが咲いた」を選択した。
9曲目は「夜霧よ今夜も有難う」も選べたが、自分では判断がつかず、趣向として聴き手のみなさんの多数決で決めてもらった。
(男性は全員が、女性の6割が「星影のワルツ」を選択)
同じく10曲目は当初の「浪花節だよ人生は」から、急きょ「瀬戸の花嫁」に差し替える。この後半2曲の判断は正解で、終了後に「千昌夫、大好き〜」「《瀬戸の花嫁》で泣けた」という方が複数いた。
最近は構成を完全に固定せず、時には候補曲を複数並べておいて、その場の空気で自在に選べるようにしてある。初めての施設には有効な手法だ。
午前中ということで、声のツヤや伸びはいまひとつ。絶好調とは言い難かったが、みなさんには喜んでいただいた。
終了後、施設側から「お昼ごはんをぜひ一緒に」と思いがけないお誘い。11時半開始というライブも稀だが、その後お昼ごはんまでいただくことは、過去に例がない。しかし、せっかくのご厚意なので、ありがたくお受けすることに。
このお昼ごはんが職員さんの手作りで、とても美味しい。デザートもついていて、量が少なめなのも胃の小さい私向き。同じテーブルの利用者の方々と、歌の感想やら普段の生活のことなど、食べながらあれこれと話が弾む。
「過去最高のボランティアでした」と、嬉しい言葉もかけていただく。介護施設のごはんを初めて食べたが、麺類で簡単に済ませる我が家よりもはるかに豪華で、栄養のバランスもいいように感じた。
写真を見せると、妻も同意見。我が家の昼食を見直すいい機会だったかもしれない。