2015年9月7日月曜日

路上ライブで泣かれた

 およそ2ヶ月ぶりのチカチカパフォーマンスに参加。地下広場の空き時間を使って実施されるルールなので、他のイベントスケジュールが詰まってくると、長期間実施されないこともある。それが事業としての宿命である。
 集客に大きな外れのない月曜日に何とかエントリーできて、この日はジャグリングの時雨さんとの共演。相談の結果、先に会場入りした私から先に演ることになる。
 定刻の14時5分前にスタンバイしたが、開演前にデジタル式騒音計を使ってパフォーマンス時の騒音値を計測する予定だった。
(先日の中間会議で、全パフォーマーへの騒音値計測が周知徹底された)
 騒音計と測定手法は事務局に備えてあるので、それに従って計測。以前にも騒音のクレームが出た際、事務局立会いでチェックしてもらい、問題のない設定値をPAにテープでマーキング済みだったが、あくまで人間の耳での話。それをきちんと器械でも確かめようというのだ。

 事前にストローク調の音量の大きい曲「大空と大地の中で」を自宅でICレコーダーに録音。それをパフォーマンス時のPAにつないで、同じ音量になるよう調整。会場前の通りで計測してみたが、平均で70dB前後、ピーク時の値が78.3dBだった。
 マイクの場合、事務局のガイドラインが会場の角で80dB。今回はより近い正面での計測値なので、現状のボリューム値でひとまず問題なかった。
 ただ、生音での計測ではないので、次回は長いケーブルを持参して、実際に歌いながら測ってみたい。


 定刻よりやや遅れて、14時2分くらいから歌い始める。第1ステージでは昭和歌謡を中心に、およそ25分で7曲を歌った。
(※はリクエスト、◎は初披露)

「昔の名前で出ています」「今は幸せかい◎」「恋のしずく」「シクラメンのかほり※」「アカシアの雨がやむとき」「吾亦紅※」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ※」

 外はカラリと晴れ上がったせいか、地下通りを往く人は少なめだった。苦戦を覚悟したが、3曲目あたりから立ち止まる人が続出。リクエストも順調に飛び出す。
 終わり頃に現れた中年の女性、通りから盛んに手を振るその顔に見覚えがある。
「ダスティン・ホフマン…ですが、覚えてます?」

 何と2ヶ月前に「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」を熱心に聴いてくれた方ではないか。要望のままに2度も歌ったので、忘れるはずがない。
「また歌ってくださいよ」との希望に、ありがたく応ずることに。
 時雨さんのパフォーマンスをはさんで、15時から第2ステージ開始。フォーク系の曲を中心に、およそ25分で7曲を歌う。

「季節の中で」「少年時代」「わかって下さい」「サヨナラ模様◎」「神田川※」「舟唄※」「愛人」

 第2ステージではめっきり聴き手が減ったが、第1ステージ終了間際に現れた「ダスティン・ホフマン…」の女性がまた来てくれて、最初から熱心に聴いてくれた。
 その他にも若い男性と同世代の男性が最初からずっと聴いてくれて、熱さの部分では第1ステージと変わらない印象だった。

 リクエストを含めて叙情的な歌を連発したこともあってか、ステージが終わると「泣けました…」と声をかけてくる方が複数。その目から涙があふれていて、こちらが当惑するほど。
 前夜寝不足だったこともあって、決して万全な体調ではなかったが、熱心な聴き手に後押しされて、尻上がりに調子はよくなった。予期せぬ聴き手の涙は、歌が確かに届いた証。歌い手としては素直に喜ぶべきだろう。