事前に「14時20分開始、正味30分で」という厳密な依頼条件があり、入念に時間調整して臨んだ。
14時に会場入りしたが、ライブ後のスケジュールが詰まっているので、可能であれば早く始めて欲しいという。
会場は間口に対して奥行きが長く、音響的に難しい場だった。高さ30センチほどのステージが準備されていたが、前後の長さがやや窮屈で、設営に少し手間取った。
会場は間口に対して奥行きが長く、音響的に難しい場だった。高さ30センチほどのステージが準備されていたが、前後の長さがやや窮屈で、設営に少し手間取った。
(※は施設側からの事前リクエスト)
「高原列車は行く」「おかあさん(森昌子)」「花笠音頭」「知床旅情」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生※」「浜辺の歌」「月がとっても青いから」「星影のワルツ」「浪花節だよ人生は」「青い山脈※」
聴き手はざっと60名ほどか。初めての場なので冒険は避け、無難な定番曲を並べた。11曲中、アルペジオで弾いた叙情系の曲は3曲のみ。他はこの種の場で人気の高い、ノリのいい曲である。
最前列に座った方は、出だしから手拍子や声援で応えてくれたが、ステージから遠い聴き手の反応はいまひとつ。3曲目くらいから、職員の方の先導で何人かの方が最前列まで椅子を移動してきて、このあたりから場の反応はじょじょによくなった。
「幸せなら手をたたこう」では、過去に例がないほどの熱い手応え。先方から事前にリクエストのあった「高校三年生」を6曲目に歌ったが、ここで場の盛り上がりは最高潮に。
以降、ラストまでその勢いでなだれ込んだが、終了の挨拶を終えても場に余韻が残り、会場のあちこちから、「すごくよかった」「素晴らしくて涙が出る」「アンコール聴きたい…」などの声が耳に届く。
だが、施設側の進行スケジュールに余裕がないらしく、進行の方から「残念ですが、時間の都合でアンコールはなしということで、お願いいたします」との声。つまりは極めて稀な「アンコール・カット」である。
施設側との事前打合せで用意する「お約束アンコール」ではなく、明らかに聴き手から自然発生した「真のアンコール」だったが、こればかりは歌い手が勝手に進めるわけにはいかない。
これに関して、帰り際に担当のKさんから陳謝の言葉があった。今回は利用者の長寿表彰など、イベントが多数入っていたらしく、次回はもっとゆったりした場でぜひに、とのこと。
「次回」が実現するかどうかは別にして、歌い手として充分満足すべき結果であったことは間違いない。