今回の施設は一昨年から毎年9月の敬老会に招かれていて、今年で3度目。いわゆる「高くて険しい3度目の壁」を越えた施設だったが、残念ながら「終わりよければ全てよし」とはならず、いろいろと悔いの残る結果となった。
先方の希望する13時の10分前には着いたが、会場となる食堂ではまだ昼食のテーブル配置がそのままで、ライブの態勢が整っていない。
入口付近で機材を組立てつつ、設営が終わるのを待ったが、始められたのは13時10分あたり。およそ35分で12曲を歌った。
「高原列車は行く」「二輪草」「花笠音頭」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「浜辺の歌」「三百六十五歩のマーチ」「星影のワルツ」「ミネソタの卵売り」「旅姿三人男(リクエスト&初披露)」「青い山脈」
過去2回の記録によれば、この施設では男性の比率が非常に高い、とあった。そのつもりで男性むきの曲を多めに準備していたが、いざ会場に入ると聴き手の多くは女性。全体数も15名ほどで例年より少なく、どうやら1年のうちに何かしらの変化があったらしい。
急きょ予定曲を差替えて進めざるを得なかったが、数少ない男性を含めて反応が非常に弱く、難しいライブ進行となった。職員さんも他の仕事に忙しそうで、ライブに参加する余裕があまりない。
他施設では大好評で、一番の盛り上げどころとなる「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」でも大きな手応えはなく、かといって叙情系の歌に感極まって涙を流すという、他施設では多くみられた現象も、ここでは皆無。まさに「何を歌っても手応えナシ」の八方ふさがり状態である。
構成自体に他施設との大きな違いはなく、同じ曲を同じ歌い手が同じ時期に歌って、こうも反応が違うのはどうしたことか。
消化不良のまま、ライブを終える。当然ながら、アンコールの声や気配などない。担当のYさんからも、「今日はどこか元気がないですね」と鋭く指摘される。
気力体力の減退と、聴き手の反応の弱さとの悪循環がそうさせた。まだまだ未熟ということだが、言い訳が許されるなら、過去例のない「月9本のライブ」をこなした大きなツケが、ここで出たのではないか。
義理や人情に縛られるのもほどほどにしておけ、というのが数少ないこの日の収穫である。