当初、衣装はニットのジャージー上衣を着てゆく予定が、急きょ変更。今年初めて長袖シャツに黒ベストの夏衣装で臨むことに。
前回ライブでの手応えのなさを自分なりに反省分析し、全てを消費税増税のせいにして逃避するのではなく、まだ工夫の余地があるのでは?と、短い準備期間の中で歌う姿勢全般を見なおした。
そのひとつが衣装。4月上旬にアマゾンで買い、使う機会をうかがっていた黒い中折れハットを、気分転換として初めて使ってみることにした。たまたまこの日がデニムのシャツにベスト、ジーパンという出で立ち。かぶってみると、ちょっとしたウェスタンスタイルで、けっこうサマになる。
どうせならと首に赤いバンダナまで巻き、気分を徹底させることにした。
もうひとつ変えたのが、料金箱の置き場所。ずっとマイク前に置いてあったが、これがいかにも物欲しげで集客の障害になりかねないので、左手にあるCD陳列棚の真横に位置変更。右手には事務局から貸し出されるチカチカ専用看板を立て、歌い手を中心に全体を扇状に配置して、マイク前は広く空けた。
共演は月曜と同じ小樽のギタリスト、浜田隆史さん。14時半から私のステージとなり、シャンソンを切り口に、25分で8曲を歌う。
「恋心」「詩人の魂」「パダンパダン」「河は呼んでいる」「さくらんぼの実る頃」「サン・トワ・マミー」「独り(オリジナル、作詞:まりりん)」「バラ色の人生」
久しぶりにシャンソンオンリーのステージを早い時間帯に演ったが、実はこれも前回の反省からである。無理に聴き手に媚びようとせず、チカチカパフォーマンス開始当初の原点に立ち返り、自分の歌いたい歌をまず歌おう、というのだ。
いざ歌い始めると、予想外に場の反応は良かった。特に3曲目の「パダンパダン」では、あっという間に集客10名を突破。暗い曲で、過去にほとんど歌ってなかったが、決めつけは禁物である。
不思議なことに、その後の明るめの曲調に変わると、逆に聴き手は減った。暗めの曲で徹底すべきだったかもしれない。このあたり、もうひと工夫が必要のようだ。
「聴き手は常に明るい曲を求めている」というのは、単なる思い込みに過ぎない。人の感情の起伏は実にサマザマで、暗い曲にどっぷり首まで浸かりたい気分のときもある。笑ったり泣いたり、そこに人生の妙味があるはずで、少なくとも1ステージ25分は同じ気分を貫くべきではないのか。
15時半から第2ステージ開始。最近の定番である昭和歌謡路線に戻したが、選曲に工夫し、全体をバタ臭いPOPS系の曲で統一して、なおかつ大半を得意の女性歌手系でまとめた。25分で7曲を歌う。
「時の過ぎゆくままに」「パープルタウン」「グッド・バイ・マイ・ラブ」「五番街のマリーへ」「オリビアを聴きながら」「寂しくなんかない(オリジナル)」「天使のウインク」
目論見が当たったのか、はたまた偶然の産物か、1曲目から非常に反応はよく、最初から最後までずっと聴いてくださる方も多数いた。「同じ気分の歌を並べる」という発想は、状況次第では当たる、ということなのだろう。
終了後、3〜4名の方が集まってきて、いろいろ声をかけてくれ、身に余るようなお話しもいただく。売上げも4月以前の水準にまで回復した。水物でつかみどころのない路上ライブだが、工夫次第ではまだまだやれると自信も回復。今後の糧としたい。