2014年5月15日木曜日

リクエスト連発

 今月2度目のチカチカパフォーマンスに参加。風邪もようやく抜けた気配で、体調はよい。会場はナチュラルリバーブの心地よい北4条広場で、天候にも恵まれた。
 地下広場は外よりも寒いか暑いかのどちらかなので、何を着て歌うべきかちょっと迷ったが、薄手のセーターにストール、定番のハンチングに落ち着く。

 共演は今回が3度目となる小樽のギタリスト、浜田隆史さん。15分前に会場に着くと、すでに会場入りしていて、準備中だった。
 先着順の原則通り、14時ちょうどに浜田さんのステージ開始。私の第1ステージは14時35分あたりからで、「内外の叙情歌」を切り口に25分で8曲を歌った。

「翼を下さい」「かなりや」「ハナミズキ」「エーデルワイス」「河は呼んでいる」「さくらんぼの実る頃」「北の旅人」「青葉城恋唄」


 人通りは3日前の月曜よりもさらに少ない感じがしたが、人々の足取りが幾分ゆったりしているのに期待した。しかし、前半は共演の浜田さん以外にほとんど聴き手はなく、普段は抜群に強い「ハナミズキ」でも、ほぼノレンに腕押し状態。
「さくらんぼの実る頃」からようやく立ち止まる人が現れたが、すでにステージは終盤である。共演がいるので時間延長は論外で、予定通りに終えた。
 浜田さんのステージをはさんで、15時30分から第2ステージ開始。「昭和歌謡」を切り口に、25分で8曲を歌う。

「ジョニィへの伝言」「グッド・バイ・マイ・ラブ」「ブルーライト・ヨコハマ」「時の流れに身をまかせ」「アカシアの雨がやむとき」「赤いスイートピー」「酒と泪と男と女(初披露、リクエスト)」「グッドナイト・ベイビー」

 第1ステージと違って、人の集まりは割りと早かった。「時の流れに身をまかせ」で急に立ち止まる人が増え始め、「アカシアの雨がやむとき」を次に歌うことをMCで告げると、聴き手から小さな拍手が湧く。
 この曲は前日になってキーを半音下げた。そのほうが思いを乗せやすいと判断した。暗い曲調だが、シャンソンを得手とする私むきの曲。人前で歌うのは3日前に続いて2度目だが、歌い進むうち、どんどん人が集まってくるのがわかった。急きょ予定を変更し、フルコーラスを歌う。聴き手の強い後押しもあって、満足できる出来だった。


「赤いスイートピー」を歌い終えると、熱心に聴いていた女性がついと近寄ってきて、「あのう…、リクエストいいでしょうか?」と尋ねる。曲にもよりますが…、と応ずると、河島英五の「野風増」を、という。
 てっきり昭和歌謡系と思い込んでいたので、虚を突かれた感じだった。そもそも、「野風増」はレパートリーに入っていない。恐縮しつつ、その旨を告げると、では「酒と泪と男と女」は?と重ねて尋ねてくる。人前で披露したことはないが、こちらは電子譜面に入っている。
 検索しながらお話しすると、河島英五が大好きという。初老のご婦人だが、人の好みはさまざまだ。

 初めての割にはうまく歌えた。ご婦人にもたいそう喜んでもらえた。すると、遠い場所で聴いていた別の女性から、かまやつひろしの「我が良き友よ」を、と重ねてのリクエスト。残念ながらこちらもレパートリーに入っていず、代案もない。持ち時間も迫っていて、慎んでお断りした。
 このところ毎回リクエストが飛び出すという、予期せぬステージが続いている。(リクエストを積極的に受けよう…)という構想はかねてからあって、水面下ではあれこれ準備していた。しかし、特に何もせずとも、自然な流れでそれが実現している。しばし、この流れに身を任せてみよう。
 状況によっては第2ステージまでで撤収することも頭にあったが、この日は喉の調子が抜群によく、前回のように左手がつる兆候もない。夕方が迫り、人の流れはさらに細くなったが、集客を度外視した構成で第3ステージをやることにした。
 16時30分から普段はあまりやらない「フォーク」を切り口に7曲を歌った。私も浜田さんも持ち時間をピタリ厳守し、入替え作業も素早いので、ロスタイムの全くないキビキビした気分のよい進行が最後まで続いた。

「季節の中で」「やさしさとして想い出として(初披露)」「闇夜の国から(初披露)」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」「風来坊」「惜恋歌(オリジナル)」「傘がない」

 聴き手は数えるほどに減ったが、完全に通りの風になりきり、気分よく歌えた。「傘がない」は期せずして共演の浜田さんに大好評。たとえ同じパフォーマー同士とはいえ、真剣に聴いてくれる人がいるといないとでは、大違いである。
 集客に比例するように、売上げもいまひとつの印象だったが、楽しいステージであったことは間違いない。