2013年2月17日日曜日

ほのぼの豆ライブ

 以前にある方のライブで行ったことのある近隣のカフェで、イベントライブが実施されることを知った。最近は足が遠のいていたが、問い合わせると、ぜひにという。マスターは私のことも覚えていてくれた。
 開始は15時で終了が20時。途中退出もOKで参加費は発生せず、ワンオーダーのみという、願ってもない条件である。

 店はやや小さく、キャパは15名といったところか。アルコール類は一切なく、食べ物の持込みも可。一人の持ち時間は15分で、3曲以内。住宅街に店がある関係でマイクやアンプ類は一切使わない、いわゆる完全なるアンプラグド・ライブである。


 店は自宅から9キロほどで、夏なら20分で着く距離だが、大雪による渋滞で30分かかった。駐車場は店の前に4台分があり、私の到着は2番目で、充分に余裕があった。
 15時近くになって、続々と人が集まってきた。知らない顔ばかりの完全アウェイかと思いきや、数年前から介護施設系ライブでよくご一緒する女性シンガー、ユキさんにばったり出くわす。
 その他、8年前に私が主催した及川恒平さんの時計台コンサートの折に来ていただいた方にも遭遇。世間は実に狭い。

 世話役のコズエさんの音頭で、まずマグネット式のプレートに名前を書いてエントリー。代表者によるじゃんけんで、歌う順を決める。接待に忙しいマスターだけがラストの指定枠である。プレートを金属ボードに順に貼って壁に掲示し、準備完了。
 実はこの手法、以前に別のカフェで30回続いた同名のイベントライブから受け継いでいるのだとか。そのカフェが閉店してしまい、引き継ぐ形で今回のライブが企画されたらしい。
(参加者の大半が当時のメンバー)
 客は全部で12名。内訳は男性が7名女性が5名で、うち男性5名女性4名が歌い手をかねている。昼時間のカフェという条件がそうさせるのだろうか、この種のライブとしては女性シンガーの比率が非常に高い。
 少し遅れて15時30分からライブ開始。エントリーは合計9組で、私は4番目という、早くも遅くもない絶好の順番を引き当てた。

 楽器は大半がギターで、一部にピアノ、鍵盤ハーモニカ、ウッドベースがアドリブ演奏で混じった。
 歌のジャンルはフォーク、昭和歌謡、ポップス、ジャズ、オリジナルなど、多種多彩。歌や楽器の技量を競うというより、音楽を楽しもう、という姿勢が随所に見られた。MCも各自長めで、客席とのやり取りも盛ん。暖かで家庭的な雰囲気である。「ほのぼのライブ」とは実にうまいネーミングだ。


 入れ替えを含めて、1組およそ20分で回る。休憩は一切なく、トントンとライブは進む。私の出番は16時30分からだったが、開始1時間を経過していたので、開始前に自主的に声をかけて5分の休憩タイムをとった。
 初めての場ということもあり、この日はジャンルの異なる曲を並べた。

「ろくでなし」「もっと(オリジナル)」「夜が明けたら」

 9組のなかで、立って歌ったのは私一人。店に備付けの譜面台を使った関係で、譜面はいつもの中華Padはなく、A4版の紙を持参した。サイズが大きいので、歌っている途中に譜面から目を離しても歌詞を見失うことが少ないという利点がある。
 通りに面した大きなガラス窓があるので、店内は非常に明るい。照明効果はなきに等しいが、あまり気にならずに普通に歌えた。歌唱中は非常に静ひつで、みなさん熱心に聴いてくれる。集中できる条件が整っていた。
 アンプ類が一切ないという条件は、最初は不安に感じたが、始まるとそう気にならなくなった。声や楽器そのものの音がストレートに響くので、PAを使った音とは別の何かが伝わる感じだ。
 店が小さく、ステージは客席の一部を利用したものだった。歌い手と聴き手の距離が非常に近い。ここが大きなポイント。弾き語りを始めた頃の、何か懐かしくて大切なものを思い出したような気がする。


 18時30分に、9組すべての歌唱が予定通りに終了。やり残しの仕事があり、最後まではいられないことを事前に伝えてあったので、途中で退席した。それを潮に、それぞれ用事がある他の数名も席を立つ。
 時間のあるメンバーは、その後も自由なセッションを楽しんだ模様。このイベント、どうやら定例化するらしい。