2013年2月8日金曜日

雪まつりステージ

 雪まつり・つどーむ会場で催された「ふるさとを歌う会・森の時間」のステージに出演。東日本大震災復興支援の市民団体が実施するもので、打診があったのはかなり前のこと。
 年に一度は復興支援系のイベントに参加したいという気持ちがあり、会場が自宅近く。一度も出たことがない雪まつりステージということで、好奇心にも押されてエントリーした。


 実は会場のつどーむは、自宅2階から屋根が見える。直線距離で3キロ前後。歩いて行けるほど近いが、これまで中に入ったことは一度もなかった。
 除雪と仕事の大波で持病の腰痛を再発させてしまい、一時は満足に声も出ない状態だったが、懸命の調整でどうにか7割程度まで回復させることができた。

 休暇だった妻が気遣って引率してくれるというので、9時過ぎには車で家を出る。会場周辺は厳しい交通規制が敷かれ、道路の渋滞はない。700Mほど離れた有料駐車場に停めて、ゆっくり時間をかけて歩く。


 会場は思っていたより広く、中央奥に立派なステージが設営されている。ステージ前にはざっと200席ほどの椅子が並べられ、周辺にも休憩用のテーブルセットが多数。
 つどーむ会場は大通り会場と異なり、参加型の雪像が並んでいる。目玉は雪で作られた長い滑り台で、幼稚園や小学校の子供たちが、教師に引率されて授業の一環としてやってくる。

 そんな条件下でのイベントは、ターゲットの絞り方が非常に難しい。子供か、あるいは引率してやってくる大人か、はたまたその両方に目配りするか?という選択判断だ。


 予定ぴったりの10時にイベント開始。事前に分単位の厳密なスケジュール表が渡されていて、私の出番は3番目の10時44分。平日午前ということもあってか観客は非常に少なく、座席の1割ほどといったところだ。
 10時40分に2番のクラシック・デュオが終わり、すぐにステージに入って機材をセット。2分後には歌える体勢になった。
 ところが、ここでトラブル発生。ギターの音が全く出ない。PAは専門スタッフが4人いたが、原因が分からない様子。そのうちスタッフが別のケーブルを持ってきた。私の持参したケーブルが疑わしいという。

 直前に自宅PAでテストし、ギター内の電池残量も確認済み。その旨説明したが、とにかく換えてみたいという。やむなく応じたが、交換してもやはり音は出ない。時間は刻々と過ぎ、進行のYさんは困った様子。紹介はすでに終わっていたので、別の話でうまく場をつないでくれた。


 ラインでの音録りは無理と判断し、「マイク録りでもいいですよ」と声をかけた。こんな事態も見越し、ギターは生音でもOKのヤマハを、ポケットにはマイクコードに直結可能なアダプターも忍ばせてある。
 そうするうち、突然音が出た。あとでスタッフから陳謝されたが、内部機器の問題だったそう。(スイッチの入れ忘れなど、単純な要因と思われる)この間約2分だったが、とてつもなく長く感じられた。
 結局は予定ぴったりにライブ開始。先のような事情から、この日は癖がなくて明るく、万人むけの無難な曲を並べた。

「ウィンター・ワンダーランド」「天使のウインク」「パフ」「エーデルワイス」「レット・イット・ビー(オリジナル訳詞)」「Smile with you(オリジナル)」


 PAの不調で出鼻をくじかれた格好だったが、この種のトラブルは想定内。臆せず自分のペースで淡々と歌い進めたが、とにかく聴き手が少ない。
 その少ない聴き手も、なぜかステージはそっちのけで、仲間内の会話にふけっている人もいたりしたが、2曲目の「天使のウインク」あたりから、一気に集中してくる気配を感じた。
「エーデルワイス」以降は完全に自分のペース。少ない聴き手でも、充分に満足のゆく熱い手応えを感じ取れた。
 練習通り、割当てより2分短い18分で終了。聴き手の大半は子供の雪遊びに引率してきた中高年で、終わると期せずして「よかった~」との歓声がステージまで届いた。
 客席にいた妻も、隣席の女性から「いい歌ですね」と話しかけられ、実は私の夫ですと応ずると、驚かれていろいろ尋ねられたという。

 イベントは16時半まで続いたが、腰の大事をとって午前中で退去。半分は腰痛との戦いだったが、穴を空けることもなく、義理も果たせた。しばし、休養につとめたい。