どうせロクな電話ではなかろうと、名乗らずに受話器をとると、相手はNTTだという。お宅の近所に光回線の準備が整ったので、順次切替え工事を実施中である。いまなら無料でインターネットの光回線が利用可能だと。
おいでなすった、と思った。飽きるほど受けた光回線への勧誘電話である。しかも、連絡先不明の不届き者。「NTTです」などと名乗っているが、実態は単なる代理店の類いであろう。うまく丸め込んで契約を取れば、何がしかの報酬がもらえる仕組みか。
この種の電話への応対は手慣れている。「毎月タダにしてくれるんですか」と応ずると、いえ、工事費だけです、と相手のトーンはたちまち下がる。
ウチはヤフーADSL12Mの長期契約で、BBフォン電話料を含めても月額1,900円前後(NTT回線基本料は含まず)なんですが、とさらに畳み掛けると、そんなに安くはなりませんね、と相手はプツンと電話を切ってしまった。
番号不明の電話を所属会社を偽って出し抜けにかけておきながら、形勢不利とみるや、一方的に切る。実に失礼な輩(女性だったが)ではないか。油断のならない世の中になってしまったものだ。
正体不明なので、NTTに苦情をいうことも叶わない。一時期「ヤフーです」と名乗る同様の電話が頻繁にかかってきたことがあったが、「あなたが本当にヤフーなら、私の長期契約内容を知っているはず」と応ずると、相手は狼狽えてやはり電話を切ってしまった。
(ヤフーでは光契約の勧誘を電話では一切やっていないことを後に知る)
インターネットに関しては、現状のADSL12M契約で何の支障もない。3倍近い料金を払ってまで光回線にするメリットは全くなし。1年前にもふれたが、次世代インターネット回線は光回線ではなく、どうみても携帯型の高速回線WiMAXであろう。
_この種の怪しげな電話を応対するのは全て私の役目なので、いまのところ実害はない。しかし、仮に妻一人の世帯になってしまった場合、果たしてうまくさばけるのか、かなり不安である。
妻は「死ぬのは私が先よ」と、勝手に決めつけているが、そんなことを言う側が得てして生き残ったりするもの。最近は何でも自分で処理しようとせず、極力妻にもやってもらうよう努めている。
仮に妻の言い分通りに私が生き残った場合、寂しさの部分は別にして、家事全般に対する不安はいまのところない。やはり当面の問題は、妻の生活管理能力ということになりそうだ。