OS10.5以降のIntel Macにはもともと「Boot Camp」というエミュレータが備わっている。無料だが、最大の欠点はその都度再起動を強いられること。昨年5月に最新Mac-miniに買い換えてからも、使えるのは分かっていたが導入しなかった最大の理由がこれ。
その後同じ機能を持つ有料ソフトの「ParallelsDesktop」や無料の「VMwareFusion」などがあることを知ったが、調べたなかで最も興味を持ったのは無料の「VirtualBox」というソフト。
再起動なしで使えるのはもちろんだが、どんなOSからでも他のOSを起動できるというフレキシブルな対応が気に入った。マックとのファイル共有も簡単で、速さも抜群という。さっそく導入してみた。
インストールはそう難しくなく、手法をていねいに解説している日本語サイトも多数ある。さっそくあれこれ試してみたが、予想を越える使いやすさだった。
まず、マックからの起動が非常に早く、わずか45秒前後。手持ちのWinodws機でさえ何だかだと手間取って、使えるまでには90秒もかかってしまう。さすがに本体Mac-miniの40秒には及ばないが、全くストレスを感じさせない。
Windowsでしか動かないソフトをいろいろインストールしてみたが、基本的にはどのソフトも古いWindows機に比べても全く遜色なく動く。特に仕事で使っているCGソフトは画像出力時間が本家Windows機の半分以下。「速い」というネット情報に偽りはなかった。
唯一の例外は、好きな麻雀ソフト。これだけは本家Windowsの倍くらい遅い。ネット情報でも「VirtualBoxはゲームには弱い」とあったが、なるほどしかり。
_うれしかったのは、10年以上も前に買った古いスキャナーがサクサク動くこと。これまで別のマックをその都度起動していたので、手間が省ける。買い換えようかと悩んでいたが、これでまた当分使える。
同じくWindowsでしか認識しなかったICレコーダーもUSB経由で問題なく使えるようになった。スキャナーについていたOCRソフトも動く。
ファイル共有はマックのフォルダを任意指定できるので、わざわざファイルのコピーをとる必要がない。メモリ容量を心配していたが、いまのところ現状の3Gで充分足りている。
結論として、旅行などの移動時のみならず、自宅での仕事にも今後はこのVirtualBoxのお世話になる可能性が高い。これがあればパソコンは1台で済む。いいものを見つけた。