2012年2月28日火曜日

小樽デイサービス誕生会

 平日だが、札幌の北隣にある小樽のデイサービス・誕生会で歌ってきた。ネット経由で知ったのですがと打診されたのは、仕事に追われていたわずか1週間ほど前のこと。しかし、予定ではほぼ山を越えているはずだったので、ありがたくお受けした。

 施設にもよるが、デイサービスは平日にイベントを実施することが多い。宿泊を伴わない施設なので、必然的にそうなる。これまで平日の弾き語り活動は控えてきたが、昨年あたりからケースバイケースで応じている。
 仕事が以前ほど忙しくないこと。札幌駅地下歩行空間でのストリートライブの大半が、平日午後にやらざるを得ない事情であることなどから、もはや週末や休日に限定した活動にこだわる意味はなくなっている。
 最近は「○日午後1~3時は街作り活動のイベントに参加しますので、電話対応が難しくなります」などと、率直に取引先にも連絡することにしている。今回も納めた仕事の修正が入る可能性があったので、電話やメール対応が難しくなる時間帯を事前にメールしておいた。


 今日の施設は距離的にはかなり遠いが、幸いなことに札幌の北端にある我が家からは都心を避けてバイパスが通っていて、市内よりも早く着けるほどだ。
 事前にグーグルのストリートビューで入念に下調べをしていったので、迷うこともなく、40分足らずで先方に着いた。

 開始は13時半からで、20分の余裕がある。機材をセットしたあと、最初に歌う誕生日の歌やシングアウトで歌う「青い山脈」の歌詞の打合せをする。
 予定より5分早く開始。初めての施設なので歌の嗜好がつかめなかったが、およそ40分で以下の12曲を歌った。

「お誕生日のうた」~「北国の春」「宗谷岬」「北の旅人」「かなりや」「仰げば尊し」「花(滝廉太郎)」「知床旅情(リクエスト)」「聖母たちのララバイ」「真室川音頭」「青い山脈」~「宗谷岬(アンコール)」
 聴き手は10人で、そのほかに職員さんが3人。男性は一人だけだった。古い民家を改造したこじんまりとした施設である。狭い場だと事前に聞いていたので、セットや撤収が素早く済む乾電池式のPAを使った。
 最初の数曲は手応えがいまひとつで、聴き手との距離が遠い印象だったが、「花」あたりからようやく聴き手の表情が生き生きし始め、一緒に口ずさむ方もでてきた。

 場が一気に盛り上がったのは、直前に職員さんから渡されたリクエストの「知床旅情」を歌ってから。「もし余裕があれば…」とのことだったが、本当はここに「釜山港へ帰れ」を予定していたが、ちょっと暗すぎる感じがして咄嗟の判断で差し替えた。
 1年近く歌ってなかったが、念のため準備した100曲分ほどの譜面がここで活きた。場をつかむのがやや遅かったが、ひとまずよしとしよう。


「聖母たちのララバイ」を歌い終えると、前列にいた方数人が、「この人の歌はなんだか涙がでるね」と、しきりに顔をぬぐっている。
 この曲は非常に強いということは先日のストリートライブで実証済み。そんな結果を予想し、直後には明るく手拍子で歌える「真室川音頭」を配置したが、これは正解だった。施設系ライブはやはり楽しく終わるべきだと、長い活動のなかで学んだ。
「青い山脈」を全員でシングアウトし終えると、みなさんが口々に賞賛してくださった。聴き手のなかに宗谷岬近くで生まれ育ったという方がいらして、「宗谷岬」の歌は素晴らしかった。情景が目の前に広がるようでしたと目を輝かせる。
 ぜひもう一度聴かせてくださいというので、最初には飛ばした2番の歌詞を今度は入れ、アンコールとして歌った。最後のMCで、16歳のときの単独自転車放浪旅行のこと、その行き先が宗谷岬であったこと、この歌を歌うとその青春の魂がまざまざと蘇ってくることなどを話した。

 この日はストリートライブで手応えのあった「いまが旬」の歌を重点的に歌うつもりで臨んだが、ほぼ思い通りに運んだ。帰宅後はすぐに仕事に追われたが、「平日の仕事の合間に、妻のサポートなしで弾き語り活動をする」という手法を、またひとつ積み重ねることができた。