2012年2月16日木曜日

進むべき歌の道

 例によって突然だが、札幌駅地下歩行空間にて通算8度目のストリートライブ(チカチカ☆パフォーマンス)を敢行。あえて「敢行」と書いたのは、先週同じ空間でやったばかりのライブがいまひとつ消化不良で、自分で納得がいかなかったこと。私の場合、わずか1週間後に同じ場でライブを仕掛けることなど、普通はしない。
 前回の何が悪かったのか、場所や時間だけを変更し、歌うセットはほとんど変えずに再挑戦してみようと思った。

 前回のライブを見届けてくれた知人の意見も参考に、場所は一度しか歌っていないが背景色が穏やかなグレーの壁でアナウンス音も比較的静かな北大通広場。時間はターゲット世代である中高年が落ち着いて聴ける平日午後早めの時間帯を選択した。


 この日は市内の出版社の方が立ち会ってくださった。別の打合せで初めて会う方だったが、たまたまこの日都心で歌うことを知り、せっかくなのでライブを見届けがてら打合せも済ませてしまおう、ということだった。
 14時20分くらいからライブ開始。1週間前とほぼ同じセットだったが、少し曲数を減らし、およそ55分の休憩なしで以下の19曲を歌った。写真撮影は準備中に現れた出版社のAさんにお願いした。

「とうだいもり」「白い想い出」「白いカーネーション」「赤い花白い花」「ローレライ」「アニー・ローリー」「かなりや」「時計台の鐘」「この道」「早春賦」「宗谷岬」「仰げば尊し」「さくらさくら」「荒城の月」「春風」「花の首飾り」「バラが咲いた」「聖母たちのララバイ」
~アンコール「神田川」


 この日は風雪警報が出ていたが、明け方までに嵐は収まり、午後には陽もさす穏やかな日和に変貌。そのせいか通りを行く人の表情にもどこか余裕があり、歌い始めるとすぐに人が集まってきた。
 まだ雪は深いが、北国の人々の春を心待ちする心情に配慮して冬の歌は意図的に減らし、3曲目から花や春の歌を連発した。
 体調も戻って喉の調子もよく、多くの人に熱心に耳を傾けていただいたが、特に強い手応えを感じたのは「かなりや」「宗谷岬」「花の首飾り」「聖母たちのララバイ」あたり。「かなりや」と「聖母たちのララバイ」は初披露である。

 実はラストには滝廉太郎の「花」を予定していた。だが、この日特に反応が強かったのは純粋な唱歌系ではなく、やや歌謡曲の色が濃い曲。そこで覚えたての「聖母たちのララバイ」を急きょ歌ったが、この曲を歌いだすと人が見る間に増え始め、ざっと見た感じでは30人近かった。予想外の成り行きに、久しぶりに足元が少し震えた。
 はっきりしないが、以前にシャンソン系ライブで記録したストリートでの過去最高集客数を更新したかもしれない。理由はともかく、この日この場で聴き手はこの種の歌を求めていた。


 不思議なことに、終了の挨拶をしてもなかなか人が立ち去ろうとしない。施設訪問ライブなどでたまにある風景で、あきらかに場にライブの余韻が残っていた。
 まさかストリートでアンコールはないだろうと撤収にかかったが、そのとき一人の若い女性が近寄ってきて「アンコールをぜひ。できればリクエストを…」と言う。そのまさかが現実となった。
 一瞬戸惑ったが、ちなみに曲名は?と問うと、こうせつの神田川をぜひに、と女性は言う。しばらく歌ってなく、譜面の準備もない。しかしここは応えるべきかと歌い始めたが、案の定1番の途中で歌詞を失った。
 やむなくギター伴奏だけを弾くうち、途中で続きを思い出す。何とか最後まで歌ったが、定番曲の譜面は一通り準備すべきかと少し後悔する。
 とはいえ、かってないほど大きな収穫のあったライブであったことは間違いない。終了後もたくさんの方に声をかけていただき、求められるままに配った名刺も底をついた。楽曲の構成は大きな問題ではなく、場所と時間帯、そして当日の天候が集客の大きな要素であることが今回ではっきりした。
 歌の構成はこれまで創り上げた3パターンを順に回す。場所は北端の北4条広場か南端の北大通広場。時間は平日の14時半までには始め、正味1時間を休みなく歌い続けること。これが当面私が進むべき道のようだ。