一連のライブ疲れで、珍しくテレビを見つつ、ぼんやり過ごしていたら、インタホンが鳴った。
「これはたぶんご町内の方でしょう」
何の根拠もなく、妻にそう言って受話器をとったら、春の自宅ライブに来てくれた近所のS子さん。例によって強い霊感(直感)による「アタリ」である。
S子さんの手には、自家菜園で採れたたくさんの新鮮な野菜が。
「採れすぎて食べきれないので、おすそわけです」
先日も同様に美味しいイチゴをいただいたばかりで、恐縮しつつ、インゲンやゴーヤ、ジャガイモをまたいただく。
実は昨日我が家で採れたラズベリーが、どんぶり1杯ほどもあった。よいところを選んでS子さんに差し上げようと迷ったが、長雨のせいで甘味がやや弱く、断念したばかり。事情を話して、S子さんをラズベリーの木まで案内し、甘い実をもいでその場で食べていただいた。
いわば臨時の「ラズベリー刈り」といったところで、2日続きの好天で、甘味もやや復活していた。ついでに紙コップを渡し、ご主人へのお土産用に好きなだけ採ってもらう。
あちこちにたくさん芽を出しているラズベリーの若木があり、いつもなら取り除いて捨ててしまうのを、もしかするとS子さんが欲しいかも?と思い、抜かずにとってあった。尋ねると、この木は自宅菜園にはないので、ぜひ欲しいという。
このラズベリーは5年前に数百円で買ったものだが、非常に繁殖力が強く、いままでに数人の方に株分けし、いずれもうまく根づいている。S子さんには元気な若木を2株差し上げ、一連の頂き物のお返しにかえた。
またまた新しい「株仲間」の誕生である。