2010年7月24日土曜日

アトリウムコンサート

 近隣の「太平百合が原地区センター」でのアトリウムコンサートが無事に終わった。
 前夜から断続的に激しい雨が降り続き、ほとんど経験のない午前中のライブ、そして地域センターという初めての場に対する緊張からか、珍しく眠りが浅く、明け方近くに何度も目覚めてしまった。
 開演3時間前の8時に起き、入念に調整。幸いに声はまずまず出ている。

 休暇で家にいた妻と共に、10時半前に出発。傘を準備していったが、5分ほどで先方に着くと、なぜか雨はピタリと止んでいた。


 この日はフリーマーケットの開催日で、駐車場は満杯。路上にまで車があふれている。やむなく機材だけをおろし、混雑時に駐車が認められている近所の土木センターに車を置く。
 事務所に挨拶をしたあと、すぐに設営にかかった。事前のリハーサルですべてチェック済みなので、5分ほどで終了。高い吹抜け窓から光が落ちてくるので、照明類は一切不要。念のため持参したLED楽譜ライトも不要だった。
 ロビー内には、すでに20名近くの方々が集まっている。この日のライブは事前にセンター内パンフレットなどで告知されてはいたが、果たして座っている方々が、フリーマーケットが主目的でいらしたのか、ライブ自体が目的なのか、あるいは単に図書室などの帰りで休んでいるだけなのか、まるで見当がつかない。
 開演までは5分以上も時間があったが、マイクテストをかね、まずは1曲歌って様子をみることにした。


 楽譜は多めに準備したが、本番用の曲は歌いたくない。パラパラめくるうち、昨夜ボツにした「浜辺の歌」が目についた。本番1曲目はストローク系の曲と決めていたので、テストには叙情系の曲がよろしい。
 1番だけのつもりで歌い始めたが、会場の反応が予想よりもいい。(聴きにきてくれている…)という気配がすぐに伝わってきた。そこで予定を変更し、フルコーラスを歌いきる。
 終わると、ごく普通のコンサートのように、拍手が自然に起こった。やはり予感は当たっていた。
 時計を見ると、開始予定の11時にはまだ数分ある。しかし、場はあきらかに開演を急かしている。そこで係の方の了解を得、早めに始めることにした。
 練りに練ったこの日の構成は、順に以下の通り。

「カントリー・ロード」「夏の思い出」「赤い花白い花」「上を向いて歩こう」「夕焼け小焼け」「北の旅人」「手のひらを太陽に」「宗谷岬」「埴生の宿」「切手のないおくりもの」「いい日旅立ち」


 時間の経過と共に聴き手はじわじわと増え、終了時にざっと目で数えてみたら、30名を越えていた。開け放たれた大ホールで開催のフリーマーケットのざわめきが時折入り込んできたが、会場は静ひつで程よい緊張感に包まれていて、非常に歌いやすかった。
 高い天井によるナチュラルリバーブのことも考慮し、この日は力まずに8分くらいの力で、ていねいに歌うことを心がけた。

 これといったミスもなく終了。場の空気次第では省く気でいた「いい日旅立ち」を最後に歌ったので、珍しく3分ほど予定をオーバーした。合計で40分、12曲も歌ったことになる。
 終了後、見知らぬ中年男性が近寄ってきて、「実は以前に菊地さんにお会いしたことがあります」という。後ろには奥様とおぼしき女性の姿。しばらく考えたが、思い出せない。
「どういった関係でしょう?」と降参して問い返すと、「設計関連です」とのヒント。それで思い出した。4年ほど前に住宅の設計相談で数回お会いしたことのある、Kさん夫妻である。
 聞けば私のブログを欠かさず読んでいるそうで、開催場所が近くであることを知り、わざわざ足を運んでくださったとか。ブログ掲載のYouTubeでは再生がうまくいかないとかで、歌を初めて生で聴けてよかった、素晴らしかったと喜んでいただいた。

 Kさんからは、ひとつだけ注文が出て、曲間のMCが早口で、高齢者には聞き取りにくい。そこをもっとゆっくりと明確に話すよう心がけては、とのありがたい忠告である。
 初めての場なので、短い時間にたくさん歌おうと欲張り、その傾向はあったかもしれない。とはいえ、職員の方々を含めた評判は上々だった。「地域センター活用の弾き語りライブ」という、まるで手探りの体当たり企画だったが、今後の活動の基礎は確実に築けたと思う。