札幌やその近郊での一連のライブ活動のついでに立ち寄ったのだが、実はこの日の大きな目的が、私の作るスペシャルカレーを食べにくること。
このブログでもしばしばふれている特製カレーライスに興味を持ち、一度は食べてみたいとのたっての願いで、さまざまなライブ活動にあわせてとった夏期休暇の合間をぬっての来訪である。
約束は午後3時だったので、昨日から準備してあった各種材料を並べ、14時からカレー作りにとりかかった。しかし、普段の倍以上の量を作らねばならず、しかも失敗があってはならない。さらには、いつもなら気にしないコゲやら材料の不揃いも、極力避けたかった。
いつもより手順を増やしたりし、作業に手間取っているうちに、14時半前にインタホンが鳴った。集合時刻は毎度アバウトだが、それにしても早過ぎる。二人とも楽器を持参していたので、ひとまず2階のスタジオに上がっていただき、ギターなど弾いてしばし時間をつぶしてもらった。
15時少し前に何とかカレーは完成。味はまずまずで、米もいつもの倍とぎ、タイマーをセット。その後、珈琲を飲みながらあれこれと歓談した。
話に花が咲くうち、時計は早くも17時。二人とも息の抜けないライブ続きで、さぞやお疲れと思い、今日は歌はナシだよネと確認したら、「やっぱりちょっと歌いましょうよ」ときた。基本的に歌が好きなのである。
実は私も一連のライブ疲れで、今週は練習不足気味。しかし、やるとなれば、オープニングは私が恒例である。妻が素早く連絡し、自宅ライブ常連のNAOさんとSちゃんもやがてやってきた。
機材などの準備を急きょ整え、始まったのが17時半。この日はやや控えめに、以下の6曲を歌った。
「詩人の妻」「燃えながら飛んだよ」「通りゃんせ」「地下書店」「切ない夕暮れ」「まつり」
1、2曲と4曲目は雑談の中で飛び出した及川恒平さんの曲で、「詩人の妻」「燃えながら飛んだよ」はおよそ5年ぶりに歌ったが、何とかこなした。「切ない夕暮れ」はこの日唯一のオリジナルだが、夕暮れ時の情景にピタリはまり、聴き手にも好評だった。
「通りゃんせ」「まつり」は最近練習中の曲で、この日が初披露。難解と思っていた「まつり」(赤い鳥)は、案外いけそうな感じがする。
私にしては珍しく、周到な準備ナシでいきあたりばったり歌ったが、出来はまずまずだったろうか。
18時あたりから「ひで&たま」のステージ開始。最初はひでさんのソロで20分ほど。この日の目玉は、妻であるたまちゃんさえも聞いたことがないという、ひでさん初のオリジナル曲である。
つい先日、岩見沢で実施されたフォークジャンボリーを歌ったイベントソングだが、素直なメロディにサビも効いていて、初のオリジナル曲とは思えない出来映え。
タイトルが仮題とのことだったが、聞いているうちに素晴らしいタイトルが思い浮かんだ。「夢色の夏」というもので、曲の持つイメージにもピッタリはまる。歌の直後にその場で提案すると、大変気に入ってくれた。ほぼこのタイトルで決まりかもしれない。
(後でネットで調べたが、他曲との重複はない)
その後たまちゃんが加わり、あまり知られていない曲を中心に、二人でさらに40分ほど歌った。たまちゃんが買いたてのアコーディオンを初披露したが、すでにかなりの腕前である。若い才気の可能性を感じる。
春の自宅ライブで初めて聴いた「国境の風」は、このアコーディオンを使って新しくアレンジされていて、前回とはまた異なる魅力を感じた。「りんごの木の下で」の美しいハーモニー、ラストの「赤い花白い花」の胸に迫る歌唱など、心に残った。
その後場所を1階に移し、いよいよカレーパーティー開始である。量はたっぷり作ったので、予定にはなかったNAOさんとSちゃんにも急きょ参加してもらい、総勢6名で歓談しつつ、会食。
心配していたカレーの味は、ほぼ全員に好評。歌よりもはるかに気を配ったので、正直ホッとした。
突発的なライブだったので、用事のある人から順に帰路につき、ラストのひで&たま夫妻が帰ったのは、23時半を回っていた。確かに長い時間だったのだが、その長さをあまり実感しない、まるで夢のようなひとときであった。つまりは「夢色時刻」なのである。