2010年7月19日月曜日

使われてナンボ

 長く使ってきたものが、また二つ壊れた。ひとつは16年間使い続けたフィリップスの電気カミソリ。回転数がまるで安定せず、使っているうちに本体が熱くなってくる。どこかの回路がオカシイらしいが、もはや寿命であろう。
 幸いに、2年前に亡くなった父が入院時に使っていた電気カミソリが手元ある。療養中に一度紛失し、買い換えてすぐに亡くなったので、新品同様である。葬儀後に病室の片づけをしてくれた長姉から、「男の子はあなた一人だから、使いなさい」と渡された。
 いわば貴重な形見わけのようなもので、使用期間は短くとも、どこかに父の痕跡が残っている気がする。

 今朝は初めてこのカミソリを使ってみたが、あまりの高性能で振動が強く、持つ手が震えた。これまでのカミソリがよほど傷んでいたようで、その落差が大きい。まあ、そのうち慣れる。


 もうひとつは、こちらも20年近くは使った布製の道具袋だ。長男が中学生のとき、技術家庭の授業用に買ったものを、卒業後にもらった。袋には長男の名と当時の中学校名が記されている。
 帆布製で底に補強がしてあり、丈夫なので重宝していたが、キリやノミの出し入れの繰り返しで、あちこちに穴が空いてしまった。

 代替品を探していたが、なかなか適当な品がない。いっそ古い帆布製シートを使って手作りしようかと考えていたとき、居間のベンチ下収納で、何年も使われずに眠っている帆布製バックのことを思い出した。
 引っ張りだして工具類を入れてみると、測ったようにピッタリおさまる。所有者は妻だが、使う予定がないのでどうぞ、と鷹揚である。また穴が空くといけないので、キリやノミには樹脂製のカバーを装着することにした。
 今日も終日雨模様で塗装作業はできないが、この道具袋を使い、ウッドデッキの修復作業を一部続行した。これまでより入れ口が大きく、工具の出し入れが格段にやりやすい。

 調べてみると、京都の「一澤帆布製 トートバッグ」という人気商品。「一澤帆布」ブランドの店は現在休業中で、もしかするとかなりのレア物かもしれない。
(別ブランドの「信三郎帆布」が同等品を販売、営業中)
 道具袋にするにはちょっとモッタイナイが、道具もバックも使われてナンボ。これまでの安い袋でさえ20年も使ったのだから、今度もおそらく死ぬまで使えるでしょうよ。