2010年7月20日火曜日

ミシンを自力修理

 穴が空いてしまって交換した道具袋だが、20年も使うと、こんなものにも愛着がある。底の厚板部を分解し、帆布の部分を洗って再利用しようと思った。
 こちらも長く使っているドリルの刃やドライバービットを整理収納する布製ケースがある。古いエプロンのリメイクだが、当初は必要十分だった大きさも、その後のドリル刃等の買い足しにより、一部がはみ出たまま使っていた。使い古しの帆布で、これを作り直したい。
 穴の空いた部分は避け、慎重に採寸して、最大長のドリル刃でもカバーできるよう裁断。得意のミシンを駆使して、写真のような布製ケースを作った。
 このケース、大工をやっていた父が同じものをノミの整理に使っていたが、いまはまるで見かけない。ヒモをほどき、忍者の巻物のようにスパッと床に広げると、(さあ、作業にとりかかるぞ)と、ヤル気が湧いてくる。

 ほぼ同じものを自転車の工具一式収納用にも作り、こちらもずっと使い続けている。プロの職人は自分の道具を実に大切にし、きちんと整理整頓して使っている。いい仕事をするための秘訣かもしれない。


 作業が終わってミシンを片づけようとしていると、横にいた妻が「私のズボンの裾上げをしてよ」と頼んできた。このところミシンの調子が悪く、工具ケースもだましだまし何とか仕上げていた。
 しかし、ズボンとなるとゴマカシはきかない。調子が悪いのは下糸で、いくらダイヤルで調整しても緩んでしまう。いわゆる「下糸の調子が弱い」という現象だ。
(この言葉、ミシンをやらない人には、まるでチンプンカンプンでしょう)
 そこで一念発起、ミシンを分解掃除することにした。怪しいのは釜の中(下糸のボビンケースが入っている部分)で、これまで一度も外したことのないネジまで緩め、釜をカラッポ状態にした。
 すると、内部にかなりのホコリがこびりついていて、付属のブラシでも容易にとれない。デザイン用の細いピンセットを使い、長い時間をかけてようやく全て取り去った。

 元通りに組立て、さて今度は大丈夫だろうと試し縫いしたが、状態はまるで改善せず、力が抜けた。気を取り直し、付属の説明書をよく読んでみると、「下糸の調子が弱い場合、ボビンケース本体のネジで調節するべし」とある。
 イラストに従ってテストしてみると、確かにネジがかなり緩んでいた。適正値に修正し、再び試し縫い。しかし、なぜか完全には復活しない。一連の処置には確信があったので、もう一度落ち着いて考えてみたら、あれこれいじったせいで、上糸のダイヤル調節値が大きくずれている。こちらも適正値に戻して、ようやく正常な縫い目に戻った。