2009年6月18日木曜日

自立する花

 昨夜も明け方まで働き、進行中の設計物件に関わる見積り用の資料は、立面図を除いてすべて終わらせた。午前中、施工業者から電話があり、さっそくそれを取りにくるという。少しでも早くプランの概要を知りたいという。

 見積りは検討時間が長いほど、採算限度をよりシビアに見極めることができる。つまり、競合見積りで他社よりも優位に立てる。たとえ1日でも、図面を早くみたい。気持ちは分かる。
 立面図はできた時点でFAXすることにし、完成分のみを渡す。
 打合せ中、別のクライアントからの電話が鳴る。2週間前に2件の依頼を受け、急ぎの分だけを先週納めたが、残る1件は多少遅れてもよいと言われていたので、その後に殺到する仕事を優先させていた。
 ところが、地鎮祭が始まるので、早急に欲しいという。7階建マンションの外観パースだが、全く手つかずだった。率直にそのことを伝えると、明日の午前中までに何とかできないかという。
 徹夜続きでクタクタだが、やらざるを得ない状況である。今夜も完全徹夜となりそうだが、意地でもやる。プロですから。


 午後からすぐにデータ拾いに取りかかった。マンションは久しぶりなので、感覚が戻るのにしばし時間がかかったが、まずは順調に作業は進んだ。明日の納品分は、人物や車、電車(電車通りに面した物件である)などの添景はまだ入れ込まなくてよいとのことで、多少は楽。

 夕食前、気分転換をかね、写真のネタを探して庭を散策。数年前に挿し木で根づかせた八重のハマナスが満開だった。土地との相性がいいのか、何の肥料もやっていないのに、もう私の背丈を越す勢い。

 ハマナスはバラ科なので、花もバラに良く似ている。延び過ぎる枝を毎年剪定するのが唯一の手間だが、剪定時に気をつけないと、鋭いトゲで怪我をしてしまう。
 しかし、放っておいても毎年忘れずに美しく咲いてくれるというのは、ズボラな私むきの、自立心に富んだ花である。