2020年10月4日日曜日

胃腸にもカモミール

 著名な女性タレントの急死以来、妻の体調が優れない。「起きても身体に力が入らない」などと物騒なことを言い出す。
 熱心なファンではなかったが、好きなタレントであったことは間違いない。以前に裕次郎が亡くなった際、妻の友人がしばしの虚脱状態に陥ったことを思い出したが、おそらく同類の「ロス現象」と思われる。

 数日前からは原因不明の下痢症状も始まり、一向に治まる気配がない。「倦怠感」「下痢」とくると、忌まわしき新型コロナ症状のひとつで、ロス現象どころではなくなるが、日々の体温計測では平熱で他の症状はない。
 私は肉親も含め、ロス現象とは無縁の性格のようだ。幼きころより、心の片隅に死を意識しつつ生きてきたせいかもしれない。


 下痢が始まってからの妻はずっと病人食で、好きな珈琲や煎餅も絶ち、まるで仙人か大腸内視鏡検査前後の私に近い食生活を送っている。朝食と昼食は自分で作り、昨日は夕食も私が準備した。

 食べると30分後に下痢という悪循環で、市販薬は全く効かない。あいにく週末にさしかかり、明日にでもかかりつけの病院に行かせるつもりでいたが、ふと思いついて私が不整脈発症時に常用しているカモミールティーを飲ませてみることにした。
 不整脈の場合は乾燥させた花10〜12個を2分間煮出して飲む。早いときは1回で、重いときでも2回飲めば症状は改善する。
(確か胃腸にも効くはず…)と思って調べると、「ストレス性の下痢や便秘に有効」とネット情報にある。ジャーマンカモミールに含まれるアズレンという物質が胃腸の粘膜を修復してくれるんだとか。
 朝から水しか飲んでない妻に、8個の乾燥花を煮出して飲ませた。その後昼食に軽いお粥を食べたが、下痢は治まっている。15時にもう一杯飲ませ、症状が落ち着いているので、夕食は消化のよいシャブシャブにした。

 消化の悪いキノコは避け、白菜や肉を中心に恐る恐る食べていたが、食後1時間を経ても下痢の症状は出ない。明らかにカモミールが効いている。
 念のため就寝前にも5個の乾燥花を煮出して飲ませた。このまま治まれば、明日の病院は行かずに済みそう。

 下痢にカモミールを処方したのは初めてだったが、予想外に効いた。いま飲んでいるのは昨年採取した分で、今年も数百個の花を自宅菜園で採取ずみ。お金のかからない我が家の貴重な常備薬。

(カモミールをやめた3日後に妻の下痢が再発。病院に行くと腸炎の診断で、処方された抗生物質を飲んでようやく完治した)