車のバッテリにつないでDC12VをAC100Vに変換する装置で、停電時に家電が車のバッテリで駆動可能になる。
さまざまな種類の商品が存在するが、自分の置かれた状況や今後の見通しなどをふまえ、以下の条件で機種を絞り込んだ。
・正弦波仕様、容量300W程度
・価格が5千円程度
・バッテリに直結できるワニ口クリップが付属
・各種保護回路搭載
全ての条件に合致する商品をアマゾンで探し当て、5,680円で購入。購入前から100V電源ケーブルの配線テストは終えていて、今日は実際の稼働テストを試みた。
1)インバータ本体の周波数を設定。(届いたときは50Hz)
2)インバータ本体に、付属のクリップ付ケーブルをつなぐ。
(150W以上使う場合、シガーソケットにはつながない)
3)車のボンネットを開け、ケーブルをつないだインバータをバッテリ近くの空いているスペースに置く。
4)ボンネットから家の中まで100V電源ケーブルを配線。今回は10M+5M=15M分を使った。
テストなので車庫に通ずる小窓を薄く開けて通したが、本番では寒さや防犯上の問題がない車庫内の基礎給気口〜床下点検口を経由させる予定。
5)ワニ口クリップをバッテリ端子に接続。
6)車のエンジンをかけてアイドリング状態にする。
7)使う電気機器を引き込んだ電源ケーブルに接続。
8)ボンネット内の電源ケーブルをインバータ本体に接続。
9)最後にインバータ本体のスイッチを入れる。
ボンネットは閉じられるが、説明のため開放 |
最初に給湯ボイラをテストした。2年前の大停電時に最も不便を感じたのがシャワー。水は普通に出ていたので、ボイラさえ動けばお湯が使える。
ボイラの定格消費電力は点火時140W〜燃焼時120Wだったが、何ら問題なく運転できた。お湯温度も正常で、5分ほどで実験終了。
続けて32インチ液晶テレビをテスト。停電時の情報は乾電池ラジオで充分足りたので必要性は低いが、妻の要望もあってテストだけはしておきたかった。
テレビの定格消費電力は116W。こちらも問題なく視聴できた。インバータの機種によってはテレビが映らないこともあると聞くが、正弦波仕様なら問題なさそうだ。
給湯ボイラをバッテリ駆動 |
最後に冷蔵庫をテストした。停電が長時間に及ぶと食材がダメになるため、必要度ランクでは給湯ボイラに次ぐ。
手持ちの冷蔵庫は7年前に買った省エネ仕様で、定格消費電力は通常時90W〜霜取り時155Wだった。
連続30分運転してみたが、何ら問題なく稼働。霜取りヒーターはたぶん稼働していないが、仮に同時稼働しても、計245Wでギリギリ足りるはず。
冷蔵庫をバッテリ駆動 |
結論として、2〜3日程度の非常時電源としては充分に使えることが分かった。
テスト中はずっとアイドリングしていたが、試しに冷蔵庫をつないだままエンジンを止めてみたら、それまで13.8〜14.2Vをキープしていたバッテリ電圧がたちまち12V台に下がった。非力なバッテリなので、連続充電せずに使うには無理がある。 アイドリング時の軽自動車ガソリン消費量は1時間400cc強、というネット情報がある。車は満タンで30L入り、いつも残量30%くらいで給油している。シャワー時は給湯ボイラ30分使用、冷蔵庫は7時間停止〜1時間稼働の間欠運転にすれば、1日3時間の運転で済む。
(間欠運転でも最低限の温度は確保可能とのネット情報あり)
テレビ視聴を1時間とすると、1日のアイドリングは計4時間半。ガソリン消費量は1.8〜2.0Lとなり、無給油でも3〜4日は持つ計算。
より安定した態勢にするなら、容量の大きい機種や予備バッテリ、予備ガソリン、ソーラー充電などの装備も考えられるが、いま住んでいる地域の緊急時インフラ状態や人生の残り時間なども考慮すると、このくらいの備えでよいのではないかと考える。