術後7年目、通算9度目となる大腸内視鏡検査の日だった。例年なら遅くとも4月には終わっているが、今年はコロナ禍による院内感染リスクが懸念された。主治医と手紙での相談のうえ、8月にずらすことになる。
前日は朝食に卵うどん、昼食と夕食は味気ない検査食で、21時に最初の下剤を飲む。なぜかいつもより効いて、0時前から数回のトイレ通い。床についても寝る暇がないほどだった。
6時に起きて指定の薬を飲んだが、台風崩れの低気圧による強風でその後は眠れず、7時から別の下剤を飲み始めた。
全部で1800ccもあり、10分おきに120ccくらいずつ飲む。休みなくトイレに通ったが、今回は2時間も経たないうちに検査可能な状態になった。1200ccくらいしか飲んでなく、2日前から消化のよい食べ物で備えたせいか、過去最少記録である。
下剤が切れるまでしばしの時間を要し、出られたのは10時。今回はいくつか見つかっているポリープを切除することが昨年から決まっていて、1日入院する準備で来るよう要請があった。
当初はバスと地下鉄で行くつもりが、雨まじりの強い風が収まらない。1日700円の駐車料金がかかるが、結局車で行くことにした。
10時15分に病院に着く。検査専用の待合室に通され、手術着に着替えて点滴をセットされる。10時45分にはスタンバイしたが、そこから延々1時間以上も待った。
手術室に入ったのは12時少し前。今回は内視鏡が盲腸に達するまで、けっこうな痛みを感じた。ポリープを切除しながら進めるため、いつもより時間がかかる。切ったあとをクリップで止めたり、病理検査用に組織採取したりする気配を感じる。
ようやく終わって時計を見ると、50分が経過していた。いつもの倍だ。医師の説明では、計4つのポリープを切除したそう。
幸いにひどい出血はなく、入院はせずに帰ってよいことになる。入院は感染リスクが高まるので、回避できてよかった。
かかった費用は13,210円のカード払い。3日間入院し、5万2千円ほどかかった前回手術よりも当然ながら安い。
14時過ぎには帰宅したが、食事も珈琲もダメで、水とお茶くらいしか飲めない。前夜あまり寝てなく、予備室で横になったら、3時間近くも眠った。
妻が美味しそうに食べる夕食を横目で眺めながら、夕方買ってきた「午後の紅茶」を飲んで空腹をごまかす。いまのところ患部からの出血はなく、術後の残滓のようなものが時折出てくるのみ。明日から仙人のような療養生活が2週間続く。