5月に歌ったばかりの特養&デイサービスから、突然のライブ依頼があった。わずか1週間後のハナシだったが、たまたまスケジュールが空いていたのでお受けした。
年1回の依頼ペースが急に詰まった訳は確かめてないが、もしかすると予定演者の急なキャンセルがあったのかもしれない。
普段は特養とデイサービス両方の利用者が対象で、聴き手は100名近い。しかし今回はデイサービス利用者限定の敬老会で、参加者は30名程度だという。
年齢層と介護度の違いを考慮し、幅広い選曲で臨んできたが、昭和歌謡系の比重を高くして歌うことにした。
開演はいつも14時半で、20分前に会場入りすると施設側のイベントが進行中。ただちにスタンバイし、5分ほどで準備が終わると、施設側はすぐに始めて欲しいという。
予定よりかなり早かったが、希望通り14時18分に開始。35分で11曲を歌った。
「高原列車は行く」「高校三年生」「お富さん」「ここに幸あり」「幸せなら手をたたこう」「上を向いて歩こう」「荒城の月」「浪花節だよ人生は」「夜霧よ今夜も有難う」「まつり」「リンゴの木の下で」
いつもは高さ80センチほどのステージ上で歌い、PAも2台を使うが、今回は参加者が少ないこともあってステージ直下で歌うことにした。聴き手との距離が近く、一体感が期待できる。PAも他施設と同様に1台のみとした。
いつもの傾向だが、歌い始めても場の反応が弱い。デイサービス利用者限定でも車椅子の数が多く、介護度の進んでいる方が多いように思えた。
1曲終了ごとの拍手はそれなりだが、手拍子やかけ声、共に歌う声がほとんどない。あまりの手応えのなさに、急きょ予定になかった「幸せなら手をたたこう」を歌って場面転換を図った。
しかし、場に大きな変化はなく、「動いて歌う」技や時折交えるMCにも効果がない。決め手のないまま、時間だけが過ぎ去った。
多少の手応えを感じたのは、「上を向いて歩こう」「浪花節だよ人生は」「まつり」あたり。15時近くまで演って欲しいという施設側の要望には応え、おそらくは代役としての役目も無難にこなしたが、最後まで生煮え感が残るライブだった。