1週間前に続き、今回も孫娘のサッカー子守りとスケジュールが重なった。息子の試合会場が私の会場と正反対の方角で、時間的にもやり繰りが難しく、掛け持ち子守りは不可能。午前中から審判当番のある息子の都合で、8時半に最寄りの地下鉄駅まで迎えに行った。
午前中は孫娘の子守りに専念し、昼食後に孫娘のお昼寝に付き合う。眠っている孫娘を起こさぬよう抜け出し、リハーサルもやらずに14時5分前にそっと車を出した。
車中で数曲歌ってリハーサルの穴埋めをする。13時40分に先方に着いて、予定通り15時からライブは始まった。リクエストやアンコールを含め、およそ50分で14曲を歌う。
「高原列車は行く」「高校三年生」「お富さん」「バラが咲いた」「幸せなら手をたたこう」「いつでも夢を」「荒城の月」「旅の夜風」「いい日旅立ち」「まつり」「星影のワルツ」「リンゴの木の下で」「川の流れのように(リクエスト)」「丘を越えて(アンコール)」
以前は新し目の昭和歌謡やフォークが歌える貴重な場だったが、前回(今年4月)あたりから微妙に場の空気が代り、有料老人ホームや特養に近い雰囲気になった。
対応策として今回は冒険を避け、ごくオーソドックスな路線に変更。曲調もニギヤカ系を多めとした。
工夫のかいあってか、全体的な反応は前回よりも向上していたように思える。聴き手は40名ほどだったが、熱心に聴いてくれる方がけっこういて、手拍子や共に歌う声も時折耳に届き、進行としてはやりやすかった。
中程の25分あたりで、「半分少し過ぎましたが、トイレ休憩をとらなくてよいですか?」と尋ねると、担当の職員さんがそのまま続けて欲しいという。
ところが一通り歌い終えてリクエスト&アンコールになったとたん、複数の方がトイレに立ってしまい、しばしの中断を強いられた。休憩なしの40分は高齢者には辛い。進行の決定権はあくまで施設側にあるのだが…。
アンコールは数名しかいない男性からのもので、「美空ひばりをなにか」といった要望。曲名ではなく、歌手指定のリクエストは選択肢が広がるので歓迎である。
ラストの「丘を越えて」は、そのリクエストで場が静まり返ってしまい、そのまま終われないと判断した自主的なもの。なぜか喉は絶好調で、いくらでも歌えそうな感じだった。
この日は60代として最後のライブでもあった。単なる区切りだとしても、70歳まで人前で歌い続けることがひとつの目標だったので、感慨深いと同時に、自分なりの達成感はある。
15年前に積極的に人前で歌おうと弾き語り活動を始めて以来、今回が通算560回目のライブ。我ながらよくぞ歌った。
今後のことはわからないが、すでにXmasライブの依頼も飛び込んでいる。当面は請われるままに歌い続けたいが、(やれない…)と自己判断したときが、どうやらやめる時になりそうだ。それがいつなのかは、天のみぞ知る。