2017年3月15日水曜日

ギターナット自力交換

 3月上旬のこと、2階の床に米粒ほどの白い樹脂のカケラが落ちていた。(どこかで見たような…)と思いつつ、それが何であるかは分からず、気になるので捨てずにセロテープで柱に貼っておいた。

 その日の夕方、弾き語りの練習を終えてギターをいつもの場所に置いたとき、ある違和感に気づいた。(ナットが欠けている!)
 ギターのナット、つまりはネックの上端にあって6本の弦を支える重要な部品である。欠けたのは一番太い6弦の外側部分で、床に落ちていたのはそのカケラだったのだ。

左端が欠けている

 とりあえず音は出るので、弾いているときには気づかなかった。私の場合、多くの曲をカポタストという器具で弦を途中で押えて歌うため、ナットへの依存度は低い。しかし、カポタストなしで強いストロークで弾くと、やはり音が微妙にブレる。交換しなくては。
 3月はライブ予定がなく、どこかのギター工房でゆっくり交換してもらう気でいたら、急なライブが入り、迷ったが結局そのままの状態でライブは終わらせた。
 市内のギター工房をネットで検索したが、単なる交換でも費用は5千円〜1万円といったところ。手仕事なので、当然といえば当然か。
 迷ううち、たまたま使っていたデジカメが壊れてしまい、こちらの購入が最優先になってしまった。予定外の支出がかさみ、他の支出は極力抑えたい。いろいろ調べるうち、自力でもなんとか交換できそうに思えてきた。


 なるべく近いサイズのナットをアマゾンで見つけ、まず購入。ネット情報を元に、ナットを固定するための万能タイプ瞬間接着剤も100均ダイソーで買った。

・グラフテック PQ-M600-00 TUSQ798円
・材質:人口象牙(タスク)
・サイズ:5.79mm厚×43.41mm長×9.17mm高EtoE:35mm
 最も重視したのは1弦と6弦の距離(EtoE)だったが、手持ちのオベーションギターは34.5mmで、ぴったりのサイズは見つからず、やむなく35mmで妥協。他の寸法もやや大きめだったが、ヤスリで削って調整しようと思った。
 以下、工程順に写真で説明する。


カッターで塗装部分に切れ目を入れる
当て木をして、ハンマーで軽くたたく
ナットが外れた状態

 平ヤスリ(中目)で残った接着剤や塗料などを削って均す。(削りすぎない)指板側を傷つけないよう、セロテープで保護して作業。
 ヤスリはホームセンターで買った4ミリ厚×16ミリ幅の普段DIYで使っているもの。

 同じヤスリで新しいナットを削ってゆく。ヤスリは動かさずに机に置き、ナットを手に持って削るとうまくやれる。
 外したナット形状を見本に、一度にたくさん削らず、時間をかけて少しずつやる。断面がなぜか直角でなくヘッド側に傾いていて、ここを均すのに時間を費やした。紙ヤスリも準備していたが、平ヤスリだけでやれた。


 1時間近くかけて、ようやくぴったりハマるように加工を終えた。ギター側の溝、2弦と5弦のあたりにマークをつけ、瞬間接着剤を1滴ずつ、計2滴垂らしてすばやく接着する。
 木工用のタイトボンドも持っているが、あちこちの情報をかき集めると、瞬間接着剤を使った軽めの接着が最適、との結論に至った。

 計2時間近くかけて、無事に交換を終えた。残る溝の調整はさらにデリケートな作業になりそうなので、この日はここで作業終了とした。(次回に続く)