2016年7月15日金曜日

カラスの次はアリ

 子育てカラスによる襲撃が小康状態になったとたん、新たなる問題が突然持ち上がった。今度はアリの襲撃である。
 このごろ浴室内にアリが出てくる、と妻が訴えたのは10日ほど前のことか。ユニットバスなので、壁や天井からは侵入不可能で、天井換気扇周辺も調べたが、異常はない。どうもドア付近が怪しい。

 注意深く観察すると、ドアの開閉ヒンジ辺りにアリの姿をよく見かける。浴室付近では数年前にも大量のアリが現れ、特効薬の「アリメツ」を使って撃退したことがある。当時の場所に近いので、同じようにアリメツを散布して様子をみた。
 それなりに効果はあったように見えたが、数日経つと再びアリの姿。そこでドアヒンジの金属部分に直接アリメツを散布した。今度こそ…、と思ったが、数日経つとまたしてもアリの姿が。特効薬があまり効いていない様子だ。
 不思議に思って鏡を差しこんでドアの下端を観察してみた。すると、ドア枠の下端にある穴から、アリが盛んに出入りしている。アリの巣だ!

 信じ難いことに、空洞になっているアルミ製のドア枠内部に、アリが巣を作っているのだ。以前に玄関靴箱の上に置いた植木鉢の下にアリが巣を作ったことがある。早めに気づいて小さな山になりつつあった巣を丸ごと撤去し、植木鉢を置くのもやめて、事なきを得た。
 条件が整えば、家の中でもアリは巣を作る。真冬でも20度の高断熱住宅は天国で、エサにも事欠かない。巣の材料は綿埃とゴミだ。


 植木鉢の下なら撤去は簡単だが、ドア枠の中となると、外して捨てるわけにもいかない。虚をつかれた思いでネットで調べたが、参考になる記事は皆無。非常に珍しいケースであることは間違いない。
 それでも殺虫剤なしで巣そのものを根絶する方法がいくつか見つかった。

アリを殺虫剤なしで殺傷する方法(wikiHow)

 これによると巣を壊滅させるには、熱湯をかけるのが有効だという。もともとアリは水に弱いことは知っていた。なるほど、熱湯か。さっそくドアを外してやってみた。
 ドアの外し方は、ドアそのものにイラスト入りで描いてあり、素人でも簡単にやれる。外したドアを逆さまにして水を張ったバスタブに上端部を入れる。侵入口はヒンジ側なので、まずは1Lの熱湯を2度に渡って注入。念のため、反対側にも入れた。
 しばらくすると、バスタブの中に大量の巣やアリ、アリの子供などが流れでてきた。生きているアリは、しばしして水死。実は熱湯を注入する前に、ドア枠を棒で上から下まで叩いてみた。すると、音に驚いたアリが、侵入口から大量に落ちてくる。その数、ざっと300匹!
 その後、真水でも何度か注水洗浄を重ねたが、やるたびに黒い巣やアリが流れでてきて、全くキリがない。いったい何匹のアリがドアの中にいたのか


 だいたい処理し終えたように思えたので、ドアは元通りに組み立てた。しかし、一晩経って様子をみると、また多くのアリがドアヒンジ付近に群がっている。どうやら遠方にエサ探しに出かけたアリが、元の巣に戻ってきているように思えた。
 このままでは、巣を再生されかねない。巣の在り処を覚えているアリ一族を根絶しないと、何度でも巣作りは繰り返される。
 まず、再度ドアを外し、枠の中に水を流して洗浄を試みる。すると、またしても大量の巣やアリが流れでてきた。どうやら一晩でかなり修復されてしまったらしい。
 ドアを元に戻すとアリ一族の残党に、再び巣を作られる可能性が高い。考えたあげく、入浴するとき以外はドアを外したままにしておき、水を張ったバスタブの中に立てかけておくことにした。


 この状態ですでに3日が経過。まだアリは時折集まってくるが、巣となるべきドアがないので、入り口付近をウロウロするのみ。エサをたっぷりくわえて戻ってくるせいか、特効薬のアリメツも効果がなく、やむなく見つけるたびにつぶしている。
 バスタブに入れたドアからは、時折残っていたアリが顔を出すが、上端はドアストッパーだけしか壁に接触していないので、出口のない水攻め状態。エサもつきたのか、力なく溺死してしまう。

 しばらくは入浴時のみドアを設置し、それ以外の時間はドアを外して常時バスタブにつけておく、という変則的な使い方をするしかないが、こんな状態がいつまで続くのか、私にもよく分からない。