2016年5月6日金曜日

歌って墓参り

 5月最初のチカチカパフォーマンスに参加した。3連休直後の平日金曜で、土日の連休にはさまれた微妙な日。地下通りがどんな様子なのか見当がつかなかったが、ちょうどこの日から平日チカチカパフォーマンスの開催時間が延長され、これまで14時だった開始時間が3時間早まって11時になる。
 終了時間はこれまでと同じ20時だが、1日を2枠に分けていたシステムに変わりはなく、最初の枠の終了時間が1時間半早まって、15時半終了となった。
 これまでの土日祝の開催時間に似てくるが、過去5年間も平日の昼間を中心に活動してきたので、今回の変更によってパフォーマンスがどう変わってゆくのか、こちらも見当がつかなかった。

 開始が早まっても午前中からパフォーマンスするつもりは現段階でなく、これまでより1時間ほど早めに家を出て会場入りし、他のパフォーマーの動向もうかがいつつ、人の流れや集客を見極めようと考えた。
 たまたま明日が亡き父の命日に当っていて、なるべくなら混雑を避けて平日に墓参りを済ませたい。自宅からみてチカホと霊園は同じ方角なので、パフォーマンスを終わらせたあと、その足で墓参も済ませることにした。
 昼食をとる時間がないので、大きめのオニギリ持参で出発。途中で墓参用の花や菓子を買い、事務局に入ったのが13時半ころ。この日は作品系パフォーマーを含めて5組がエントリーしていたが、看板類が受付に多数あって、どうも様子がおかしい。
 開催時間は2時間半も過ぎていたが、念のため確かめると、似顔絵パフォーマー以外はまだ誰も来ていないという。この時間で1番乗りとは恐れいったが、看板類や騒音計一式を持って会場へと向かった。


 広場は閑散としていて、似顔絵のまつみさんが片隅にぽつんと座っているだけ。いつもは他のパフォーマンスの待ち時間に昼食を食べていたが、急きょ機材を組み立て、まずは歌ってしまうことにする。
 13時45分から始め、およそ30分で9曲を歌う。(※はリクエスト)

「さくら(直太朗)」「さくらさくら」「サクラ咲く(オリジナル)」「野ばら」「ハナミズキ」「花の首飾り」「カントリー・ロード※」「熱き心に※」「花束を君に(初披露)」
 平日の14時前に歌い始めたのは初めてだったが、午後の早い時間帯は集客的には悪くない。1曲目から立ち止まる人がけっこういて、3曲目にオリジナルを歌い終えたら、中年女性が「とてもいい声。家でゆっくり聴いてみたい」と、CDを2枚まとめて買ってくれた。
「まずはお試しに最初に出たCDを1枚」というのが一般的で、「2枚同時に」は過去にあまり例がない。幸先のよい出だしだった。

 その後も聴き手が途切れることはなく、終盤の「熱き心に」にでは、久しぶりに10人近くの人が立ち止まってくれた。


 この日のテーマは「花」で、リクエスト以外は花に関連する曲でまとめた。桜がちょうど満開から散り始めるころで、会場に至る遊歩道も桜の花びらで美しく彩られている。歌うにはまさにぴったりの時期だった。

「花束を君に」はNHK朝ドラのテーマソングで、十分に練習を重ねたうえでの初披露だったが、手応えはいまひとつ。曲調が難解なことと、開始1ヶ月でまだ馴染みが薄いのかもしれない。
 同じ切り口の「365日の紙飛行機」も最初は反応が弱かった。この種の曲には、ある程度の時間が必要だ。

 歌い終えて10分待ったが、会場には誰も現れない。そのまま切り上げて墓参りに向かおうかと一瞬思ったが、時間が少し早過ぎる。予定にはなかったが、14時25分から久しぶりに2ステージ目を始めることにする。
 およそ30分で9曲を歌う。(※はリクエスト)

「亜麻色の髪の乙女※」「愛燦燦」「愛人」「赤い花白い花」「I LOVE YOU」「青葉城恋唄」「万里の河※」「白い冬※」「箱根八里の半次郎※」
 この日、外は曇天で気温も平年なみ。地下の人通りは普段の平日とあまり変わらない感じだった。ただ、連休の谷間のせいか人々の足取りは穏やかで、歌に足を止める気持ちの余裕があったのかもしれない。
 後半も聴いてくれる人が途切れることはなく、リクエストも程よい感じでもらえた。

 予定にないステージだったので、1曲目は似顔絵のまつみさんが好きな曲をまず歌い、以降は関連する「あ行」の歌を適当に見繕った。
 途中から聴いてくれた高齢の女性、リクエスト用紙を調べつつ、「氷川きよしの歌が見つからない」と訴える。実は彼の曲はいくつか歌えるが、需要が少ないとみて、一覧には入れていない。

「そこにはありませんが、歌えますよ」と声をかけ、裏メニューから素早く何曲かをリストアップ。お応えした「箱根八里の半次郎」は数年ぶりに歌ったが、この日は喉の調子がよく、なかなかうまく歌えた。かの女性にも好評。
 ステージ終了後、ようやく遅い昼食をとる。似顔絵のまつみさんと歓談して時間をつぶしたが、終了時刻の15時半になっても誰も現れないので、看板類はすべて事務局に戻すことにする。

 その後ただちに霊園へと向かったが、到着は夕暮れ迫る16時45分。ここにも人影は全くなかったが、予定通り命日前に墓参を済ませることができた。
 あわただしく2つの用事を一気に済ませたせいか、帰り道で睡魔に襲われたが、何とか無事に自宅に帰着。今後の平日パフォーマンスがこの日のように都合よく展開するとはとても思えないが、ともかくも久しぶりに会心のパフォーマンスだったことは間違いない。