来週末にはライセンス更新のオーディションを控えていたが、その前にもかなりの空き枠がある。ガンの転移再発検査を無事にくぐり抜けたこともあり、オーディション前の調整もかねて、急きょエントリーすることにした。
先月末に事務局が別のビルに移転となり、地下歩行空間から直接エレベーターで行けなくなった。手続きするには、いったん地上に出て1階出入り口から入らねばならず、煩わしさが増したが、やむを得ない。
今回は機材の設営やステージ位置など、大幅に変えて臨んだ。その効果のほどを確かめるのも、エントリーを決めた理由のひとつだった。
1)譜面台利用のリクエストスタンドをやめ、機材運搬用のキャリーカートをそのままスタンド代りに使った。
2)CD陳列棚は背面に斜めの支持材を入れ、自立式にしてキャリーカート上に置く。
3)マイク前の料金箱には、100均で買った折りたたみ式の箱を利用。改造して案内状入れを前面にセットし、背面の上端には挟み込み式の看板をセットする。
これにより、機材はこれまでで最軽量となった。設営もごく短時間で済む。風対策も考えてあるので、屋外での路上ライブ時にも有効に機能するはず。
このところ機材関連の修正更新が頻繁だが、ライブ状況の変化に柔軟に対応するためだ。今後も修正は充分にあり得る。
この日もジャグラー2名との共演。会場への到着は2番目で、14時45分くらいから歌い始める。およそ30分で10曲を歌った。
(※はリクエスト)(この日は1ステージのみ)
「パープルタウン」「花(滝廉太郎)」「パダン・パダン」「花〜すべての人の心に花を」「花の首飾り」「バラ色の人生」「釜山港へ帰れ」「万里の河」「つぐない※」「青春時代※」
今回のセットリストには、これといった傾向がない。それもそのはず、ジャンルや起承転結を考慮して事前に組み立てたものではなく、50音順に並べてある315曲のリクエスト一覧のうち、単純に「は行」の歌から適当に見繕って歌い進む、というアバウトなもの。
当然ながら、ジャンルはバラバラ。J-POPを歌ったかと思えば、文部省唱歌。いきなりシャンソンに転じて、沖縄ソング、はてはGSといった具合だ。
季節感にも一貫性はないが、幸いに「は行」には「花」のつく曲が多い。「春」という季節感にふさわしい曲を閃きで選び、歌い進んだ。
この日はもうひとつ新しい試みがあって、普段歌っている場所より1ブロック北側にステージを設定した。いつもの場所だと直前のパフォーマーの撤収が長引き、入れ替りがスムーズに運ばないという傾向がこのところ続いていたからで、場所をずらして歌えば、入れ替えは瞬時に終わってロスタイムはゼロに近づく。
同じ理由から、以前は通りに対して直角な壁を背にして歌ったことも何度かある。最近は常に枠いっぱいの3組がエントリーするので、こうした対策は今後も有効と思われる。
構成に一貫性がないということもあってか、人の集まりは悪かった。いったん立ち止まっても、曲が変わると立ち去る、という傾向が続いたが、ジャンルを無視して自由気ままに歌っているので、ある程度は仕方がない。
それでも後半の「釜山港へ帰れ」で、かなりの人が足を止めてくれた。タイムロスを少なくするべく、ほとんど曲紹介もせずに歌い続けてきたが、聴き手が10名近くに達したので、ここで初めてMCを入れ、リクエストも募る。
ラスト近くにリクエストが続けて出た。終了後にも残ってくれた方々と、その場で言葉を交わす。ステージ位置がずれているので、次のパフォーマーが設営する邪魔にはならない。
「もっと聴きたかった」「いつ歌っているんですか?」などと尋ねられたが、「以前にあなたの歌を聴いた」という女性がいて驚いた。地域のイベントライブでのことらしく、私は全く記憶にないが、先方は覚えていてくれた。
溢れるような集客はなくとも、こうしたささやかなふれあいがあると、やはり歌っていてよかったと思う。初期のスタイルに近い「自由気まま路線」も、そう悪いものじゃない。