少し早めだが、明日以降の空模様がハッキリしないこともあって、妻との結婚40周年食事会をやることにした。
40周年といえば、つまりはルビー婚である。結婚が25歳と早めで、3人の子供が独立して家を出てから10年が経つ。脱サラして自宅で事業を始めてから、すでに33年が経過。普通の夫婦に比べて、実に長くて濃い生活を続けてきたものである。
会場に選んだのは、以前にも何度か利用した札幌JRタワー・ステラプレイス内にあるうどん屋。本格的な讃岐うどんで、新婚時代に仕事で半年間を高松で過ごした自称「うどん通」の私たちにも、充分満足できる味だ。
念のため、事前に電話で席を予約し、ネットで見つけた20%割引クーポン券もしっかり印刷する。お酒を飲む予定でいたので、移動手段にはちょっと迷った。
最寄りのバス停から地下鉄経由で行く手段、最寄りのJR駅まで歩く手段、あれこれ悩んだすえ、都心のデパートを散策したいという妻だけが先に自転車でJR駅に行き、1時間遅れて私が徒歩でJR駅に向かうことになる。(自転車は妻の分しかない)
先日収めた3D-CGの仕事にかなりの修正があり、休み明けに提出する必要があった。妻が出かけたあと、プロ野球中継を横目で見ながら、ぎりぎりまでその作業に励む。
1年ぶりくらいにJRを利用したせいか、ICカードの使い方を間違ってしまい、改札でちょっとトラブった。何とか予約時間には間に合って、18時から食事開始。
メニューを見ると、以前にはなかった「讃岐コース」なるものが存在する。うどんはもちろん、サラダに刺身、天ぷらや串焼き、デザートまでついて、2千円強。いろいろ食べたかったので、これに決めた。
普段よりも時間が早く、量も多めだったが、40年間の思い出話をサカナにしつつ箸を進め、結局全部たいらげた。何を食べても「さすがプロの腕」といった感で、美味い。
日頃から節制に努めているせいか、生ビール1杯がかなり効いた。お代わりは断念し、四国の地酒の熱燗に切換える。お銚子1本を1時間かけてチビチビ飲んだ。
19時半にお開きとなる。支払いは全額が妻。各自の収支や蓄えなどを踏まえて相談した結果、今年から外食を含めた食事関連の費用は、原則として妻が負担することに決まっている。
カフェを探してステラプレイス内を散策したが、適当な店が見つからず、腹ごなしに家具やインテリアの店などを1時間ほどぶらついて帰路に着く。
駅から自宅までは自転車を押して歩いたが、天空にはこの日と偶然重なった月食がぼんやりと輝いている。(こうやって年を重ねてゆくんだな…)と、月を眺めながら思った。
妻の意向で貴金属系のプレゼント等はなかったが、人生の記憶に残る一夜である。