しかし、過去のデータを詳しく調べてみると、「月曜日の北4条広場には大きなハズレがない」という貴重な情報を得た。果たして曜日が集客に関わっているのかどうか、正直よく分からない。だが、すがってみる価値はある。
この日も枠いっぱいの3組がエントリー。第8期のオーディションで合格した新人が精力的に参加しているので、このところ非常に活発な活動が繰り広げられている。みなさん私の子供や孫のような世代だが、そんな若い勢いに引っ張られるような状況になっている。
13時45分前に会場到着。初顔合わせのジャグリングパフォーマーがすでに到着していたが、スタンバイに時間がかかるというので、私がトップを務めることになった。
この日は折り畳み式パイプ椅子を持参した。キャンプ用のリメイクで450gと軽いが、低すぎて歌には使えず、完全に休憩用である。複数エントリーによって待ち時間が長くなっているので、くつろげる椅子が欲しかった。
歌う場所はいつもよりワンブロック北に移動し、広場のセンターにセット。左右の見通しがよくなり、目につきやすくなることを期待した。
(結果としてこの位置変更は、当たったかもしれない)
いつもはマイクスタンドに吊すリクエスト用紙は取り出しやすいようにホルダーをリメイクし、通りに置いてある看板の真横に目玉クリップで吊るしてみた。こちらも聴き手が手に取りやすくなることを期待したもの。
(写真は休憩時なので、マイクスタンドに止めてある)
そのほか、折畳式の一体型看板類もキャリーカートにセットするのは今日が初。短時間でスムーズに設置できた。
14時ちょうどから開始。演歌を中心に、25分で8曲を歌う。(※はリクエスト)
この日は25度に迫る暑い日だったが、地下通りはひんやりと涼しい。スポーツタオルをストール代わりに巻いたが、ちょうどよかった。
中高年をターゲットに演歌を第1ステージにもってきたが、先週とは一転して、手応えはよかった。1曲目から人が集まってきて、熱心に聴いてくれる。
3曲目あたりで「通りの看板横にリクエスト用紙が下がってますので、ご希望がありましたらどうぞ」と声をかけると、同年代と思しき男女からすぐにリクエストが出た。ちょっとした思いつきだったが、リクエスト用紙の設置場所が当たった。
途中からは間奏時にも拍手が湧くという、めったにない現象が起きる。終了後にCDも2枚売れた。
すっかり気を良くして、15時45分からの第2ステージへと臨む。フォーク系の曲を中心に、25分で7曲を歌った。(※はリクエスト)
「大空と大地の中で」「傘がない」「時代」「赤い花白い花※」「あの素晴しい愛をもう一度※」「風来坊※」「やさしさとして思い出として(初披露)※」
ここでも1曲目からいきなり人が集まってきた。外は好天だが、天気と地下広場の集客は、一見関連性がありそうで、実はあまり関係ない気もする。休み明けの月曜は天候に関わらず、案外ヤボ用で出歩く人が多いのではないか?
2曲目の「傘がない」で10代後半と思しき若い女性が間近に寄ってきた。その目が輝いている。すかさずリクエスト用紙の案内をすると、すぐに応じてくれた。
過去に記憶がない「赤い花白い花」のリクエストをいただく。最後まで聴いてくれたこの女性、叙情系の歌が大好きということで、人の好みは千差万別である。
ラスト2曲はふきのとうを連発したが、私と同世代の女性からのリクエスト。交通事故で亡くなったご主人が大ファンだったそうで、ぜひ聴きたいとの希望。目にはすでに涙があふれている。普通は同じ歌手の曲を続けないが、追悼の意味もこめて、歌わせていただいた。
両ステージとも後半はリクエストの連発となったが、聴き手側に立ったパフォーマンスという点で、意義深いものだった。長い低迷が続いたがCDも3枚売れて、どうにか底を脱した気配である。