この時点で処理したのは、剥がれていた樹脂のバリをカッターナイフで除去したこと。中央部にカギ状に空いている穴のへこみ部分を、マイナスドライバーを使って手前に平坦に戻したことくらい。
まずは第一段階として、このカギ状の穴を埋めることから始めた。バンパー部の素材はプラスチックなので、得意のプラスチック溶接の技術が使えるのでは…?と推測。ハンダごてを持ちだしてトライした。
すると、予想通り樹脂が熱で溶ける。キズの周辺から樹脂を寄せ集めるようにし、割と簡単に穴は埋まった。修復した部分は塗料が剥がれてしまい、地色の黒がむき出しになるが、ともかく穴を埋めるのが先決である。
次に、埋めた穴を中心に、ヤスリをかけて均す。ドリルの先端に装着するタイプの砥石を使い、他の引っかきキズの部分も含めて、ていねいに均す。
塗装のはがれた部分の色はともかく、手で触っても凹凸が分からないくらいに仕上がった。
このあと、コンパウンドとサンドペーパーでさらにみがき、灯油で洗浄して油抜きしてから、塗装と同色のタッチアップペンで仕上げる工程に移るが、この日は極端に気温が低く、雪までチラついてきたので、作業はここまでで終了とした。
プロの仕事ではないので、完全な修復は不可能だが、「ちょっと見では気づかない」程度まで補修するのが、ひとまずの目標。
一時はかなり落ち込んだが、手を動かすうちに、気持ちが次第に前向きになってきた。やらかしてしまったことを悔やんでも仕方がないのだ。