2014年12月17日水曜日

ふれあい多きチカチカ

 12月初めてのチカチカパフォーマンスに参加。札幌国際芸術祭の余波もあってか、会場となる広場の割当て枠があまりなく、12月も中旬を過ぎてようやく空きが出てきた。
 数年に一度という暴風雪警報が発令されていて、無用な外出は控えるようにとの警告が繰り返しテレビで発信されていた。しかし、朝起きると風もなく、時折陽もさす穏やかな日和。またしても天候に恵まれた。
 今日の会場は北4条広場。ここで歌うのも実に久しぶりだ。この日の共演はサイエンスパフォーマーの神山さんだったが、まだ姿が見えない。定刻の14時から歌い始めた。
 顔見知りのライブハウスのマスター夫妻が、別の打合せをかねて聴きに来てくれて、スタート時点からすでに聴き手がいるという心強さ。第1ステージでは、およそ35分で9曲を歌った。

「学生街の喫茶店」「池上線」「ルビーの指環」「雪が降る」「灯台守」「雪國(初披露)」「地上の星」「抱きしめて(オリジナル)」「グッドナイト・ベイビー」


 この広場は地下鉄駅改札口に近く、複数ある出入り口からの寒風で、冬は非常に寒い。外気温はプラスだったが、用心して厚手のセーターとウールのストールで武装。念のためカイロも持参した。
 歌い進むにつれ、じわじわと聴き手は増えた。先月末の北3条広場でのチカチカパフォーマンスと同じ傾向で、このところ「聴き手ゼロ〜通りの風になって歌う」という厳しい状況からは、しばし遠ざかっている。

「雪が降る」あたりから聴き手はさらに増え、初披露の「雪國」を歌い始めると、一気に30人ほどに達した。
 ラストの「追いかけて雪國…」の箇所で音を外しやすく、何度も練習を重ねた難曲。歌詞の内容が北国の年末にはピッタリである。ぜひとも披露したかったが、苦労のかいがあった。

 割当ての30分を過ぎても共演の方が現れないので、予定を2曲オーバーして終える。ずっと聴いていた男性2人が、それぞれ新旧2枚のCDをセットで買ってくれた。
 15分ほど休憩したが、相変わらず共演の方は現れない。何か事情があるのだろうと判断し、第2ステージを一気に演ってしまうことにした。
 14時50分過ぎから歌い始める。およそ25分で7曲を歌った。(※はリクエスト)

「恋人よ」「終着駅」「空に星があるように※」「Happy Birthday to You※」「雪國」「地上の星」「時代※」

「終着駅」を歌っているときに通りかかった中年女性が、間近で熱心に聴いてくれる。歌い終えあとに声をかけた。
…………………………
こんな感じの曲がお好きですか?
ええ、歌は大好きです。
何かお聴きになりたい曲がありましたら、こちらのリストからお受けします。もちろん無料です。
(リストを手にとってながめる。ほどなくして)
「空に星があるように」をお願いします。昔から大好きなんです。
それはまたいい曲をどうも。私も好きで、よく歌うんですよ。
…………………………
 ショウガ湯を中心としたメンテナンスの効果もあってか、この日は声がよく出た。歌い終えたあとも、かの女性とあれこれ話していると、そのやりとり耳にした若い女性3人が近寄ってきて、「リクエスト歌ってくれるんですか?」と尋ねる。
 ええ、レパートリーにある曲なら、と応ずると、ハッピバースデートゥーユーをお願いしたいんです。実は、この子今日が誕生日なんですよ。指差された一番若い子が恥じらう。
 それはおめでとうございます。もちろんOKです。お名前は?…M子さん、ハイ分かりました。

 こんなやり取りのあと、普段よりキーを少し上げて2度歌ってさしあげた。介護施設で同様の依頼がときどきあるので、譜面の準備はなくとも問題なく演れた。思いがけない歌での誕生プレゼントに、当の本人は大喜び。

 5曲目に入る前で「共演の方がなかなか見えないので、しばらく歌い続けます」とMCでふれたら、聴き手の中から手が上がり、「私がその共演者です」という。新規パフォーマーだったので面識がなかったが、ずっと聴いていた男性が実は共演の神山さんなのだった。
(車の急なトラブルで機材の搬入ができず、パフォーマンス自体がキャンセルになったことを後で知る)
 ではあと2〜3曲で打ち切りとしますと急きょ宣言。ラストの1曲はその場に居合わせた聴き手に声をかけ、中島みゆきシリーズとして、「時代」と「麦の唄」のどちらかを選んでもらった。つまりは、二択形式のリクエストである。
 結果は「時代」が圧倒的。対して「麦の唄」を選んだ方はゼロ。朝の連続ドラマの主題歌であることは事前にふれたので、タイトルに馴染みがなかったせいではない。転調を多用したこの曲、非常に難解な印象がする。聴き手は敏感だ。

 とはいえ、この日の喉の調子からすると、高音部の聴かせどころがある「時代」のほうが自分に合っていたのも事実。終わると多くの人が集まってきて、声をかけてくれた。CDも2枚売れて、都合6枚。多めの10枚を準備して正解だった。
 悪天候の予想で場の反応は鈍いのではないかと予想していたが、思いがけないやり取りなどもあって、手応え充分の結果となった。