2014年11月10日月曜日

チカチカで積極リクエスト

 第7期2度目のチカチカパフォーマンスに参加。2度目とはいえ、地下歩行空間を会場にしてやるのは今期初めて。前回チカホで歌ったのが7月上旬だから、実に4ヶ月ぶりとなる。札幌国際芸術祭の会場に使われていた関係で、かなりの間が空いた。
 今日の会場は北3条広場で、前回歌った際には工事中だった南側の壁がすっかり取り払われ、カフェとその前庭となる休憩空間に変わっていた。

 ちょっと見ると北大通広場に隣接して出来たカフェと似ているが、ここではカフェ内の飲食物を持ち込めず、いまのところ単なる通行市民の休憩コーナーになっている。
 椅子のデザインが細木を流線形状に組み合わせたユニークなもので、多くの市民がくつろいでいた。今後はこのコーナーに集う人たちも意識したパフォーマンスが必要となるかもしれない。

広場南側奥に休憩コーナーが出来た

 事務局で手続きを済ませ、13時45分に会場に着いたが、共演のトイシアターさんの姿はまだ見えない。ゆっくり設営し、5分前にはスタンバイ。事前にテストしたリクエスト用紙と看板も忘れずセットした。

 14時ぴったりから歌い始める。開始前から関心を持ってくれる人が数名いて、人の集まりは早かった。およそ25分で8曲を歌う。(※は初披露)

「白い冬」「終着駅※」「地上の星※」「灯台守」「学生街の喫茶店※」「越冬つばめ※」「虹と雪のバラード」「恋人よ」
 この日のテーマはやや漠然としていて、晩秋から冬の雰囲気がする曲。ジャンルがバラバラで、8曲中初披露が4曲という冒険をしたが、来月上旬に地区センターで実施のオープン形式リクエストライブに備えたもの。同じ街作り活動の場でもあるチカチカパフォーマンスの場で、ちょっとテストしてみたい気持ちがあった。

 集客がピークに達したのは、初披露だった3曲目の「地上の星」。歌い進むうちにざわざわと人が増え、あっという間に20名を越えた。
 2日前にふと思いついて歌ってみたら、「独特の世界観がある」と、妻から太鼓判。それに勇気を得て、ステージの行方を左右する3番目に思い切って持ってきたが、当たった。
 正直に書けば中島みゆきはあまり好きではなく、得意でもない。レパートリーもこれまでは「時代」「わかれうた」の2曲のみで、人前で歌ったことがあるのは「時代」だけ。しかし、受けるものは受けるのだ。今後は考えを改めざるを得ない。


 実はこの日は自宅リハの時点から調子が悪かった。声がやや荒れていてツヤが足りず、声量もいまひとつ。全身の力が声に乗って行かない悪い状態だった。それでも聴き手が途切れることはなかった。喉の調子が必ずしも集客と一致しないという典型か。難しい。

 6曲目くらいに共演のトイシアターさんが現れる。予定通り、14時25分で終わってステージを引き継いだ。
 15時20分から第2ステージ開始。洋楽を中心に、およそ25分で7曲を歌う。

「恋心」「ミスター・サマータイム※」「わかっているよ」「ラストダンスは私に」「マイ・ウェイ」「愛燦々」「Let It Go ありのままで※」

 15時を回ると集客がガタ減りするのが常だが、この日は立ち止まってくれる人がかなりいて、聴き手ゼロの時間は最後までなかった。しばらくチカチカパフォーマンスがなかったことで、人々に目新しさがあったのかもしれない。

「マイ・ウェイ」を歌っているとき、小さな男の子を連れた若い女性がマイクそばまで近寄ってきた。歌が終わるとリクエスト用紙を手に取り、「リクエストOK?」と尋ねてくる。その言葉がカタコト。何と外国人だった。

「リクエストお受けします。何がいいでしょう?」
「《愛燦々》デキマスカ?」
「はい、できます」

 なぜ外国人で「愛燦々」なのか分からなかったが、子供がハーフらしかったので、おそらくは日本人男性と結婚し、日本文化に馴染んでいるのだろう。
 リクエスト受付の看板を出してはみたが、初回ということもあってMCでは全くふれず、聴き手が近寄ってくるのに任せていた。告知なしでどんな動きになるのか、試してみたかった。ともかくもありがたい最初のリクエスターである。素早く譜面を検索し、ただちに歌った。
 終わると「アリガトウ」と手を差し出し、強く握ってくる。暖かな手のひらだった。その目が少し潤んでいて、届いたんだな…、と思った。

 時間が迫ってきたので、最後に「Let It Go ありのままで」を歌って終える。一度消えたはずの外国人親子がまた戻ってきて、最後まで聴いてくれた。
 体力的に限界を感じたので、第2ステージで撤収。13曲中6曲が初披露で、他も久しぶりに歌う曲が大半。普段よりも神経を使ったこともあってかなり疲れたが、収穫は多かった。

 撤収作業中に背後から「菊地さん」の声。振り返るとカエルヤ珈琲店の店主ご夫妻である。お店が休みで、たまたま通りかかったそうだ。第1ステージを開始前から待ち受け、ずっと聴いてくれていた男性からも、「去年のクロスロードライブで歌ってましたね」と声をかけられた。
 さらには、「人混みの後ろで、お父さんの歌聴いてましたよ」と、帰宅後に長男のお嫁さんからメールが届く。身内も含めて告知は一切してなく、全て偶然のなせる業。フシギな200万都市、サッポロである。