2013年8月31日土曜日

新旧ユニット

 明日に迫った地域の子供&中高年コラボイベント、主催者から昨日メールがあって、子供26人、指導者6人、中高年50人という、思っていたより大規模なイベントであることが判明した。

 さらに驚かされたのは、子供の18人が低学年と未就学児であるという事実。数年前に同様のイベントで、子供むけと大人むけの歌を混在させて実施し、あまりうまくいかなかった経験がある。
(大人対象の懐メロ系の歌に、子供が飽きてしまった)
 その経験を活かし、お受けする際、「今回はあくまで子供中心の構成で」と打ち合わせてあったが、これほどまで小さい子が多いとは予想してなかった。


 すでに10曲の準備は終えていたが、高学年向きの2曲を低学年向きのものに急きょ差し替えることにした。
 あわせて場を盛り上げる趣向として、会場となる地区センターの新館長さんの応援を頼むアイデアを思いつく。3年近いおつきあいのある方なので、電話で主旨を説明したら、快くお引き受けくださった。

 当初はちょっとした掛け声だけのお手伝いをお願いするつもりでいたが、、輪唱や二重唱の要素も入れると、より面白くなるのでは?と思い当たった。読み聞かせの活動をずっとやっている方なので、潜在的なアドリブ力は相当あるのでは?と思っている。
 今日はその方向で譜面その他を準備した。練習は明日のライブ直前しか時間がなく、もし無理であれば掛け声のみの出番となるが、部分的な斉唱ならごく普通にやれると思う。
 こちらは足掛け10年に及ぶユニットだが、末の息子とのステージがまた実現しような気配だ。
 息子とは2004年から「tiny-ZOO」という親子ユニットを組んでいて、これまで10回近いステージを経験してきた。最近は家族的な場での活動が多かったが、今回は8年ぶりに介護施設訪問をやる。

 8年前に2人で数回訪れた近隣のグループホームお祭りイベントに、息子の遅い夏期休暇を合わせてもらった。多少の音合せは必要だが、息子とはあうんの呼吸でやれる。なにせ、親子ユニットである。

2013年8月29日木曜日

苦手の午前中ライブ

 地域の社会福祉協議会が主催する「認知症勉強会」の余興に出演。依頼はかなり前に妻の職場の友人経由でやってきた。同じ社福協からは、敬老会余興のシングアウト伴奏としても毎年招かれている。
 場所は近隣の街づくりセンター。地区センターに似た地域住民のための公的施設である。先月末にスタッフとの顔合わせをかねた会場下見は済ませてあり、選曲や歌う順番まで、事前調整もほぼ完璧に終わっていた。
 介護施設系では歌う機会のない「ケ・セラ・セラ」「つぐない」「青春時代」、さらには私のオリジナルまで歌わせていただけることになり、対象は中高年だったが、ひと味違ったライブになる予感があった。
 唯一の不安はライブの開始時間。私の苦手な午前中ライブである。以前に別の午前中ライブで喉の不調から声を切らしてしまった苦い経験があり、早めに起きるのはもちろん、普段よりも入念に自宅リハを実施して備えた。


 固い内容の講義ばかりでは息苦しいので、毎回この種の余興を最後に入れて、場を和らげる工夫をしているらしい。地域ではこのようにして、さまざまな住民活動が実施されているのだ。
 10時半に先方に着いたが、講義の終了が少し遅れて11時20分からライブ開始。この日のセットリストは以下の12曲。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「ソーラン節」「サン・トワ・マミー」 「月の沙漠」「幸せなら手をたたこう」「サクラ咲く(オリジナル)」「つぐない」「瀬戸の花嫁」「ケ・セラ・セラ」「ここに幸あり」「青春時代」
 介護施設系ライブの夏メニューをベースに、チカチカパフォーマンスで評判のいい曲を随所に入れた構成で、手応えは非常によかった。この地区では全般的に叙情的な歌が好まれる傾向があり、その基本線も崩していない。

 聴き手はおよそ30名。心配していた喉は調整が成功し、何ら問題なく歌えた。反応がとてもよいので、普段は一部を省略して歌う「月の沙漠」「つぐない」も珍しくフルコーラス歌った。そのせいで、いつもより時間がかかってしまい、最後の曲を歌い終えた時点で40分が経過。時計はちょうど12時を指している。


 ラストの「青春時代」を歌っている真っ最中、担当のKさんが目の前で白い紙をヒラヒラと振っている。一瞬(何だろう…)と歌いながら思ったが、指差す先をよく見ると、鉛筆で「アンコールやれますか?」との走り書きが。
 思わず歌いながらうなずいたが、さすがにライブ中に紙でアンコールを打診されたのは、初めての経験。あとで確かめると、残り少なくなった時点で(ぜひアンコールを)とのささやきがいくつかあり、いきなり出すとまずいかもしれないので、さり気なく確かめて…、との指示が責任者の方からあったとか。

 抜け落ちがないよう、事前にあれこれ詰めたつもりでいたが、アンコールまでは気が回らず、そもそも歌う側からは出しにくい話題である。
 何とも不思議な「事前空気調整型アンコール」ではあったが、いくつかある候補曲から何を歌うべきか、会場の方に直接尋ねてみた。「新しい曲、古い曲、どちらがよいでしょう?」と。
 すると一斉に「新しい曲~♪」との声。ちょっと意外な反応だったが、準備してあった「少年時代」をありがたく歌わせてもらう。

 終了後に多くの方から労いの言葉をいただいたが、「南こうせつは歌わないのですか?」と、ある方に問われた。「こうせつ演りませんか?」「ふきのとうは歌います?」は、あちこちでよくかけられる声だが、次回もし機会があればと、リクエストとしていただく。
 妻の友人の紹介ということで、普段とは違う緊張感もあったが、喜んでもらえたと思う。

2013年8月26日月曜日

焦がさず焼く

 夕方に来客があるので、得意の納豆チヂミを早めに作っておこうと冷蔵庫を開けたら、あるはずのホウレン草がない。あると思い込んでいた袋の中身は、実は小松菜だった。
 小松菜でチヂミは作ったことがない。妻と食べるだけなら試験的にやってみる価値はあったが、来客にリスクは避けたい。時間がないので、車で買いに走った。
 1店目ではなぜか在庫切れ。2店目にはあったが、6本で198円という高値。横に並ぶ小松菜は半値以下である。ホウレン草は長雨に弱いのかと、しばしその場で考えたが、結局買った。

 家に戻ってすぐに作り始める。焦がさぬようにつきっきりで焼いて、非常にうまく出来上がった。フライパンを熱したあと、濡れ布巾でいったん熱をとったのが正解だったかもしれない。来客にも好評。こだわってよかった。


 先日会得した方法だが、市販のホットケーキを焼く際、一気にフライパン全体に広げず、3つの小さな塊に分けて焼いてみた。すると、こちらも焦げずにきれいに焼ける。
 チヂミと同様、ホットケーキは非常にデリケートで焦げやすい。これまで横着して大きめに広げて焼いていたが、小さくしたほうが焦げにくい。推測だが、小さいほうが薄く、周囲からも熱が回りやすいからではないか。

 いつものように粗熱をとってから保存パックに入れて冷凍しておき、今日も展開次第ではデザートとして出すつもりでいたが、さすがにチヂミでお腹いっぱいとなった模様。

2013年8月24日土曜日

苦手克服ライブ

 隣区にある学童保育所夏祭りイベントに出演。依頼はネット経由でやってきたが、電話を受けたときは正直、気乗りがしなかった。
 理由は明快で、聴き手の中心層が小学生とその父母。「子供むけと大人むけの曲を半々くらいに」との要望だったが、小学生といえば私の孫の世代、その父兄といえど子供の世代であり、中高年を主たるターゲットにしている私にとって、かなり無理な要望のように思われた。

 しかし、先方はぜひにという。打合せに出向いて知ったが、当初予定していた若手のアカペラグループが、突然のキャンセルで困っていたらしい。なるほどと納得。
 とはいえ、演るとなればどんな構成でいくべきか、事前調整は必須である。最初の打合せでは電子譜面に10数曲の候補曲をリストアップし、1曲ずつさわりの部分を歌って選曲を進めた。
 しかし、決まらない。過去にも似た対象のライブは何度か経験していて、いずれも苦戦している。聴き手と歌い手とに世代の隔たりがあるライブは、極力避けたほうが無難なのである。
 先方の希望は転換を含めて30分、7曲ほどだったが、最初の打合せでは「カントリーロード」「グリーングリーン」の2曲しか決まらなかった。


 他のライブに追われながらも、選曲にずっと頭を悩ませていたが、前半3曲を子供むけとし、後半の4曲を30~40代の大人むけの構成に完全切換えすることに腹を決めた。
 大人むけの曲は80年代以降の曲が中心。これでも私にとっては、充分に新しい。先方のリクエストなどもあり、大半が初披露かそれに近い曲で臨むことが、ライブ直前になってようやく決まった。
 当日は雨模様の不安定な天気。駐車スペースに屋台などが出るため、車は最寄りの有料駐車場に停め、そこから歩いて向かったが、途中からポツポツと大粒の雨が。用心して傘を持参して正解だった。
 会場は1階の体育室で、壁際に一段高くステージが設営されている。私の出番は、子供よさこいダンス終了後の14時20分から。先方が準備してくれた4チャンネルの立派なPAのテストもスムーズに終わり、早めの14時18分から開始。
 およそ27分で以下の7曲を歌った。(※は初披露、◎はリクエスト)

「カントリー・ロード◎」「エーデルワイス」「グリーングリーン※◎」「やさしさに包まれたなら※」「夏の終りのハーモニー」「ハナミズキ」「少年時代※◎」


 歌い始めると雨はますます激しくなり、外にいて濡れてしまった人たちが次々と姿を消してしまう。会場には30席ほどの椅子が用意されていたが、聴き手は半分の10数人といったところだった。
 この種の場の通例で、モニタースピーカーはない。しかし最近は客席側に向いているメインスピーカーからのわずかな音の返りと、自分の耳に直接届くボーカルとギターの音から、直感的にバランスをとって歌う技を会得しつつある。何事も経験である。

 4曲目の「やさしさに包まれたなら」は子供から大人むけに切り換わるターニング曲。曲としては古いが、「魔女の宅急便」で使われたので、若い層にも比較的知られている。ここから子供(親子連れ)の数がさらに減り、終わりころには大人ばかり数人にまで減った。
 しかし、残ったのは熱心に耳を傾けてくれる人ばかりで、1曲ごとに熱い拍手をいただく。小さな共有空間がぽっかりと一隅にできた感じで、チカチカパフォーマンスでもそうだが、真剣に聴いてくれる方がたとえ一人でもいれば、ライブは立派に成立する。
 この日が初披露の「少年時代」は、打合せ段階でリクエストをいただいたが自信がなく、いったんは辞退した。しかし、適当な曲がないという切羽詰まった状況から歌わざるを得なくなり、必死で練習を重ねて何とかモノにした。

 苦手だった理由は全体的な曲の難しさで、歌詞の世界が深く、転調やフェルマータの連発で、コード展開も非常に難解。ずっとストローク奏法で練習していたが、ライブ2日前になって突然、(やはりこの曲はアルペジオで歌うべき)と考え直し、特訓を重ねて本番は3種類のアルペジオ奏法を混ぜて、しっとりと歌い上げた。
 ほぼ満足ゆく出来だったと自己評価。苦手はこの日で克服した感じだ。これまた何事も逃げずにやってみることだ。

2013年8月23日金曜日

ポケットの蓋

 先月599円で買ったジーパン、それなりにはけるが、唯一の問題点は尻ポケットの深さ。尻ポケットには財布を入れる習慣があるが、浅いと座った際に財布がはみ出し、時に椅子の上に落ちてしまう。
 他のジーパンと比べてみると、あきらかに1センチは浅い。安いジーパンの宿命で、ポケットを小さくして原価を下げるのだろう。すでに一度車の椅子に落としてしまったが、大事に至らぬうちに、何らかの対策が必要だった。


 底の二重縫いの一部を切ってしまおうか迷ったが、以前に同様のジーパンに施した、蓋追加方式を今回もやることに決めた。
 前回は蓋の代用にヒモを使ったが、やや使い勝手が悪い。今回は古いカバンの一部を使うことにする。手製のギターストラップの端部にも使っている手法で、薄くて柔らかい革なら、ミシンが普通に使える。

 革の色は複数あったが、ボタンやジーパンとの色バランスから、赤茶色に決定。あまり問題なく仕上がったが、使ってみて具合がいいようなら、他のジーパンにも転用するかもしれない。

2013年8月22日木曜日

真のアンコール

 個人的見解だが、ライブのアンコールには、以下のような種類があるように思われる。

《お約束アンコール》
 アンコールがあることが、ライブ実施前から決まっている例。自主企画のソロライブや、依頼型のソロライブ等がそれ。この種のライブでは、アンコールが含まれていることを聴き手が暗黙のうちに了解している節があり、完全にセットリストの一部と考えるべき。
 プロでもその例外ではないが、稀にアンコールが一切ないライブにも遭遇する。歌い手を含めた主催者側が、セットの中にわざとらしくアンコールを含める構成を嫌うケースと思われるが、作為的でないその分、むしろ好ましく感じる。
(昨年観た島津亜矢のコンサートには、アンコールが存在しなかった)

 私の経験では、介護施設系のライブでも事前にアンコールの準備を促されることがある。しょせんは「お約束」の範ちゅうなので、請われれば応ずるが、アンコールとしての有難味は薄い。

《時間調整アンコール》
 主催者側の都合で、時間調整として不意にアンコールを要求されるケース。複数の出演者がいて、入れ替わりながら順に歌う場などに多い。
 出演予定者が出番に遅刻したり、時間が予定よりまいて(早くなって)しまった場合、主催者側はどこかで進行を調整する必要がある。望ましいのは出演者ごとにこまめに調整することで、そこで突然の「アンコール!」ということになる。

 当然ながら、このアンコールは聴き手(客席)からではなく、主催者側から出る。その意味で真のアンコールとは言い難く、あくまで咄嗟の要求に応えられるか否か、歌い手としての力量とアドリブ力が問われる種類のアンコールである。
 うまくさばけば主催者の信頼は増し、次回のステージを約束されたり、別の場を紹介されたりもするので、いつでも応じられる準備はしておくのが得策。


《空気調整アンコール》
 場がライブそのものに慣れていず、何となく聴き足りないが、どうすればよいのか聴き手が分かっていない場合、終了後に独特の雰囲気になる。そんな空気を主催者側がいち早く察知し、「みなさん、もう少し聴きたくないですか?」などと、さり気なく聴き手を誘うケース。
 介護施設系ライブなどでしばしば登場する。次項の「自然発生アンコール」に近い位置づけ。

《自然発生アンコール》
 聴き手側から何の作為もなく、自然発生するアンコール。時に主催者のスケジュールを狂わせたりもするが、これこそが真のアンコールであり、歌い手としては常にこうしたステージを目指すべきだろう。
 推定300~400回の場を過去にこなした私でも、この「真のアンコール」は、ごくわずかしか経験していない。いろいろな条件が整わないと出現しない、非常に稀なアンコールと言えるが、その分有難味は格別のもので、(歌っていてよかった…)と実感する瞬間だ。

 介護施設系やイベント系の場はもちろん、時に路上系の場でも出現する。介護施設系ライブの場合は、準備さえしていればあまり問題なくやれるが、イベント系ライブで他の出演者が複数いる場合、進行に影響する。しかし、聴き手が強く要求した場合、演らせてもらえることもある。
 イベント系ライブでの自然発生アンコールは、私には経験がない。(昨年の「すすきの祭り」でのアンコールは時間調整型)しかし、以前にたまたま通りかかった区役所前広場でのお祭りイベントで、非常に上手い3人組バンドがいて、終了後に観衆から自然発生の「アンコール!」が飛び出した。
 聴き手の一人だった私自身が、(もっと聴きたい)と思ったのだから、これぞ真のアンコールである。
 プロのライブは「お約束アンコール」が基本でミスは許されず、メンバーが多い場合などは事前にリハも済ませていないと、とても応えられるものではない。しかしこれにも例外があって、過去に一度だけ「自然発生アンコール」に遭遇したことがある。

 デビューまもない松山千春のライブで、予定通りに2曲の「お約束アンコール」を終えたが、熱くなった聴衆が拍手を続け、いつまでも帰ろうとしない。とうとう本人がギターを抱えて一人登場し、全く予定になかった曲をソロで歌って、どうにか場を収めた。ラジオ放送で聴いていただけだが、さすがプロだと感心した覚えがある。
「真のアンコール」の凄さは、聴き手が完全に場の空気を共有・支配し、納得するまで延々続く、というところだ。体力的には厳しいが、歌い手冥利につきる瞬間でもある。

2013年8月21日水曜日

戸惑う新冷蔵庫

 ネット通販で注文してあった新しい冷蔵庫が午後に届く予定だったが、朝一番で電話があり、都合がよければ午前中に配達したいが、との打診。たまたま妻が家にいて、この種のことは早いにこしたことはない。即OKである。
 妻はすぐに冷蔵庫内の野菜や飲み物類を箱に分別移動。扉に貼ってあるカレンダー類も全て外した。氷関連は前夜に製氷皿をカラにし、保存容器に移してある。準備万端整った。

 10時半に配達がやってきて、残してあったアイスや飲み物をすばやく移動。まずは古い冷蔵庫の撤去から始まったが、電源コードが造付け戸棚の隙間を通っていて、どうしても抜けない。
 戸棚を移動しようにも、地震の転倒防止用にビス2本で締付けてあり、まずそれを緩める必要があった。その後、戸棚をわずかに手前に引っ張って、ようやく抜き取りに成功。


 新しい冷蔵庫はてっきり白色と思っていたが、運び込まれたのはグレーである。しかし、発注伝票に間違いはない。たぶん私の確認ミスで、格安だった理由がこの色にあった可能性がある。
 しかし、収めてみるとそれほどの違和感はない。高さがこれまでより8センチ高く、幅も奥行きも一回り大きくなっているが、それを感じさせないのは、色が地味なせいだろう。

 最も戸惑ったのは、扉の数と配置。これまでの3ドアが一気に5ドアとなり、収蔵室の配置もガラリ変わった。
 これまで真ん中だった冷蔵室が最上段に、最上段だった冷凍室が最下段へと変わった。最下段だった野菜室は中央(上から2段目)である。慣れるまでしばしの時間が必要だが、使用頻度の高い野菜室が高いと腰の負担が少なくて楽、とは出資者である妻の弁。
 さらに驚いたのは、製氷機が内蔵されていることだった。下から2段目左の小引き出しがそれで、2時間に10個のペースで自動的に氷が落ちてくる。
 給水タンクはなぜか最上段の冷蔵室内にあり、ここからパイプで水が供給され、途中で氷になって下に落ちる仕組みらしい。

 問題は容器に落ちる際の音。「ガラガラ」とかなりやかましく、給水タンクの水がなくなるまで、深夜でも延々と作り続ける仕掛けとか。「製氷オフ」のスイッチがあるので、氷の在庫が充分なら、深夜はスイッチを切っておくべきだろう。
 給水タンクには、活性炭フィルターまでついていて、数年おきに交換する方式。「美味い氷」を作るためというが、そもそも家庭の冷蔵庫内に製氷機が必要なのだろうか?
 他に氷を作る手段がないので使わざるを得ないが、便利さもほどほどにしておくべきだろう。電気代が半分になるのは、とてもありがたいことだが。

2013年8月20日火曜日

手強いリクエスト

 平日だが、隣区にあるデイサービスに歌いに行った。実はこの施設、今年3月始めにも歌ったばかり。依頼があったのはわずか5日前だったが、急きょ歌うことが決まった。
 8月は夏祭り系ライブ以外、あまりスケジュールが入らないのが常だが、今年に限っては例外。毎週のように予定が詰まっていて、依頼された当初はさすがに気がすすまなかった。
 しかし、前回聴いた利用者の方の強い要望があったことを知る。歌い手にとっては殺し文句に近く、請われるうちが華と、フラフラお受けすることに。

 とはいえ、連日の猛暑で中一日でのライブは厳しい。冒険は避けて手慣れた夏メニューとし、練習もほどほどにして、気力体力の温存に努めた。


 開始は前回と同じ14時から。暑さはそれほどでもなく、湿度も低くてカラリとした過ごしやすい陽気。条件としては悪くない。一昨日のライブの反省から、曲数を1曲減らし、およそ35分で以下の11曲をまず歌った。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「ブルーライト・ヨコハマ」「夜霧よ今夜も有難う」「浜辺の歌(ノーマイク)」「涙そうそう」 「幸せなら手をたたこう」「サン・トワ・マミー」「われは海の子」「ここに幸あり」「丘を越えて」
 前回歌ってから5ヶ月余しか経っていないので、重複曲は避けた。ただ、歌い始めると、場の雰囲気が前回と微妙に違う。反応はとてもよいのだが、空気感のようなものに微妙な変化がある。
 職員さんの顔ぶれは大差なく、ステージの場所も同じ。違っているのは季節だけのはずだったが、それ以外の何か。歌っている人間にしか分からない直感のようなものである。

 あとで担当の方に聞かされたが、実は前回が日曜で今回が火曜。曜日が異なると利用者の大半が別メンバーになるそうで、前回と重複している利用者は、2名だけだったという。
 そうしたデイサービスの仕組みをよく知らず、「利用者の要望」というので勝手に同じ方ばかりと思い込んでいたが、実はその2名の方によるリクエストライブだったということだ。


 いきさつはともかく、ライブとしての出来は悪くなかった。この日は喉の調子が抜群によく、しかも会場の反響がいい。トントン調子よく進んで、あっという間に歌い終えたが、終了を告げても場には独特の奇妙な雰囲気が漂っている。
 要は「聞き足りない」という気分が満ち満ちていたのだった。爽やかな北海道らしい気候で、聴く側も元気いっぱいの様子。職員さんの「もっと聴きたいですよね~」の言葉が発端になり、いっせいに「アンコール!」の嵐となる。

 実は前回この施設では、突発的なリクエストが飛び出している。「美空ひばりを何か」と「なごり雪」がそれで、幸いに両曲とも無難にさばいたが、その再燃がちょっと怖かった。
「何でもいいでしょうか?」と前置きし、準備していた「月がとっても青いから」を素早く歌う。しかし、場の熱は収まらない。「リクエストをしてもいいですか?」との声があり、「曲次第ですね~」と言葉を濁しつつ、譜面で目についた「高原列車は行く」を続けて歌う。
 いわゆる「Wアンコール」で、曲数をこなせば、場は自然に収まるはずと踏んでのことだが、その考えは甘かった。
 歌い終わると、「長崎は今日も雨だった」との声。ついにリクエスト登場である。譜面があったかどうか咄嗟に思い出せず、首をひねると、「宗右衛門町ブルース」「中の島ブルース」と続けざまに飛び出す。
 珍しく男性からのリクエストで、どうにかお応えしたいと思うが、歌えない曲ばかり。やむなく譜面なしで「長崎は今日も雨だった」のさわりだけを歌い、「この先は分かりません、今度練習してきます」と逃げた。
 するとかの男性、「うまい!では『浪花節だよ人生は』はどうです?」と、重ねて請う。4曲目でようやくレパートリーにヒットした。

 以前に別施設でリクエストを受けて覚えた曲で、譜面はすぐに見つかった。このところ全く歌ってなかったが、無難にこなした。この曲が予想外に盛り上がり、ようやく場の気分も収拾。帰り際、「次回はぜひとも『宗右衛門町ブルース』を」と、かの男性から念を押されてしまった。
 以前にある施設でムード歌謡が拒まれた苦い経験があり、介護施設でこの種の歌はタブーと思ってきたが、場によっては当てはまらないらしい。何事も思い込みは禁物である。

2013年8月19日月曜日

スポーツドリンク効果

 暑さの中でライブを乗り切るのに、ポカリスエットに代表されるスポーツドリンクが非常に効果的であることを、この夏の自らの体験で知った。きっかけはプロ野球選手が筋肉をつってしまうのを防ぐのに、スポーツドリンクのミネラル分が有効であることを知ってから。
 ソロライブ等で、20曲を超えると決まって左手がつってしまったり、最近では足がつったり、耳が聞こえにくくなることもあった。スポーツと同じで、飲み物によってこれらの諸症状が防げるのではないか…?

 6月末のチカチカパフォーマンスから、それまでの水だけの水分補給に替え、スポーツドリンクを試験的に使ってみたが、予想以上の効果があった。以来、酷暑のなかで30曲を歌っても、筋肉がつることはない。
 他にも暑さ対策はいろいろやっているので、全てスポーツドリンクのせいとは断言できないが、効果的であることは間違いない。


 昨日のライブで、手持ちのスポーツドリンクが底をついた。まだ夏は終わってないので、補給すべくスーパーに寄ったら、アクエリアスの2Lボトルが137円で売っている。開封後に冷蔵庫保存すれば、かなり持つはず。迷わず買った。
 いつもライブに持参する飲み物入れは、写真右の300ml入ペットボトルの空容器。分かりやすいように、蓋だけは赤に替えた。コンパクトで邪魔にならず、マイクスタンドの根元に通したリストバンドに予め挟んでおけば、そのままステージまで移動も可能。

 一回のライブで飲む量は、平均して200ml。余程の長丁場でも、ワンボトル分あれば足りる。小分けして使えば、およそ10回は使える計算になり、一回14円程度に過ぎない。
 ある意味で弾き語りは、スポーツに近いタフな運動行為なのかもしれない。当初は6~9月の暑い時期だけ飲むつもりでいたが、この程度の負担なら、通年で利用しようかと思う。

2013年8月18日日曜日

暑さと闘うライブ

 札幌の南東にある有料老人ホームの誕生会に招かれ、歌ってきた。いろいろな縁で2007年から年一回ペースで歌わせていただくようになり、今回で7回目の訪問となる。決して太くはないが、強くて確かな信頼関係でつながっている施設である。
 真夏に招かれたのは、実は今回が始めて。普段は歌えない夏メニューの構成で臨んだ。

 札幌北端にある我が家からは、車でおよそ1時間近くかかる。市内では最も遠い施設になるだろう。前線の接近で朝から激しい雨が続いていたが、出かける直前になってピタリ上がって、青空が広がった。
 13時45分に先方に着き、施設側のイベントなどがあって、14時15分過ぎからライブ開始。およそ35分で以下の12曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「ブルーライト・ヨコハマ」「サン・トワ・マミー」「浜辺の歌」「涙そうそう」 「幸せなら手をたたこう」「北の旅人」「高校三年生」「われは海の子」「恋のバカンス」「丘を越えて」


 新し目の曲でも受け入れてくれる得難い施設なので、前回に引き続き、普段あまり介護施設系では歌わない曲を選んだ。「ブルーライト・ヨコハマ」「サン・トワ・マミー」「涙そうそう」「北の旅人」「恋のバカンス」あたりがそれで、どちらかといえばチカチカパフォーマンスで人気のある曲である。

 聴き手の数は職員さんを含めて、60名ほど。かなりの冒険をしたにも関わらず、場のノリはよかった。前半は自然発生の手拍子を多数いただいたが、聴き手参加型の「幸せなら手をたたこう」を終えたあたりから、場の反応が次第に弱くなるのを感じた。
 理由はあきらかに「暑さ」である。この日の最高気温は31度を越えていて、湿度も80%に迫る不快な陽気。歌う側も聴く側も、暑さとの闘いを強いられた。
 歌う私はこの夏のライブで会得した暑さ対策で何とか対応できたが、特に体力のない高齢者の方々に、この条件下での長丁場は厳しかったように思える。暑さで食欲も減退したのか、おやつとして出されたチョコケーキにも、手をつけない方が多かったように見えた。
 残り2曲になって心配になり、担当の方にこのまま歌ってよいか確認したが、予定通りお願いします、との返答。ラスト2曲は間奏を省略するなどし、短めに切り上げた。

 それでも終了すると、「いつも先生の歌を楽しみにしているんですよ、ありがとうございます」と、近寄って労ってくださる入居者の方が複数いらして、ちょっとホッとした。
(「先生」とはこうした場でしばしば用いられる呼称だが、大きな意味はなく、相手を慮ったある種の敬称と考える。当初は「先生じゃないです」と、都度否定していたが、最近は呼ばれるに任せている)

 非常にタフな条件の場だったが、経験値で無難に乗りきれたと思う。

2013年8月17日土曜日

冷蔵庫買い換え

 3月末に激しい水漏れの症状が出て何とか自力修理し、その後5ヶ月を経た冷蔵庫に、またしても同じ水漏れが発生してしまった。
 原因は前回と同じ、霜取り水を蒸発させる経路のどこかが目詰まりを起こしているに違いなく、外部からホースをあてて経路の不純物を吹き飛ばす対症療法では、もはや限界と思われた。

 懲りずに定期的に対症療法を繰り返すか、はまたまスッパリ諦めて新製品に買い換えてしまうべきか、この数日間思い悩んでいたが、朝起きると妻が「冷蔵庫の安いのがチラシに載ってる」という。
 どれどれと手に取ると、一人一台限定だが、手頃な品が税込88,800円と確かに格安。送料無料で設置工事こみ。年間電気代も280Kwhで、現状の半分。容量は現状の335Lから426Lに増え、外形寸法は現状品と大差ない。ネットで調べてみたら今年3月発売の廉価節電タイプ新製品で、通販でも同じ価格で販売していた。

13年使った富士通製冷蔵庫

 妻は数年前から「もっと大きい冷蔵庫が欲しい」と言っていたが、「まだまだ使えますがな」と、なだめすかしていたのはこの私。「お金は私が出す!」と妻が宣言するので、これもいい機会と買うことを即断した。
 ネットで手配して30分後に、配達日の案内がメールで届く。全国規模の家電ショップだが、何とも手回しがいい。
 調べてみたら、結婚当初に買った東芝製冷蔵庫(200L程度)が子供たちの成長で小さくなってしまい、12年で買い換え。その後のシャープ製(300L程度)が13年で水漏れ発生により、買い換え。そして今回の富士通製(335L)が13年で買い換えとなった。
 仮にこのサイクルを繰り返すとして、次の買い換えは13年後の70歳台半ば。電気代の差額で元はとれている頃だが、果たしてそれまで元気でいられるかどうかは、神のみぞ知る領域のハナシ。
「それまで何とか生きていましょうね」と、妻と励ましあったのだった。
(写真は現状の古い冷蔵庫です)

 買い換えたのは下記の製品。

●●
東芝426L 5ドア冷蔵庫/GR-F43N_NU/年間電気代目安280kWh

2013年8月16日金曜日

CD購入のタイミング

 ユルユルと続けていた11曲入オリジナルCDが4枚分仕上がった。残る紙ジャケCDは、発注済みの素材がお盆休みの関係で到着が遅れている。仕上げ作業は届いてから一気にやる。

 CDを頒布するのは主にチカチカパフォーマンスの場だが、8~9月は介護施設系を中心に厳しいスケジュールが詰まっており、参加は難しいかもしれない。ライセンス切換え月でもあり、割当て枠が少なくなる可能性もある。増刷作業を急ぐ要素はない。
(介護施設系やイベント系ライブでは、CDを頒布できない場が大半)


 前回のチカチカパフォーマンスで、第2ステージ終了間際に近づいてきた中年女性、予定分を終わって撤収にかかっていると、「オリジナル曲はもう歌ってしまいました?」と尋ねる。

「あ~、すみません。これまでに3曲歌ってしまって、今日はもう終わりなんです」この日は終了後に墓参りに行く予定があり、急いでいた。
 するとかの女性、「CDが欲しいんだけど…」と、あれこれ手にとって迷っている。「さっきのカバー曲(ちなみに、「アメイジング・グレイス」と「青春時代」)がとても良かったので、オリジナルもきっといいとは思うんだけど…」と、決心がつかない様子。
 過去にも似たシーンはあって、女性は押しなべて購入に慎重である。オリジナルCDなら、1曲でもオリジナル曲を聴いてからでないと、買わない場合が多い。
(男性は1曲聴いてスパッと買ってくれる方が、けっこういる)
 急いではいたが、こうした場面での私は意外に粘り強い。共演のまっつさんの朗読がいまにも始まりそうだったので、PAを再度使うことはできない。咄嗟に歌詞カードを手に取り、その場で「抱きしめて」と「サクラ咲く」のさわりをアカペラで歌ってさし上げた。
 ああ、いい曲ですね、と女性は喜び、高い方の11曲入CDを買ってくれた。両曲とも廉価版の紙ジャケに入れてあるが、こちらのちょっとした気配りに応えてくださったように思える。

 セルフレポではふれなかったが、通りすがり対象の場でしか遭遇できないであろう、聴き手と歌い手との小さなふれあいである。

2013年8月15日木曜日

アナログ写真大整理


 午後から長い間の懸案事項だった、古いアナログ写真の整理を一気にやった。その数ざっと100枚以上。
 調べてみたら、1995年あたりから全くの未整理状態で、すでに18年が経過している。仕事関連の工程写真は日付入で現場毎にきちんと整理されているが、問題は家族や趣味関連の写真だ。

 デジタル写真に切り替えた2005年以降は、年月日順にファイル名をつけ、ストレージサービスのDropboxに随時保存済み。いつでも閲覧取り出しが可能で、仮にパソコンがクラッシュしても、データ損失の心配はない。
 基本的に1枚しか存在しないアナログ写真の管理は、自分の年齢のことも考えると、非常に難しくなりつつある。夫婦がこの世から消えたあとの処分は子供たちに任せるとして、袋に入ったままの山積み状態では、判断にも困るだろう。
 せめて日付順にアルバムに貼っておこうかと思い立った。


 実はかなり前からアルバムと「コーナー」と呼ばれる貼り付け備品は準備してあった。大半の写真の裏には、色鉛筆で撮影年月を記してある。あとはやるだけだったが、なかなか踏ん切りがつかなかった。
 世間がお盆休み中のいまこそ、過去を振り返りつつ粛々とやる時期なのではあるまいか。

 アルバムはフリー台紙ではなく、安くて書き込みが自由にできる紙台紙タイプをずっと使っている。写真を日付順にざっと整理し、残っているアルバムの頁数と突き合わせてみたら、ギリギリで間に合いそうだった。
 コーナーは36枚貼れる144片入の品を100円ショップで見つけ、2セット買ってあった。古いコクヨの製品も残っており、こちらも足りるはずだった。
 重複する写真を思い切って処分したり、懐かしい思い出にふけったりして手間取り、全作業を終えたのは深夜。コーナーはコクヨ製の2箱がまるまる残ってしまったので、2片のみで仮固定してある古い写真に追加貼りすることにした。

 アナログ写真によるアルバムのよいところは、家族で囲んで、ああだこうだ思い出話に花が咲くこと。デジタル写真の場合、PCからスライドショーを使うことになるが、いまいち味気ない印象がする。
 ともかくも、長年の憂いが晴れてスッキリした。

2013年8月13日火曜日

アドリブ的資質

 いにしえの日活映画「嵐を呼ぶ男」をNHK-BSで観た。典型的な「お約束ストーリー」だが、その分単純でわかりやすく、何度観ても面白い。
 映画の中盤でドラム合戦のまっ最中、前日に右手を傷めた裕次郎が途中でドラムを叩けなくなり、左手1本でシンバルを叩きつつ突然マイクをつかみ、「オイラはドラマ~♪」と歌い出す名シーンがある。観客は喝采、5人ほどのバンドメンバーは歌にあわせ、即興で伴奏をつける。

 アクシデントを咄嗟のアドリブで乗り切るという設定だが、子供のころは「あんなことはあり得ん。映画の進行のために仕組まれたウソだ」と、抵抗があった。しかし、それなりに音楽活動を重ねたこの年になって再度同じシーンを観てみると、不思議に抵抗感が薄れている自分に気づく。


咄嗟のアドリブをこなせるか否かが、プロとアマの大きな分かれ目」と、あるプロシンガーの方に聞かされたことがある。本番でミスをしないよう、練習に練習を重ね、機材には万一を想定してバックアップを用意し、可能な限りのリハーサルをして備える。それでも、シナリオにはない突発的なことは必ず起きる。それがライブの怖さだ。
 そうしたハプニングに、いかにして瞬時に対応するか?そこにプロとしての力量が問われるというのだ。映画ではアクシデントを咄嗟の機転でうまくさばいた裕次郎が、一気にスターダムにのしあがる。

 我が身を振り返ってみるに、過去には幾度か苦い経験もしているが、場数を重ねたいま、ライブでアドリブ的対応が要求される場面でも、それなりにこなせるようにはなった。
 まだ自分でもよく分かってないが、練習の積み重ねと資質の両方の要素が必要な気がする。資質はさほどなさそうに思われるので、どうやら練習で補うしかなさそうだ。
 オリジナルCDの在庫が2種類同時に底をついたので、少しずつ増刷作業を始めた。CD作成に必要な用紙、クリアケース、CD-Rメデイアなどが足りなくなったので、ネット通販で大量発注。
 品質は落とさず、可能な限り原価を下げるため、それぞれの素材を調達する手段はバラバラである。

2013年8月12日月曜日

木製まな板をDIY

 3年以上使い続けた木製まな板の傷みがひどく、ついに作り直すことにした。「作った」といっても、端材を適当に切って端部に吊金具(ヒートン)をねじ込んだだけ。
 大型の市販プラスチック製まな板もあるが、軽くて邪魔にならず、重宝するのは小型のDIYまな板である。


 前回作ったのは無垢材であるのは間違いないが、いったい何を転用したのか、すでに記憶にない。今回は床材として自宅で使った松パネル材を使った。
 まな板なので、まず無垢材であることが必須条件。さらには、そっている材料は不可。ここで多くの候補が脱落する。厚みは15~20ミリで、ヤニが浮いていたり、大きな節が入っているものも不可。なかなか条件は厳しい。

 手頃な板をようやく見つけ、使えない部分を切ってみたら、ちょうど24センチになった。幅は前回と同じ11センチだが、長さは7センチ長くなった。複数の材料を一気に切る場合、もう少し長さがあれば…、と思っていたので、ちょうどいい。
 松系の木材でまな板を作るのは邪道かと思って調べてみたら、皆無ではないようだ。管理方法は難しくなく、水道水でサッと流して吊るしておくだけ。
 木製まな板の利点は、何といっても包丁の刃当たりが柔らかいこと。定期的な交換は必須だが、慣れるとプラスチック製は使う気がしなくなる。

2013年8月11日日曜日

ギョサン

「ギョサン」なる言葉を、イラストレーターの井上リエさんのブログで知った。小笠原諸島で作られた「漁業従事者サンダル」、略してギョサンである。ちゃんとウィキペディアにも載っている。
 プラスチック一体成形なので安くて丈夫で機能的。写真を見てピンときた。私が学生時代に密かに履いていたサンダルではないか。発売は1968年で、時期的にもピタリ合致する。

 当時は海沿いの街に住んでいて、弓道部に所属していた。弓道部は稽古中から必ず足袋を履く。道場ではサンダルか草履の類いが必須だったが、普通のサンダルでは踏ん張りが効かず、鼻緒のある物が都合がよかった。


 そんなとき、通りすがりの雑貨店で不思議な草履型のサンダルを発見する。色は地味なベージュだったが、その地味さ加減が、規律を重んじる弓道にはうってつけ。価格が100円くらいだったので、迷わず買った。
 仲間内で履いているのは私だけで、「いいの履いてるな~」と、しきりに羨ましがられたもの。

 もともとが作業用に作られていたせいか、一般のサンダルよりは遥かに丈夫で長持ちし、20歳のときに企てた日本一周放浪自転車旅行の折にもバックに詰めて持参。夕方のキャンプの折には靴から履き替えて重宝した。
 写真はそのときのもので、旅を終えて福井から小樽に向かうフェリーの上でセルフタイマーで撮ったもの。色あせてはいるが、ベージュのギョサンが足元にはっきり写っている。
 そのギョサン、3年くらい使ってついに鼻緒の部分が切れてしまい、以来履くことはなかったが、なぜかいまカラフルな製品が発売され、ブームが再燃しているとか。アマゾン等で調べてみると、数多くの品がヒットする。

 最近履いているサンダルはもっぱら100円ショップで調達しているが、懐かしいので、次回はギョサンを重点的に見繕ってみることにしよう。
 それにしても、45年の時を経てブーム再燃とは恐れ入る。

2013年8月10日土曜日

5年で交換

 玄関前車庫の一部にDIYで作り付けしてある物置のドアが壊れた。2枚折戸を吊るしている上端部の蝶番がサビで脱落してしまったもので、過去にも数回同じ場所が壊れている。
 折戸を相互につなぐ部分にも蝶番は使っているが、こちらは内部に隠蔽されているので、過去に一度も脱落していない。吹きさらし状態の蝶番がどうしてもサビやすい。
 作業時に調べてみたら、今回で3度目の交換だった。強度面の配慮から、前回とは数ミリずらして別の場所に取り付けているので、穴の数で回数が分かる仕組み。


 ステンレス製の蝶番を使う考えもあるが、サビに関してはそれほどの違いはなく、しょせんは消耗品。価格が1個44円と格安の鉄メッキ製で充分である。
 作って14年目で3度目の交換なので、理論上は5年弱は持つことになる。まあ、妥当なところではないだろうか。

2013年8月8日木曜日

異業種コラボ

 8月最初のチカチカパフォーマンスに参加。チカチカパフォーマーとして活動を始めて丸2年が経過したが、盛夏の8月に歌ったことは過去一度もない。理由は単純に「暑い」からで、歌うと身体から熱が出るタイプの私にとって、暑さは大敵だった。
 ただ、ここ数回のライブでその暑さを克服する手段を見つけた。それを立証しつつ、さらには苦手な大空間である北3条広場で、100Vポータブル電源を使った大きめのPAを試すのが今回の主な目的である。
 ライブ後に墓参りも一気に済ませるべく、途中で仏花を買ったりして手間取り、会場に入ったのは14時5分。機材一式の重さが7.5Kgほど増え、駐車場からの移動負担はやや増した。
 共演のヨミガタリストまっつさんはまだ来ていないので、14時15分から歌い始める。第1ステージでは以下の8曲を、およそ30分で歌った。(◎はオリジナル、※は初披露)

「真夏の出来事※」「バラが咲いた」「どうにもとまらない」「オリビアを聴きながら」「抱きしめて◎」「恋する夏の日」「アメイジング・グレイス」「ブルーライト・ヨコハマ」


 この日の地下通りの人出はまずまず。1曲目が終わると中年女性が近寄ってきて、「いい声してる。さとう宗幸歌って」と、いきなりのリクエスト。
 一瞬戸惑いつつも、電子譜面をめくって「青葉城恋唄」を探すが、見つからない。旧暦の七夕も過ぎたので、別ファイルに移動したのを思い出した。やむなく予定通りに「バラが咲いた」を歌おうとタイトルを告げると、かの女性、「その歌あまり好きじゃない」と立ち去ろうとする。
 構わず歌い始めたら、途中で戻ってきて聴いてくれる。最後には盛大に拍手をくれた。3曲目も予定通りに歌い始めると、「リンダは嫌いよ」と立ち去り、今度は二度と戻ってこなかった。
 しかし、逆に別の人々が集まってきて、一気に10名を越す。人の好みは実にさまざまだ。
「オリビアを聴きながら」で一斉に人が消え、一瞬ゼロに。時によっては反応のよい曲だが、この日この場ではアウトである。オリジナルの「抱きしめて」で少し戻し、「アメイジング・グレイス」で、またどっと人が増えた。
 他の場でもそうだが、本当にこの曲は強い。歌い終わるとCDがパタパタと3枚も売れた。「次の曲で最後です」と告げると、一斉に「え~、もぉ~」の声。
(ちなみに、大半が中年女性)

 途中で現れたまっつさんはすでにスタンバイ中。PAの位置は動かさずそのままにし、まっつさんはやや前方でパフォーマンスすることになった。


 まっつさんのネタは「蜘蛛の糸」で、時節柄ぴったりのこともあってか、かなりの人が集まった。
 10分ほどで終了し、休憩に入るという。ふと思いついて、「《雨ニモマケズ》の朗読はやりますか?」と尋ねた。以前に宮沢賢治を演っていたことがあり、もしやと思った。すると演れるという。実は私のオリジナル作曲がありますので、引継ぎ形式でコラボしませんか?と誘った。
 全くの打合せなしだったが、即OK。まずはまっつさんが朗読し、続けて私が歌うことになった。

 まっつさんの朗読中にギターで情景に相応しいコードをアルペジオでBGMふうに弾き、朗読後に自然に歌へと移行した。実は「歌謡劇」という似た試みを過去にソロで数回やっている。物珍しいこともあってか、じわじわと人が集まってきた。
(あとで大福の差し入れが2人にあったことを知る)
 打合せナシのアドリブ的異業種コラボ、かねてからやってみたかったが、意外な形で実現した。
 ここから第2ステージへと移行。25分ほどで8曲を歌った。

「雨ニモマケズ抄◎」~「カントリー・ロード」「北の旅人」「どうにもとまらない」「誰も知らない夜◎」「夏の終りのハーモニー※」「草原の輝き」「アメイジング・グレイス」「青春時代」

 コラボ企画が余程効いたのか、集まった方の多くがそのまま残って聴いてくれた。2曲を重複して歌ったが、消耗する夏のステージではこんなこともあるのだ。
 合計4枚のCDが売れたが、北3条広場では初の記録。これが大きめのPAの威力によるものか、はたまたアメイジング効果によるものかは、定かではない。

 初めて試したPAは特に低音の響きがよく、通りの遠くまで音が届いていた感じで、集客には効果的。ただ、ボーカルの反響はあまりよろしくない。これはおそらく会場の特質で、ナチュラルリバーブが期待できない空間形状なのであろう。
 暑さ対策は「バンダナ」「開襟シャツ」「ストールはゆるく外巻き」「ポカリ持参」で問題なく乗り切れた。何かと消耗したが、いろいろ試せて収穫の多いライブであった。

2013年8月7日水曜日

初のチャリティライブ

 先日隣区の総合スーパーで実施したイベントライブのお礼と報告のハガキが、主催のTさんから届いた。それによると、座席後方の案内板横に置かれた募金箱には、4,286円のお金が入っていたという。

 募金の主旨は「区の福祉・文化振興」で、募金箱を置くことは事前に私も聞かされていたし、お店の担当者の了解も得ていた。今回の企画は街づくりイベントである一方で、実はささやかなチャリティイベントでもあったのだ。

《ボランティア募金》「集まったお金はまとめて区役所に届け、後日区役所内の掲示板にて金額を発表します、出演者一同」と明記してあった。
 募金箱にはTさんの住所氏名もあり、責任体制も明確。しかし、第1ステージ終了時点では、募金箱の中はカラ。募金箱は古いアイロン箱を転用したような手製の完全オープン式だったが、いわゆる「見せ金」も入れてなく、チャリティの難しさを予感させた。
 これまで介護施設訪問ライブを始め、被災地支援ライブへの出演など、ボランティア的なライブには多数参加してはいるが、会場の片隅に募金箱を置く「チャリティライブ」への参加は一度もない。
 30分の持ち時間でも特に募金についてはふれなかったが、自分がこれまでやってきた社会活動については、曲紹介にからめて少しだけ話した。

 自分のステージが終わり、再度募金箱を確かめに行ってみると、いつの間にかかなりのお金が投げ込まれている。お金が全く見えないタイプの募金箱もよく見かけるが、完全オープンの募金箱は逆に共感を呼びやすいのかもしれない。
 第3ステージ終了後にTさんから、「菊地さん、3千円は軽く超えてるよ」との報告はあったが、実際には4千円を超えていた。すべて硬貨で、会場を去り際に投げ入れていった方が多かったのかもしれない。
 多少の出入りはあったので、聴き手の総数は延べ40人といったところか。他に経験がないのでよく分からないが、出演者2人、出演時間1時間15分という小規模イベントの割には、随分集まったような気がする。
 募金なので自分のお金ではないが、予想外の手応えがあると、正直うれしい。活動の励みにもなる。

2013年8月5日月曜日

街づくり活動の要件

 昨日総合スーパーで実施したイベントライブは、当然ながら無料である。誰でも自由に観覧でき、途中退出も自由。場を借りる条件のひとつにも入場料をとってはならないことが明記されている。
 他にも代表者の住所か勤務先が同じ区内にあることなど、条件は厳しい。「街づくりに寄与すること」という明確な目的があり、備品や広報、管理などで貴重な税金が使われているのだから、当然といえば当然である。

 出演者にギャラの類いが支払われないのも当然だが、いわゆる「集客ノルマ」の類いも一切ない。場の使用料は必要だが、市民活動の場合はごくわずか。(NPOを含めた法人の使用料はそれなり)この使用料の按分負担は発生するが、集客ノルマに比べるとさほどの問題ではない。


無料開放」「出演者はノーギャラ」「出演者にノルマを課さない」これらが街づくりイベント本来の姿で、2年前から継続活動中の「チカチカパフォーマンス」も、これに沿った都心型街づくり活動のひとつといえる。(チカチカパフォーマンスは年1回の登録料のみ負担で、場の使用料が必要なく、オリジナルCDの販売も可)
 3条件のひとつでも崩れてしまうと、そのしわ寄せがどこかにゆき、活動はいずれ先細りとなってしまうだろう。音楽系イベントの場合は著作権の問題も自動的に発生し、扱いはますます難しくなる。
 残念ながら私の住む区では街づくり活動が隣区ほど盛んではなく、こうした開放された場が存在しない。やむなく時間をかけて遠くのイベントに参加せざるを得ないが、文化活動の盛んな地域を、時にうらやましく思ったりする。

 実は今月末に歌わせていただく場は、近所にあるその街づくりセンターである。認知症を考える勉強会の余興に過ぎないが、幸いなことに責任者の方ともお会いでき、意気投合したばかり。今後の展開次第では、センターの空きスペースと空き時間を利用し、何らかの定期イベントを開ける可能性がある。
 介護施設系ライブの道はようやく軌道に乗ったので、次は街づくり活動の道を拓きたいと思ってる。いまは試行錯誤の時期。

2013年8月4日日曜日

人生の手本

 隣区にある総合スーパーで催されたイベント「なつかしき集い」に出演した。依頼はボランティア仲間のTさんからで、区の街づくりイベントの一環として自身の紙芝居と私の弾き語りとを一緒にしたコラボ企画である。
 この1年で同様の企画イベントに2度参加しているが、今回はTさんの古希祝いも兼ねている。「70歳の節目に何か記憶に残るものを」との話に、喜んで協力することにした。


 場所は「トライアングル広場」と称する街づくり交流広場。区に事前申請をし、街づくり活動としての諸条件をクリアすると利用可能となる。
 この日は100Vポータブル電源を初めて実戦で試す予定だったが、広場の上は3階まで吹き抜けになっていて、かなりの大空間である。事前のマイクテストでの音の感じは悪くない。何とかやれそうだった。
 開演前からすでに10人くらいの人が集まっていた。広場前には店側で用意してくれたらしい立派なイーゼル式の告知看板が設置されていて、その効果もあったように思える。


 定刻13時から開始。最初はTさんの紙芝居「黄金バット」で、聴き手は25~30人といったところ。特に事前告知をしなかった割には、まずまずの入りだった。

 いつものようにTさんはノーマイクで朗々と演じていたが、佳境にさしかかった頃、予期せぬことが起きた。効果音で使っていた手持ち太鼓を叩くバチが、真っ二つに折れてしまったのだ。
 このバチがなぜか枯れ枝。紙芝居に市販のバチは似合わないと、いつも枯れ枝を使っているそうだが、この日はそれが裏目に出た。
 最後尾で観ていた私は「あっ、折れた」とのTさんの言葉で異変に気づいたが、バチの予備はなく、もはや太鼓は使えない状態。あとで知ったが、このハプニングでTさんは動揺し、すっかりペースを乱してしまったという。
 打合せでは30分の持ち時間のはずが、半分の15分で終了。折れたバチが影響していたことは明らかで、急きょ私が舞台に上り、13時15分から歌い始める。
 スーパー店内の舞台で歌うのは全く初めての経験で、何をどう歌うべきか、まるで見当がつかない。ディサービス系やチカチカパフォーマンスの構成をベースに、聴き手の状況によっては地域祭り系の曲をいつでも歌えるよう、フレキシブルな体勢で臨んだ。
 結果として、およそ30分で以下の9曲を歌った。

「恋のバカンス」「バラが咲いた」「真赤な太陽」「涙そうそう」「北の旅人」「カントリー・ロード」「年下の男の子」「アメイジング・グレイス」「ブルーライトヨコハマ」

 心配していた音に関しては、大きな問題がなかった。ややギターの音が弱い感じがしたが、ボーカルの響きが抜群によい。ギターの音はあえていじらず、ボーカル中心で歌い進んだ。


 クセのない曲をそろえたこともあってか、歌い終えるたびに静かだが、確かで長い拍手をいただいた。あまりの拍手の長さに、「ありがとうございます」と2度繰り返すシーンが数回あったほど。子供や若い方の姿がなく、状況次第では歌うつもりでいた「ハナミズキ」「散歩」などは結局歌わずじまい。

 前回のチカチカパフォーマンスで初披露し、強い手応えのあった「アメイジング・グレイス」をこの日もラスト前に歌ったが、店のあちこちから音を聞きつけた人が集まってきて、座席の後部に数人の立ち見が出た。
 理由ははっきりしないが、この曲はとにかく強い。高音部の聞かせどころが、自分に合っているのかもしれない。しかし、その分非常に消耗する曲なので、扱いは難しい。

 ラストの「ブルーライトヨコハマ」では、期せずして会場から手拍子が飛び出す。この種の場で手拍子が自然に出れば、まずは成功と評価していい。
 第3ステージは再びTさんの紙芝居で、この日が初披露の民話「うづら」。人情系の紙芝居はTさんの得意ジャンルで、熱演に会場は静まり返る。あとで聞くと一部セリフを忘れたそうだが、すべて咄嗟のアドリブで乗り切ったという。ラストには自分で作ったというわらべ唄まで入っていた。

 少し早めの14時15分に終了。広場に常設のブロンズ前で並んで記念写真を撮る。詳しくは書けないが、いろいろと重いものを背負いつつも、こうして精力的に社会活動を続けるTさんである。
「人生、いつでも挑戦できます」と、第3ステージ冒頭でもふれていたが、よいお手本に今後もさせていただこうと思う。そして自分自身も、若い人の手本になるような人生を歩んでいくことだ。口幅ったいが、そんなことを感じた。