2013年8月11日日曜日

ギョサン

「ギョサン」なる言葉を、イラストレーターの井上リエさんのブログで知った。小笠原諸島で作られた「漁業従事者サンダル」、略してギョサンである。ちゃんとウィキペディアにも載っている。
 プラスチック一体成形なので安くて丈夫で機能的。写真を見てピンときた。私が学生時代に密かに履いていたサンダルではないか。発売は1968年で、時期的にもピタリ合致する。

 当時は海沿いの街に住んでいて、弓道部に所属していた。弓道部は稽古中から必ず足袋を履く。道場ではサンダルか草履の類いが必須だったが、普通のサンダルでは踏ん張りが効かず、鼻緒のある物が都合がよかった。


 そんなとき、通りすがりの雑貨店で不思議な草履型のサンダルを発見する。色は地味なベージュだったが、その地味さ加減が、規律を重んじる弓道にはうってつけ。価格が100円くらいだったので、迷わず買った。
 仲間内で履いているのは私だけで、「いいの履いてるな~」と、しきりに羨ましがられたもの。

 もともとが作業用に作られていたせいか、一般のサンダルよりは遥かに丈夫で長持ちし、20歳のときに企てた日本一周放浪自転車旅行の折にもバックに詰めて持参。夕方のキャンプの折には靴から履き替えて重宝した。
 写真はそのときのもので、旅を終えて福井から小樽に向かうフェリーの上でセルフタイマーで撮ったもの。色あせてはいるが、ベージュのギョサンが足元にはっきり写っている。
 そのギョサン、3年くらい使ってついに鼻緒の部分が切れてしまい、以来履くことはなかったが、なぜかいまカラフルな製品が発売され、ブームが再燃しているとか。アマゾン等で調べてみると、数多くの品がヒットする。

 最近履いているサンダルはもっぱら100円ショップで調達しているが、懐かしいので、次回はギョサンを重点的に見繕ってみることにしよう。
 それにしても、45年の時を経てブーム再燃とは恐れ入る。