募金の主旨は「区の福祉・文化振興」で、募金箱を置くことは事前に私も聞かされていたし、お店の担当者の了解も得ていた。今回の企画は街づくりイベントである一方で、実はささやかなチャリティイベントでもあったのだ。
《ボランティア募金》「集まったお金はまとめて区役所に届け、後日区役所内の掲示板にて金額を発表します、出演者一同」と明記してあった。
募金箱にはTさんの住所氏名もあり、責任体制も明確。しかし、第1ステージ終了時点では、募金箱の中はカラ。募金箱は古いアイロン箱を転用したような手製の完全オープン式だったが、いわゆる「見せ金」も入れてなく、チャリティの難しさを予感させた。
これまで介護施設訪問ライブを始め、被災地支援ライブへの出演など、ボランティア的なライブには多数参加してはいるが、会場の片隅に募金箱を置く「チャリティライブ」への参加は一度もない。
30分の持ち時間でも特に募金についてはふれなかったが、自分がこれまでやってきた社会活動については、曲紹介にからめて少しだけ話した。
自分のステージが終わり、再度募金箱を確かめに行ってみると、いつの間にかかなりのお金が投げ込まれている。お金が全く見えないタイプの募金箱もよく見かけるが、完全オープンの募金箱は逆に共感を呼びやすいのかもしれない。
第3ステージ終了後にTさんから、「菊地さん、3千円は軽く超えてるよ」との報告はあったが、実際には4千円を超えていた。すべて硬貨で、会場を去り際に投げ入れていった方が多かったのかもしれない。
多少の出入りはあったので、聴き手の総数は延べ40人といったところか。他に経験がないのでよく分からないが、出演者2人、出演時間1時間15分という小規模イベントの割には、随分集まったような気がする。
募金なので自分のお金ではないが、予想外の手応えがあると、正直うれしい。活動の励みにもなる。