2013年8月18日日曜日

暑さと闘うライブ

 札幌の南東にある有料老人ホームの誕生会に招かれ、歌ってきた。いろいろな縁で2007年から年一回ペースで歌わせていただくようになり、今回で7回目の訪問となる。決して太くはないが、強くて確かな信頼関係でつながっている施設である。
 真夏に招かれたのは、実は今回が始めて。普段は歌えない夏メニューの構成で臨んだ。

 札幌北端にある我が家からは、車でおよそ1時間近くかかる。市内では最も遠い施設になるだろう。前線の接近で朝から激しい雨が続いていたが、出かける直前になってピタリ上がって、青空が広がった。
 13時45分に先方に着き、施設側のイベントなどがあって、14時15分過ぎからライブ開始。およそ35分で以下の12曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「ブルーライト・ヨコハマ」「サン・トワ・マミー」「浜辺の歌」「涙そうそう」 「幸せなら手をたたこう」「北の旅人」「高校三年生」「われは海の子」「恋のバカンス」「丘を越えて」


 新し目の曲でも受け入れてくれる得難い施設なので、前回に引き続き、普段あまり介護施設系では歌わない曲を選んだ。「ブルーライト・ヨコハマ」「サン・トワ・マミー」「涙そうそう」「北の旅人」「恋のバカンス」あたりがそれで、どちらかといえばチカチカパフォーマンスで人気のある曲である。

 聴き手の数は職員さんを含めて、60名ほど。かなりの冒険をしたにも関わらず、場のノリはよかった。前半は自然発生の手拍子を多数いただいたが、聴き手参加型の「幸せなら手をたたこう」を終えたあたりから、場の反応が次第に弱くなるのを感じた。
 理由はあきらかに「暑さ」である。この日の最高気温は31度を越えていて、湿度も80%に迫る不快な陽気。歌う側も聴く側も、暑さとの闘いを強いられた。
 歌う私はこの夏のライブで会得した暑さ対策で何とか対応できたが、特に体力のない高齢者の方々に、この条件下での長丁場は厳しかったように思える。暑さで食欲も減退したのか、おやつとして出されたチョコケーキにも、手をつけない方が多かったように見えた。
 残り2曲になって心配になり、担当の方にこのまま歌ってよいか確認したが、予定通りお願いします、との返答。ラスト2曲は間奏を省略するなどし、短めに切り上げた。

 それでも終了すると、「いつも先生の歌を楽しみにしているんですよ、ありがとうございます」と、近寄って労ってくださる入居者の方が複数いらして、ちょっとホッとした。
(「先生」とはこうした場でしばしば用いられる呼称だが、大きな意味はなく、相手を慮ったある種の敬称と考える。当初は「先生じゃないです」と、都度否定していたが、最近は呼ばれるに任せている)

 非常にタフな条件の場だったが、経験値で無難に乗りきれたと思う。