帰省中の息子と休暇で家にいた妻を伴い、午後から墓参りに出かける。車は息子の所有する大型車なので、ゆったりしている。
まずは近くの大型スーパーで昼食。その後、霊園までの道すがらにある母の施設に立ち寄った。末の息子を連れてゆくのは初めてで、そもそも母と息子が会うのも父の葬儀依頼のこと。
しかし母は遠くからでも自分の身内であることを瞬時に悟ったようだ。さすがに名前は覚えてなかったが、「よく来てくれた」と、涙を流して喜んでいた。
会って何を話すとか、土産を持参するとか、そんなことはどうでもよく、身内はただ会いに行って顔を見せてやればそれでよい。これは長年付き合いのあるグループホーム経営者の方から教わったことだが、本当にそう思う。
霊園まではかなりの山道なので、私の提案で通り道にある六花亭のカフェで休憩することにした。以前にも一度来たことがあるが、何かの景観賞に輝いた斬新なデザインのカフェである。
日替わりケーキと珈琲を飲んだが、珈琲はポイントカードを使えば無料という粋なはからい。六花亭はよく利用するので、ポイントはたっぷり溜まっている。些細なことだが、何か得した気分。
16時頃に霊園に到着。日陰にはまだかなりの残雪がある。予報では午後から雨が強くなるはずだったが、不思議なことに雨は止んだ。ただ、風は非常に強く、しかも寒い。
悪天候のせいか霊園に人影は皆無。いつものように花を飾って供物を置き、ローソクと線香に火を点けたが、防風フードをかぶせても、強い風で火が消える。こんな経験は初めてだ。長居すると風邪をひいてしまいそうで、早々にお参りを済ませて退去。
母の見舞いと墓参で一日が暮れたが、寒い連休の谷間に、最低限の子の務めは果たせた。