10日間にも及ぶ冷たいGWが嘘のように、前日からカラリとした晴れ続き。この日も気温こそ12度程度だが、ビルの谷間は風もなく、歩道は太陽を待ちわびた人々で溢れていた。
相対的に節電で薄暗い地下通りは、人通りが前回に比べてはるかに少ない。苦戦の予感がする。
この日も会場は北4条広場。展示系を含めて4組の共演となるはずが、直前に体調不良によるキャンセルが2組出てしまう。チカチカパフォーマンスはあくまで自主的な活動なので、無理をしてまでやる必要はなく、キャンセルはしばしば発生するが、私に限れば過去34回でキャンセルはゼロ。ちょっした誇りである。
もう1組のパフォーマーも会場入りが遅れている。前回と同じ南端の位置で通りにまっすぐ向かって陣取り、14時ちょうどから開始。およそ35分で以下の9曲を歌った。(◎はオリジナル)
「ハナミズキ」「バラが咲いた」「サクラ咲く◎」「花の首飾り」「赤いスイートピー」「あなた」「花(喜納昌吉)」「野の花や◎」「サクラ咲く◎」
第1ステージのテーマは前回と同じく花の歌だが、構成を少し変えて、全曲を花関連でまとめた。(ちなみに「あなた」にはバラとパンジーが登場する)
人通りが少ない割に、1曲目から数人の中年女性が集まってきて、熱心に聴いてくれた。1曲終わるとすぐにCDを手に取り、「サクラ咲く」の歌詞を指さして、「この曲が聴きたい」と請う。
(紙ジャケのCDは裏面に3曲の歌詞が印刷してあり、その場で確認可能)
2曲目はスローな曲を歌いたかったので、3曲目でもいいですか?と確認すると、いいと言う。本当は5曲目に予定していたが、歌えばCDを買ってくれる気配濃厚だったので、急きょ順番を変えた。
実はあなたのことは以前から知っていた。一度ゆっくり聴きたいと思っていたが、今日は連れがいないので、聴かせてもらった。とてもいい曲ですね。
終わると、そう言ってCDを買ってくれた。そばで聴いていた別の2人も買ってくれて、わずか10分ほどの間にパタパタと3枚が売れてしまう。
予想外の出だしに気をよくし、トントンと歌い進んだが、その後はパタリと集客が止まった。ピークは「花の首飾り」の10人ほどで、ラスト3曲は久しぶりの「ほぼゼロ」状態である。
予定では7曲で止めるつもりでいたが、ラスト2曲はその場の気分で追加として歌ってみただけで、さほどの意味はない。
30分過ぎにジャグリングの弥勒さんが会場に現れたので、場を交代してしばしの休憩。15時25分くらいから第2ステージの準備にかかる。気分を変えて南端の壁を背にし、久しぶりに通りと45度の角度で歌ってみようと思った。
始めた当初はよくやっていたポジションだったが、奥の位置よりも明るく、通りに近いという長所がある。
準備中に同年代と思しき男性から話しかけられる。30分から歌うの?と、いかにも親しげな口ぶり。その後もあれこれ話しかけられ、よく確かめたら、以前から私の歌う姿は見かけていて、名前も知っていたという。
今日はたまたま時間があるので、ゆっくり聴かせてもらう、とのことで、何だか第1ステージとよく似た展開ではないか。
15時30分から25分ほどで、以下の7曲を歌った。
「手紙(由紀さおり)」「つぐない」「人形の家」「抱きしめて◎」「どうぞこのまま」「池上線」「積木の部屋」
第2ステージのテーマも前回と同じ「愛の暮らし」、つまりは5月のチカチカパフォーマンスのために準備したものだ。以前からそうではないかと思っていたが、通りを行き来する人は同じ時間帯の平日であれば、重複する人が多数いるようだ。
歌っていると思いがけない知人によく出会うように、要は札幌の街は案外狭いのである。だからいつも同じ歌、同じ構成では、必ず飽きられてしまい、立ち止まってくれる人は減少の一途をたどるだろう。
(同じ歌で何度も感動させるのが理想かもしれないが、私には無理)
結局のところ、季節や時間帯によって構成を変えるなど、目先を変える工夫を怠らないことだ。販売するCDにも当然ながら賞味期限があるはずだから、いずれは第2弾を考えなくてはならないだろう。
第2ステージの集客はさらに減ったが、2曲目からチカチカパフォーマンスで知り合ったKさんも現れ、先の中年男性と共に、1曲歌い終えるごとに曲にまつわる余話をあれこれやり取りしつつ進めることに。
結果として非常に楽しく充実した時間を過ごすことができた。